おくりびとの日記

数多くの仏様を成仏させた「おくりびと」が、お葬式の出会いを綴ります。終活の参考になれば幸いです。

おくりびとの日記の人気ブログ記事

  • 住職が教えてくれた故人

    仏式でお葬式を挙げると、お寺のご住職が御経を唱えてお勤めをされる場面は、結構な回数になることに気がつきます。亡くなって直ぐに、安置された枕元で挙げる「枕経」、お通夜の式場で行なう「通夜経」、葬儀式で読み上げる「阿弥陀経」「無量寿経」「正信偈」「法華経」などの宗派で異なる御経、火葬炉前で読み上げる「... 続きをみる

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  • お地蔵様にご注意下さい

    街中を歩いてみると、交差点脇とか踏切の傍、そして道路の端に石で作られたお地蔵様を見つけることがあります。見かけた方が手を合わせている光景に遭遇した人もあるでしょう。親しみをこめて「お地蔵様」と呼ばれていますが、正式にはインド生まれの地蔵菩薩と言う仏様です。サンスクリット語ではクシティ・ガルバと言う... 続きをみる

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  • 骨を食べてもいいかしら

    半年程前にご主人を亡くされたお婆ちゃんのご自宅へ納骨の相談に伺っています。公営墓地に購入したお墓があります。まず墓石に戒名と死亡日を彫刻してもらうために墓碑銘の掘り込みを石材店に手配します。そして納骨当日に墓石の移動とカロートの開閉を行うように連絡をします。カロートとは墓石の下の地面を掘り地下室に... 続きをみる

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  • 大切な人を亡くした後は

    お葬式は大切な人との別れの場です。愛する人が亡くなった時、ほとんどの皆様は人の死に対してパニックになります。この状況を簡単に受け止められないのです。もう「この世に大事な人が居ない」と悟るショックや喪失感から涙やため息が止まらなくなり強い後悔を感じる人も出てきます。さらに死因や状況によっては故人の死... 続きをみる

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  • 自殺者の葬儀は苦手です

    何故、自殺をするのでしょう? 動物の世界で、自殺をするのは人間だけだと言います。 葬儀の仕事を始めて、驚いたのは、自殺で亡くなる方が多くいるのを知った時でした。 日本では毎年2万人以上が自殺をしています。一日に60人以上が自分で命を絶っているのです。年代別死因では第一位になることもあります。 男女... 続きをみる

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  • 自殺者は成仏できるのか

    我々が住む日本では、年間3万人を超える人が自殺をしています。世界保健機関のデータによると日本は5番目の位置で自殺死亡率上位の国と認識されています。私がこの葬儀の仕事に就いて驚いたことがあります。自殺で亡くなる方がとても多いのです。このブログでも自死の旅立ちを多く綴っています。近年減少傾向にあった自... 続きをみる

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  • 死体の顔は変わるのです

    亡くなった方を病院から搬送してお布団に安置します。お顔やお身体が柔らかい内に出来るだけの処置をします。亡くなると身体の筋肉が固まる死後硬直が始まります。死亡直後から始まる硬直は12時間を過ぎるとピークを迎えます。こうなると手指を胸元で組ませるのがとても困難になります。お顔の硬直は下あごから始まりま... 続きをみる

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  • 損傷の酷いご遺体の前で

    葬儀屋になり、いろいろな状態のご遺体に接してきました。皆様は自分が亡くなった時は、布団に寝かされた綺麗な身体を想像するのでしょう。 周りの家族が「今にも起きてきそう。良く眠っているみたい」と周りを囲む、幸せな最期を考えているかもしれません。 警察からお迎えの連絡が入りました。検視の済んだご遺体の引... 続きをみる

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  • 火葬場に着き感じる事は

    連日、火葬場に向かうのが葬儀屋の仕事です。普通のお仕事をされている方は人生で数回しか火葬炉の前に立つ経験はされないはずです。この頃は火葬場の予約も直ぐに一杯になり、並ぶ火葬炉がフルに稼働中の光景を目にするようになりました。高齢化と多死社会がすごい勢いで進んでいます。連日多くの人が次々と死んでいく現... 続きをみる

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  • 般若心経を覚えませんか

    ご家族と親戚が集まる20名程のお葬式での出来事です。お寺様が退席した後に親戚の父親が「おい、やって見せろ」と声をかけました。祭壇の前に出てきたのは小学4年生の男の子です。先ほどまで、お坊様が読経をされていた場所に座ると、おもむろに鈴を三回鳴らし、朗々と「般若心経」を唱え始めました。もちろん暗唱です... 続きをみる

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  • 自衛隊隊員の旅立ちです

    家族が選んだ遺影写真は自衛官の制服を着用していました。左胸の「陸上自衛隊き章」の下には防衛記念章及び防衛功労章が並んでいます。お手伝いさせて頂いたお葬式は、陸上自衛隊隊員が故人様でした。小隊のリーダーとしての人望も厚く、活躍されていた数々の功績が左胸に並んだ記章で表されていました。 「大学をご卒業... 続きをみる

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  • お葬式は今日も雨だった

    先ほどまで、ポツポツと降っていた雨がお通夜の開式時間が近づくとやみました。まるで会葬者の皆様が濡れないように配慮したように感じました。お通夜が終わり家族だけが棺の周りを囲むころ、雨がまた強く降り出しました。最後のお別れを惜しむ故人の涙のようです。 翌日の告別式の日も、どんよりとした今にも一雨来そう... 続きをみる

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  • ご遺体と記念撮影は疑問

    通夜式が終りました。弔問客やご親族もお帰りになった深夜のホールでの出来事です。お線香守りの親族の若者が数人棺の周りにいました。なにか騒がしいなと思い、式場を覗いてみます。なんと棺桶の蓋が外されて開いています。横たわった仏様のお布団が半分はがされています。そしてスマホを代わる代わる差し出して、ご遺体... 続きをみる

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  • 貴方の死ぬ時を教えます

    日の出までには、まだ数時間あります。深夜3時過ぎは、人通りが一番少なくなると言われています。この時間になると何故か電話が鳴るのです。 「亡くなったので、お葬式をお願いします。すぐに病院に迎えに来てください」 ほとんどの方は病院で亡くなります。お医者様が死亡を確認すると、その後看護師さんが エンゼル... 続きをみる

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  • 葬儀後に発症する病気は

    先月お葬式を施工された喪主様の息子さんが、深刻な顔をして葬儀会館の事務所を訪ねてきました。「オヤジがどうもおかしいと感じる。葬儀屋さんが、あの時に『お困りの事があったら何でも相談してください』と言ってくれたのを思い出して、来てみました」 確かに、お葬式が終わり葬儀代金を貰えてご自宅から退去する際に... 続きをみる

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  • 不思議と雨が降るお葬式

    先ほどまでポツポツと降っていた雨がお通夜の開式時間が近づくと止みました。まるで会葬者の皆様が濡れないように心を配ったと感じました。お通夜が終わり家族だけが棺の周りを囲むころまた強く降り出しました。最後のお別れを惜しむ故人の涙のようです。翌日の告別式の日も、どんよりとした今にも一雨来そうなお天気でし... 続きをみる

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  • 最後の呼吸は吸い込んで

    「とても穏やかな旅立ちでした」ご家族から最後の様子が語られます。亡くなる一週間前から食べ物を一切取らなくなったそうです。三日前からはお水も飲まなくなりました。かかり付け医は点滴を勧めましたが、医療経験のある家族は断りました。半日前から口を開けて呼吸をする下顎呼吸の状態が始まりました。喘いでいる姿に... 続きをみる

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  • 火葬後の灰の中から指輪

    火葬炉の扉が静かに閉まります。しばらくすると「ゴォー」と音が聞こえてきます。 炉の中の紅蓮の炎で仏様が旅立ちます。この時間帯は葬儀屋にとって、少しホッとできる時間なのです。お迎え、納棺、通夜、告別式、出棺、と緊張した時間が続き、やっと火葬炉に納めます。90分程の焼き上がりを待つだけの時間です。喪家... 続きをみる

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  • この経は心臓によくない

    本日のお坊様の宗派は臨済宗です。このお坊様が御経を読む時に、葬儀屋の私がひそかに楽しむ場面があります。ご参列の皆様が悲しみのどん底にある時に葬儀屋が「楽しみ」などと言うのは極めて不謹慎な考えだと責めないでください。決してお葬式の施工を楽しんでいる訳ではありません。しいて弁解するなら、自分だけが知っ... 続きをみる

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  • ご遺体の匂いは厳禁です

    熱波が渦巻いている猛暑の日とか、雨模様でジメジメした湿気がこもる日の部屋の中では、どうしても臭いが気になることがあります。スーパーの棚にはずらりと消臭剤が並んでいます。近頃は体臭や服の匂い、又部屋の匂いにも敏感になり、周りを気にする方も増えています。実は、葬儀屋も病院や介護施設からお連れしたご遺体... 続きをみる

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  • 病院の一報は間に合うか

    「亡くなりました」と連絡が入ると病院へお迎えに行きます。ほとんどが真夜中か明け方の時間帯です。「夜が明けるまで待ってください」と望む家族の希望は、大概はかなえられません。「一刻も早く運び出してください」とプレッシャーをかける病院の対応が多いのです。翌朝になると周りの患者も起き出してくるし、なにより... 続きをみる

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  • 火葬前に抱いてあげたい

    お手伝いがとても辛いお葬式があります。小さなお子様が旅立つ時間です。それも、まだ幼稚園や保育園の入学前に、亡くなってしまう小さな亡骸と対面した時は「なぜ、このような幼い子供が亡くなってしまうのだろう」と、死者に慣れた私でも理不尽を感じながら納棺に臨みます。悲しみをこらえながら自分の子供のお葬式の打... 続きをみる

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  • 妻に先立たれ壊れる生活

    夕方「胸が苦しい」と訴えた奥様は救急車の中で息を引き取りました。親戚付き合いが苦手でしたのでお葬式は家族だけで行われました。遠方に居住する一人息子さんのご家族が参列されます。憔悴した喪主様に息子さんが「オヤジ一人で生きていけるのか」と声をかけます。「大丈夫だ」と答える姿がカラ元気に見えました。葬儀... 続きをみる

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  • なぜ死体はこんなに重い

    ほとんどの方が出棺の時に棺桶を持ちあげると、「エッ」というお顔をされます。指先にかかる棺桶の重さにビックリされるのです。たいして大きくないお婆ちゃんやお爺ちゃんでも、ご遺体になり棺桶に横たわると、結構な重さを感じるのです。 人は生気が無くなると体重がいっぺんに増えるように感じるのは何故でしょうか。... 続きをみる

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  • 自殺の葬式が減りません

    火葬炉に飲み込まれる棺にそっと声をかけました。「お疲れ様でした」。見送る家族はどなたも泣いていません。それどころか疑問と驚愕と後悔の表情が見て取れます。棺の中の故人はまだ寿命は充分に残っているのに自ら旅立った自殺者です。人はなぜ自殺をするのでしょうか?葬儀の仕事に就いて驚いた事があります。自殺で亡... 続きをみる

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  • 生まれ変わりを見ました

    あなたは生まれ変わりを信じますか?仏教の死生観は輪廻転生(りんねてんしょう)で成り立ちます。輪廻転生とは死後、生まれ変わることです。初めての土地なのに、前に尋ねた記憶がよみがえる人がいます。小さい子供が生まれる前の記憶を話す事があります。又、夫婦で可愛がっていたペットが奥さんの妊娠が解かると元気が... 続きをみる

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  • 髪の毛と爪を残しますか

    小さな棺に収まった男の子は、まだ小学校に入る年齢までも届いていませんでした。突然の事故でした。救急搬送されてから一ヶ月、病院ではスタッフが懸命な治療を行いました。しかし、頭蓋骨の半分が無くなるという事態では存命は難しかったのです。包帯でグルグル巻きにされた頭は、お母さんが手作りした毛糸の帽子で包ん... 続きをみる

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  • 金属のお骨が出てきます

    火葬炉の扉が開きます。集合している皆様が一瞬、緊張する様子が伝わってきます。「もし、黒焦げ生焼けの姿が出てきたら」絶対にそのような事は無いのです。火葬の途中に、職員が炉の後ろの窓から何回も確認しています。毎回、綺麗に焼けた白骨が出てきますが、この頃は台車の骨の中に金属が見つかることが多くなりました... 続きをみる

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  • なぜか燃え残った千羽鶴

    納棺式に伺います。お休みになっている故人の枕元に、棺の中へ入れて欲しい品々が並んでいます。故人が良く着ていたお洋服とか最後まで食べたがっていたお菓子とか、それぞれの思いを込めた品々です。そこに、大きな束の千羽鶴が置いてありました。一瞬「困ったな、今回はなんと言って断ろうか」と考えを巡らせます。 折... 続きをみる

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  • 遺骨を一切引き取らない

    ゼロ葬とは宗教学者の島田裕巳氏の「0葬あっさり死ぬ」から出てきた言葉です。火葬後に立ち会った遺族が火葬炉から出た遺骨を引き取らないで立ち去る事と説明されています。骨壺に遺骨を納めることすら行いません。台車の上の焼骨をそのままにして帰ります。故人の形見として残したお骨を、一切持ち帰らないとの考えに皆... 続きをみる

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  • 全スタッフが見送る玄関

    そこのホスピスと呼ばれる病院には初めて伺いました。弊社からは離れた場所でしたので、ご縁はありませんでした。ご実家が会館の近所でしたので「亡くなられた時は少し遠いけど迎えに行って欲しい」と相談されていました。早朝に寝台車を出しお昼前に綺麗な病院の前に着きました。初めての病院でしたので目立たぬように寝... 続きをみる

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  • 霊柩車をあおらないでください

    「霊柩車を見かけたら親指を隠せ」 と、言われませんでしたか? 理由は亡くなって間もない魂は、まだ成仏していないので、その魂が親指の爪の間から 入り込むと考えられていた迷信からです。 親の死に目に会えなくなるからと言う地方もあります。 霊柩車と聞いて皆様がイメージされるのが神輿の装飾を載せている「宮... 続きをみる

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  • 十円を棺に入れて下さい

    納棺式をすすめています。ご主人を亡くされたお婆ちゃんが憔悴した様子で棺桶の傍に座っています。安置されているお布団の横に並べられた副葬品を順番に納めながら「他に何か入れてあげたいお品はありますか?」と尋ねます。お婆ちゃんから、握っていた掌を開いて「これを持たせてください」と差し出された品がありました... 続きをみる

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  • 棺桶に入ってみませんか

    葬儀会館の見学会で行なうイベントがあります。入棺体験です。生きているうちに死体が入る棺桶に入ってみることです。これが結構人気があります。皆様からは「窮屈だけど寝心地は良い」「意外と落ち着きました」「お布団が柔らかく気持ちが良い」などの声を聞きます。居心地が良い意見には納得します。棺桶の内部は死後の... 続きをみる

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  • 親指を隠した事がある人

    「近頃霊柩車を見かけましたか」と質問します。ほとんどの方が「この頃は見ていないなあ」と答えます。少し前まで、霊柩車は直ぐに気付きました。宮型霊柩車は、その特徴的な外観から遠くからでも解りました。車の上に金色の家が建っている豪華な装飾が施されている車両は離れていても簡単に見つけられるほど派手でした。... 続きをみる

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  • 棺桶が二つ並んだお葬式

    葬儀屋は長年連れ添った配偶者との永遠の別れを、毎日のように目の当たりにします。一人残された者には深い悲しみや苦悩そして安堵など、夫婦の数だけ異なる別れがあります。夫婦とは他人同士の女と男が、なぜか一緒になり「妻」と「夫」という名前に変わります。そして相手を見送る立場になるのです。最期までお互いを愛... 続きをみる

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  • 火葬炉は怖いと思う方へ

    火葬炉の前でお寺様が炉前勤行を行い職員が棺の乗った台車を炉内に押し込み始めます。ぽっかりと開いた炉内を全員が興味津々で覗き込みます。耐火煉瓦で出来た小さいトンネルの中は真っ暗です。炉の扉が閉まります。しばらくするとボッと着火音が響き、火葬炉全体がゴーゴーとうなり始めます。今、貴方は身体中を1200... 続きをみる

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  • 葬儀屋からのアドバイス

    葬式の話しなど縁起でもないと言わないで下さい。 どなたも、一生に一回は、ご自分を含めて経験なさるのです。 しかし昨今、核家族化も進み、ご近所とのお付き合いも薄れ、 ご葬儀の知識を持つ方は、非常に少なくなってきました。 先日、親を亡くして、お葬式を無事に済ませた知人は、 「葬儀とは究極の衝動買い」 ... 続きをみる

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  • 友引人形はひな壇の従者

    本日は雛祭りです。この日が近づくと思い出す仏様がおります。お婆ちゃんは老人会の人気者でした。お葬式はほとんどの皆様が避ける「友引の日」に行われました。喪主様の仕事関係と親戚が揃う日程がその日にしか無く、やむなく友引になってしまったのです。友引は葬儀を行うのが嫌われます。理由は友人達を冥途に連れてい... 続きをみる

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  • 自殺を考えた事がある方

    年間3万人以上の人が自殺をしています。日本は世界的に見ても自殺の多い国です。厚労省人口動態統計で年齢別の死亡原因を見ると男女とも10歳~40 歳では自殺がトップです。特に12月と3月には自殺で亡くなる人が多いのです。葬儀の仕事に就いてから驚いたことがあります。自死と言う死因で亡くなる方がとても多い... 続きをみる

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  • 館内に流れたハワイアン

    納棺式の時に「これを一緒に入れてください」と家族から差し出されたのは、鮮やかな色調のパームツリー(ヤシの木)模様のアロハシャツでした。後で聞いたのですが、ハワイではヤシの木を葉・幹・実の全てを使う大事な植物と言うそうです。そのため命を守る木として、パームツリーの模様のアロハは守護神や家族愛の象徴と... 続きをみる

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  • 警察から死亡連絡が来る

    家の電話が鳴ります。受話器から「こちら〇〇警察署です。誰誰が亡くなりました」などの連絡を受けたらどうなさいますか?内容が交通事故死でしたら交通課から、殺人事件でしたら刑事課から、孤独死でしたら生活安全課から連絡が来ます。こんな電話は一生受けたくないと思われるでしょうが、お葬式を請け負うと結構な割合... 続きをみる

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  • この宗教を誤解していた

    「エホバの証人の家族ですが、そちらでお葬式が出来ますか」電話先が聞いてきました。お葬式が行われる宗教は8割以上が仏式です。それ以外は神式、キリスト式、創価学会、天理教そして新興宗教と言われる幸福の科学や今回お話をするエホバ証人などがあります。 エホバ(ヤハウェ)とは全知全能の神のことです。イエスキ... 続きをみる

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  • 男は弱い生き物なのです

    葬儀依頼の電話が鳴りました。亡くなった方を尋ねると名前と住所に覚えがありました。数か月前に奥様を突然亡くされ、お葬式をおこなった喪主様の名前です。 この仕事では同じ家のご葬儀を手伝う事が結構あります。高齢のご夫婦の片方を送ると数年後に残された方のお葬式が続くのです。それも必ず奥様を見送ったご主人が... 続きをみる

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  • おくりびとの映画は嫌い

    亡骸を綺麗して、お顔を整え、死に装束を着せる、納棺の儀式を今日も行いました。納棺式を目の前で最初に見る、家族や親戚の皆様から口々に声が漏れてきます。興味津々で見守りながら「おくりびとの映画みたいだね」「映画と同じ事を、やるのかな」 「DVDで観たことがあるよ」 私は心の中で(またか、困るな。映画と... 続きをみる

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  • 六文銭の舟賃を持たせて

    納棺を始める前に亡くなった人には死装束(しにしょうぞく)に着替えてもらいます。この装束は死者が身につける着物です。この衣装に召しかえるのは、これからの旅立ちに必要と言われるからです。元々は経帷子(きょうかたびら)と呼ばれていました。現在でも四国の巡礼者や修行僧は着ています。装束の他にも様々な物を持... 続きをみる

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  • お坊様への苦情あれこれ

    先日、お勤めに来られたご住職の出来事です。大変なご高齢で周りの皆様からは「もう引退してもらおう」との声も上がっていると聞きました。ところが本人の頭には「引退」の一文字も考えにありません。檀家のお葬式の為ならば「這ってでもお勤めをする」と断言しているようです。本日のお通夜式にも、アチコチぶつけたよう... 続きをみる

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  • 霊柩車とわからないので

    「近頃霊柩車を見かけましたか」と質問します。ほとんどの方が「この頃見ていない」と答えるはずです。昔は霊柩車をよく見ました。宮型霊柩車はその特徴的な外観から遠くからでもすぐにわかりました。小さい頃に「霊柩車を見たら親指を隠せ」と言われたことはないでしょうか。「親の死に目に会えなくなるから」が理由だと... 続きをみる

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  • 携帯はマナーモードでね

    お葬式の開式前に、必ず携帯電話の注意アナウンスをするようになってずいぶん経ちます。「携帯電話をお持ちの方にお願いを申し上げます。葬儀進行中はマナーモード又は電源をお切りいただくようご配慮をお願いいたします」毎回ここまで注意喚起をしているのに、必ずといっていいほど着信音が鳴るのです。 映画館やコンサ... 続きをみる

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  • 愛する妻に捧げる自殺死

    死因は縊死でした。首を吊る自殺です。まだ若い奥様が悲しみの表情を見せながら、喪主として、ご主人の葬儀の打合せに、しっかりとした口調で切り出しました。 「参列者は100名前後になります。自殺という最期でしたが、主人の決意を参列者に理解して欲しいのです。そして命や人生を見つめ直す機会にして欲しいのです... 続きをみる

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  • 閻魔大王に対面する準備

    あなたは亡くなりました。三途の川を渡りきるとそこが閻魔大王の居る裁判所です。閻魔大王は地獄を作った神様で、死者の魂を裁く裁判官として知られています。閻魔の名前は古代インドの神様「ヤマ」からきています。ヒンズー教ではヤマは人間として最初に死んだ人で、その後死人の国の王様になりました。閻魔大王は仏教で... 続きをみる

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  • なぜ死者をホトケと呼ぶ

    私が葬儀業界に入社して初めて手にした司会者マニュアルに「亡くなった方をホトケさまと呼ぶこと」と書いてありました。お葬式以外でも、この「仏さま」と呼ぶ呼称が多く使われます。時代劇では「同心の檀那、川にホトケさんがあがりましたぜ」のセリフを聞き、テレビドラマの相棒でも右京さんが「ホトケさまはこちらです... 続きをみる

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  • お別れの弔辞に感動する

    先日行われた一般葬で久しぶりに弔辞が読まれました。長年にわたり親友でしたと紹介された初老の方が、祭壇に向かい故人に切々と語りかけました。中学から高校と同窓で大学は違いましたが親交は続き、家庭を持ってからも家族同士でお付き合いをされたそうです。締めの言葉で「三途の河の畔で出迎えてくれ、来世で又会おう... 続きをみる

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  • 費用と広告の落とし穴は

    テレビを見ていると頻繁に入るコマーシャルがあります。「お葬式」の宣伝広告です。インターネットで「お葬式」を検索すると必ず上位に並ぶのが「葬儀屋の仲介業者」です。どの広告の内容も驚くほど低価格の金額を提示しています。今まで、お葬式を経験していない人に「その金額でお葬式が出来る」と思い込ませるように宣... 続きをみる

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  • 感情が見えない人が多い

    日本では約15人に一人がうつ病になると言われており、身近な病気になっています。うつ病を発症する人の多くは、感情を表わす事が無くなり病状が進むようです。この頃のお葬式で気になることがあります。強い悲しみを身体中から表現し、声をあげて泣く家族をほとんど見なくなったのです。昔から日本人のお葬式は厳粛な雰... 続きをみる

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  • 総額20万以上が煙になった

    死因は肺がんでした。 入院中も看護師さんの目を盗んでは、煙草を吸いに逃げだして怒られていたそうです。 「愛煙家と言うより、ニコチン中毒と言ったほうあっている」 「死ぬまで煙草を吸っていたから、幸せな大往生かも」 「止めたらと皆が注意しても言うことを聞かない、しょうがない親父だった」 お葬式の前に家... 続きをみる

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  • お香典のマナーを知ろう

    家族葬が多くなりました。それでも、ご近所の皆様方や故人と親しくしていたご友人方がどうしてもと参列されるお葬式も見受けます。そしてその際にはお香典を持参されます。香典辞退の家族葬と決めていても、嫁いだ娘家族や親戚関係などはやはりお香典を持ち寄ります。少しでも、お葬式費用に充てて欲しいとの気持ちの表れ... 続きをみる

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  • 近頃異常死が増えている

    警察から「ご遺体引き取り」の連絡が入ります。搬送車を警察署の裏手にある遺体安置室に横付けしてストレッチャーを引き出します。解剖台の上に全裸で横たわる死体が乗っています。病院で亡くなられてエンゼルケアを済ませた綺麗な状態の死体に対面することは出来ません。たいがいは目を背けたくなるような損傷や腐敗が進... 続きをみる

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  • 家庭内事故死のトップは

    厚生労働省の2023年人口動態統計で、自宅において不慮の事故で亡くなった人の数は16050人と発表されました。 2023年に交通事故で亡くなった人は3573人、約4.5倍の人が家庭内事故で亡くなったことになります。家庭内事故死で最も多かった死因は溺死です。そして死者の9割以上が65歳以上の高齢者で... 続きをみる

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  • どうしても涙が出ないの

    お葬式には「涙」が付き物です。先日、韓国の方のお葬式をおこないました。参列者の皆様が故人を悼み激しく泣きました。遺族よりも激しく号泣する「泣き女」という職業もあるそうです。お葬式の時に大げさに泣き叫ぶのが仕事だそうです。弔問客として参列し、告別式や出棺の際に率先して号泣することで、他の参列者がつら... 続きをみる

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  • お坊様を何と呼びますか

    仏式でお葬式や法要を行う際に一番お世話になるのがお坊様です。しかし日頃から面識やお付き合いがある方は、ほとんどおりません。お葬式で初めての対面も多いのです。誰もが出来れば失礼の無い対応をしたいと思います。そこで質問されるのが 「呼ぶときは『お坊さん』で良いですか?なにか敬称とか名称とかあるのですか... 続きをみる

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  • 固く抱かれたヌイグルミ

    病院へお迎えにあがりました。ベッドの上に白いハンカチをお顔にかけている可愛いお婆ちゃんが休まれていました。膨らんだお布団をめくると胸元にしっかりと抱かれている赤ちゃん程の大きさのヌイグルミが見えました。外そうと手を伸ばしましたが思ったより硬く抱かれています。一瞬「なぜ、エンゼルケアの時に看護師さん... 続きをみる

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  • 旅立つ子に送る親の一言

    棺桶に横たわっているのは享年13歳の中学一年生です。最期に覗き込んだ父親が静かに声をかけます。「気を付けて行けよ」亡骸にかける言葉をずいぶん聞いてきましたが、このフレーズは初めて耳に入りました。親子の絆を感じた瞬間でした。 検視が終わったと連絡が来たのは警察の安置室からでした。校舎の屋上から飛び降... 続きをみる

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  • 遺体の穴や傷を塞ぐには

    皆様は自分が亡くなる時に、ご自分の身体がどのような状態になっているかを想像したことはありますか?傷一つない綺麗なお身体で旅立つはずだと、お思いでしょう。ところが多くの仏様を送ってきた経験から申し上げますと、旅立つ時に、ほとんどの方のお身体はあちこちに穴が開いているとか、傷だらけの方も多いのです。中... 続きをみる

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  • 葬儀屋はもうかりまっか

    終活の相談で来館されたお客様や、そろそろ準備をと考え葬儀会館を見学された方から、帰り際にいきなり「葬儀屋は儲かるでしょう」と言われることがあります。世間では「人の不幸につけ込んでボッタクリのあくどい商売」と思われているのは覚悟していますが、どうやら、それに加えて、皆様の中には儲かる商売として葬儀屋... 続きをみる

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  • 別れはいってらっしゃい

    告別式も無事に進行し間もなく出棺のお時間です。祭壇の棺が下ろされ、ふたが開けられ、皆様の手でお別れのお花が入れられています。棺の中で眠っている故人に、家族、親戚、参列者が、お別れの言葉を次々とかけていきます。かたちある身体を見る最後の時間です。棺を覗き込む皆様から、さまざまなお別れの言葉が聞こえて... 続きをみる

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  • 黙祷の時間は祈りません

    終戦記念日や災害の式典などでは黙祷の場面がニュース映像で流れます。お葬式の開式やお別れ会、社葬などでも黙祷が行なわれます。皆様、黙祷の役割はご存じですか?亡くなった方に向けて行われる参列者全員の黙祷には、一応の決まりごとがあります。 黙祷とは無言で祈る事だと思う人が大部分です。「黙」は声を出さない... 続きをみる

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  • 必ず聞かれる行年と享年

    電話がかかってきました。「葬儀屋さん、先日お世話になった者だが教えて欲しい。葬式をあげた親父の歳が違っていてどちらを選ぶのが良いのか迷っている。石材店にお墓を申し込みに行ったら彫り込む年齢が79歳ですねと言われた。ところがお寺が書いてくれた位牌の裏の年齢は80歳と書いてある。なぜ数え方が違うのか、... 続きをみる

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  • 喪主をやりたくない方へ

    お葬式を行うときにどうしても必要な人間がいます。喪主です。ほとんどの場合は、すんなりと決まるのですが、中には喪主を決定するまで結構な時間がかかるケースもあります。夫婦のどちらかが亡くなった場合、通常は残された配偶者が喪主になります。片方が残された親の葬儀の場合は、長男あるいは長女が喪主になります。... 続きをみる

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  • 挨拶は阿弥陀籤で決める

    高齢で施設暮らしの長かったお婆ちゃんには息子が4人いました。全員が独立して家庭を持ち、社会的地位もしっかり確立しています。当然、親戚関係も広がりますから、家族と親戚だけで行うお葬式も、結構大人数が集まることになりました。 長男が一応形ばかりの喪主をすることになりましたが、参列者を前にして挨拶をする... 続きをみる

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  • 褒められる白骨になるぞ

    「まもなくお骨上げのお時間です」火葬場職員が収骨の案内を始めます。控室で待っていた家族と親戚が少しドキドキしながら火葬炉前に集まります。炉の扉が開き、中から綺麗に焼けた白骨が出てくると、皆様の口からため息のような吐息が出ます。悲しみで溢れたお葬式から、何か吹っ切れたような雰囲気になるのが、この骨上... 続きをみる

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  • 生きている死体との対面

    「外国で死んだ息子を迎えに行ってくれないか」この電話が最初でした。税関検査の後に棺桶を取り変えるので、新しい棺を積み込み空港へ向かいました。海外からの遺体搬送は航空機を利用します。航空貨物では遺体保存にドライアイスが使用出来ません。遺体はエンバーミングという防腐処置を行ってから搬送します。さらに国... 続きをみる

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  • 介護士が望んだ死にざま

    施設の裏の入り口からストレッチャーを押して館内に入りました。途端に気がつくのが、特有の臭いです。プーンと臭います。ウンチの匂いです。認知症の進んでいる高齢者で、各部屋のベッドが占められています。ほとんどの患者が寝たきりで死を待つ、この特別養護老人ホームには、目を背けるような光景があります。 入院し... 続きをみる

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  • 火葬場でなく大学へ行く

    亡くなったので来てほしいとの連絡が入りました。ご自宅へ伺うと、ご家族が布団に寝かせたご遺体のお身体を、温めたタオルで拭いていました。清拭と言う病院で看護師さんがお風呂に入れない患者に行う行為です。 「3時間後に病院からお迎えが来ます。3時間だけのお葬式をお願いします」 こう言って、見せられた紙は「... 続きをみる

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  • チョコレートを抱く仏様

    明日はマスコミが騒ぐバレンタインデーです。皆様、この日は神父様の亡くなった日だと知っていましたか?バレンタインデーの起源は、ローマ帝国時代に司祭ウァレンティヌスが2月14日に処刑された事に由来しています。当時のローマ皇帝クラウディウス2世は「若者が戦争へ行きたがらないのは、故郷に残る家族や恋人と離... 続きをみる

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  • 葬儀屋の面接に来た女性

    この仕事は「究極のサービス業」と言われます。葬祭業に興味を持つ若者が増えるのは嬉しいことです。特に、これからの多死社会に進む日本では葬儀屋は未来がある業種かも知れません。しかし世間の印象が良い職業とは言えない状況もあります。葬儀屋に対して良いイメージを持っている人は少ないのです。周りから「人の死を... 続きをみる

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  • 花火と祭太鼓に送られて

    遺影写真にはお祭りの法被をいなせに着込んだ写真が使われました。晩年は町内のお祭りごとの責任者として活躍した日々でした。町内会の役員を始め、消防団の団長を務め、祭りの台車の引き回しには運営委員長として欠かせない人材でした。花火とお祭りが大好きだった一人のお爺ちゃんが皆様の涙で送られたお葬式です。 花... 続きをみる

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  • ご愁傷様と言われた時は

    葬儀会館で一番使われる言葉があります。それは「ご愁傷様」です。亡くなった方のご遺族に対してお悔やみの気持ちを伝える時に用います。通夜式や告別式の場で対面する基本的な挨拶言葉として最も多用されています。「ご愁傷様」の「愁」は憂いの心情を「傷」は痛みを表しています。続けて使う「愁傷」とは心の傷を憂いて... 続きをみる

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  • お葬式の考えは千差万別

    この業界に入り仕事をするようになって随分な年月がたちました。人の最期の姿を整えて、旅立ちの儀式と人生の最後のイベントである「お葬式」をお手伝いしてきました。ご自宅で行なわれていたお葬式が葬儀会館での「一般葬」になり、それが現在の小規模で簡素化した「家族葬」に変遷してきた歴史を経験してきました。 葬... 続きをみる

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  • 棺に入れたチョコレート

    昨日はマスコミが騒ぐバレンタインデーでした。皆様、この日は神父様の亡くなった日だと知っていましたか?バレンタインデーの起源はローマ帝国時代に司祭ウァレンティヌスが2月14日に処刑された事に由来しています。当時のローマ皇帝クラウディウス2世は「若者が戦争へ行きたがらないのは、故郷に残る家族や恋人と離... 続きをみる

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  • エンゼルメイクの注意点

    最後のお別れでご家族と親戚そしてご友人とご近所の皆様が、故人の横たわっている棺桶を覗き込みます。「安らかな顔だね」「綺麗なお顔で亡くなって羨ましい」「やっと楽になれたね」「やさしい顔で眠っているね」と様々な言葉が聞かれます。ですが、覗き込んだ参列者の中には「どうも、生前のお顔をどこかが違う」と感じ... 続きをみる

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  • 火葬炉の前の時間は大切

    スロープで横づけが出来る火葬場の玄関に霊柩車が着きます。火葬場職員さんが台車を用意して待っています。棺を移し火葬炉の前まで運びます。炉に入れる前に5分~10分程の時間があります。同行したお坊様が「炉前勤行」と呼ぶ御経を唱え、参列者が「一回焼香」と呼ばれるお香の儀式を行います。一人が一回なのは、香炉... 続きをみる

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  • 夫が死んだら縁切りです

    生まれた時も小さい時も学生時代も知らない赤の他人の男と女が、どう言う訳か一緒になり妻と夫という名前に変わります。不思議な運命でなぜか夫婦になるのです。どちらかが亡くなっても、お互いを愛する存在でありたいと願いますが、なかなか難しいのが現実です。 火葬場から持ち帰ったご主人の骨壺を、後飾り段に飾ろう... 続きをみる

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  • お布施の額を言わない訳

    お葬式を行う喪主様が戸惑われて、なおかつ、解りづらいのがお坊様に支払うお布施です。金額をお寺に直接伺うと、大概は「お気持ちで」との答えが返ってきます。この返答で支払い金額が分かる人は1人もいません。一万円札を一枚入れて「気持ちです」と渡したりしていたら、その後、葬儀屋が呼ばれ喪主にキチンと説明する... 続きをみる

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  • 手で棺を運んでください

    告別式が進行し出棺の時間になります。「お棺に手をかけ皆様で持ち上げてください」と促します。家族や親族の中から屈強な男性が6人程出てきて、故人が眠っているお棺の四隅と真ん中の底に指をかけて持ち上げます。成人男性が入っている棺桶は100キロ近くになることもあります。指先をかけるだけで不安定で持ちにくく... 続きをみる

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  • 娘を殺しましたと言う父

    「娘を殺しました」お迎えに伺った病院のベッドの脇にたたずむ憔悴した男性の言葉です。一瞬耳を疑いました。「まさか殺人」と頭の隅によぎりましたが、看護師さんが渡してくれた死亡診断書を確認して、父親の言葉を理解しました。死因は「悪性新生物からの多臓器不全」そして、その他の欄に「ターミナルセデーション処置... 続きをみる

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  • 自宅から担架が出ません

    昔は家を建てる時には、必ず葬儀が出来るように設計されたと聞いています。確かに古民家等は玄関がやたらと広く、奥の部屋までの導線にゆとりがあります。襖を外すと式場になる広間が広がります。現在の家にはこの考え方がありません。終末期医療が進んだ近頃はご自宅で逝去なさる方も増えつつあります。亡くなった後で、... 続きをみる

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  • 浄土真宗は少し違う仏教

    仏教にはいろいろな宗派があります。その中でお寺の数が一番多いのが浄土真宗です。真宗と略称で呼ぶ方もいます。当然檀家数も多いので、お葬式に呼ばれるお坊さんの割合も一番です。浄土真宗の信徒が増えたのは、仏教が貴族や武士だけの宗教では無いと説き、一般庶民のための宗教として布教されたからです。禅宗などの武... 続きをみる

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  • 愛のチョコで旅立つ仏様

    バレンタインデーになると思い出すお葬式があります。皆様、この日は神父の命日だと知っていましたか?バレンタインデーの起源はローマ帝国時代に司祭ウァレンティヌスが2月14日に処刑された事に由来しています。当時のローマ皇帝クラウディウス2世は「若者が戦争へ行きたがらないのは、故郷に残る家族や恋人と離れた... 続きをみる

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  • 火葬式では成仏出来ない

    ほとんどのお葬式が家族葬になりました。しかし最初は家族だけの参列と考えていても、親戚の皆様に連絡すると「何が何でもお葬式だけは駆けつける」という考え方の高齢者も多くいます。結局親戚一同や仕事仲間、趣味仲間ご近所などが増えてきて、最終的に通常のお葬式の形をとらざるを得ないケースもまだ多くあります。 ... 続きをみる

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  • 娘の携帯で見つけた遺影

    「遺影写真を作る故人のお写真の探していただけますか」と打ち合わせの時に伺います。この頃は皆様、片手でスマホのアルバムを開き指先で探し始める場面が多くなりました。つい先日までは、遺影写真の原板を尋ねると、埃臭い厚手のアルバムを押し入れから引っ張り出して、全員で時間をかけて探し始めていたのです。 いざ... 続きをみる

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  • 喪服はお嬢様のあこがれ

    女性が一生に一度着てみたい服があります。一つはウエディングドレス。もう一つが和装の喪服だそうです。男性がドキリとする服装が喪服の未亡人とも言われます。着物姿の女性は成人の日以外は、ほとんど見なくなったと言われるかもしれません。ですが、葬儀会館では和装喪服が結構人気なのです。 少し前までは、着物の喪... 続きをみる

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  • 葬儀式と告別式は異なる

    「これをもって故〇〇様の葬儀式と告別式を閉式とさせていただきます」会場にスタッフの案内が流れて出棺に移ります。あえて葬儀式と告別式を分けて案内をするのには意味があります。皆様は葬儀式と告別式は内容が大きく違うものだと、ご存じでしたか? 簡単に言うと葬儀式は死者を送り出す荘厳な儀式で、告別式は故人と... 続きをみる

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  • 安らかに眠るはおかしい

    お葬式の場では棺の中で横たわる故人やご遺族に参列者からお悔やみ言葉が掛けられます。 「この度はまことにご愁傷様でございます。心からお悔やみ申し上げご冥福をお祈りいたします。突然のことでさぞやお力を落とされていることと存じます。お疲れが出ませんようどうぞご自愛ください。」 ここまで丁寧には言いません... 続きをみる

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  • ネットで探したお坊さん

    駐車場の入り口に近い一画に「寺院様駐車場」の看板が立ててあります。お葬式のある時はベンツやセンチュリーの高級車が止まる場所です。本日、やって来たお寺様の車はミニバンです。後部はキャンピングカーのように寝起きが出来るようです。 今回の打ち合わせのテーブルについているのは若いご夫婦です。高齢のお爺ちゃ... 続きをみる

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  • 連絡を受けたら慌てない

    皆様方は、亡くなるとすぐに親戚中に連絡をし始めます。しかし東京等の大都市ですと火葬炉の予約が混んでいて1週間近く待たされることは日常です。火葬場の休日の友引を挟むと、最低3日以上葬儀の日が伸びることもあります。 亡くなった直後に連絡を受けたご親戚は、車や飛行機に飛び乗り、すぐにやってきます。 しか... 続きをみる

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  • キリスト教式は素敵です

    キリスト教のご葬儀のお手伝いを終えました。キリスト教にはカトリックとプロテスタントがあります。聖職者の呼び方も、神父様、牧師様と違います。信者の葬儀はミサに通っている教会を使われることが多いのですが、今回は、お付き合いのある教会が遠方とのことで、私共の葬儀会館を使用されました。 キリスト式の葬儀依... 続きをみる

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  • 幸せをつかむのは難しい

    「他の人に比べて、私はなんて不幸なのだ」と嘆く方がおられます。 仏教では幸せになれない理由は、悪い行いをしているせいだと説いています。 不幸や悪い結果を生み出す、やってはいけない行動が10種類も我々にはあるのです。 まず身体から出てくる3種類の悪があります。次に口から出てくる4種類の悪もあります。... 続きをみる

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  • 旅立ちのお弁当は恵方巻

    節分の日に、恵方巻の名前で、太巻き寿司を食べる習慣があります。 関西では、昔からの風習でしたが、いつのまにか全国に広がりました。 大家族のなかで、元気で過ごしていた、おばあちゃんの告別式は 2月3日の節分の日に行われました。 出棺になりました。 10人ほどのお孫さんたちの手で、棺が持ち上げられ、霊... 続きをみる

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  • 葬儀の後は相続トラブル

    皆さんは、お通夜、告別式と一連のお葬式のイベントが終わると、 やれやれ一段落とお思いでしょうが、実は、その後が結構大変です。   葬儀屋もお葬式が終われば一件落着とはならず、その後煩雑に相談事に追われます。 簡単に数えてみても、仏壇の購入から、お葬式の時の白木の位牌から塗りの位牌への交換墓地の購入... 続きをみる

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