おくりびとの日記

数多くの仏様を成仏させた「おくりびと」が、お葬式の出会いを綴ります。終活の参考になれば幸いです。

おくりびとの日記の人気ブログ記事

  • 自殺者は成仏できるのか

    我々が住む日本では、年間3万人を超える人が自殺をしています。世界保健機関のデータによると日本は5番目の位置で自殺死亡率上位の国と認識されています。私がこの葬儀の仕事に就いて驚いたことがあります。自殺で亡くなる方がとても多いのです。このブログでも自死の旅立ちを多く綴っています。近年減少傾向にあった自... 続きをみる

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  • 葬式の準備と一連の流れ

    終活セミナーで質問を受けています。「お葬式の費用はどれくらいかかるものなの」「急に亡くなった時は何をすればいいの」「イザと言うときに葬儀屋や火葬場はどのように決めていくの」「お葬式の事前準備はしたいけれども、直接葬儀屋に相談に行くのは気が進まない」「頼んだ葬儀屋に、こちらの不安や無知につけこまれて... 続きをみる

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  • 旅立つ子に送る親の一言

    棺桶に横たわっているのは享年13歳の中学一年生です。最期に覗き込んだ父親が静かに声をかけます。「気を付けて行けよ」亡骸にかける言葉をずいぶん聞いてきましたが、このフレーズは初めて耳に入りました。親子の絆を感じた瞬間でした。 検視が終わったと連絡が来たのは警察の安置室からでした。校舎の屋上から飛び降... 続きをみる

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  • 貴方の死ぬ時を教えます

    日の出までには、まだ数時間あります。深夜3時過ぎは、人通りが一番少なくなると言われています。この時間になると何故か電話が鳴るのです。 「亡くなったので、お葬式をお願いします。すぐに病院に迎えに来てください」 ほとんどの方は病院で亡くなります。お医者様が死亡を確認すると、その後看護師さんが エンゼル... 続きをみる

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  • 死体の顔は変わるのです

    亡くなった方を病院から搬送してお布団に安置します。お顔やお身体が柔らかい内に出来るだけの処置をします。亡くなると身体の筋肉が固まる死後硬直が始まります。死亡直後から始まる硬直は12時間を過ぎるとピークを迎えます。こうなると手指を胸元で組ませるのがとても困難になります。お顔の硬直は下あごから始まりま... 続きをみる

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  • 仏壇に写真は飾らないで

    四十九日法要を済ませたので、後祭り祭壇を引き上げて欲しいとの連絡を受けて、喪家様のお宅に伺っています。いつものように、まず仏壇に向かい、送り出した故人様に手を合わせます。そして気がつきます。「このお家もご遺影写真が仏壇に飾ってある」と心の中でつぶやきます。 皆様のご自宅に仏壇がある場合、故人のお写... 続きをみる

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  • お葬式は今日も雨だった

    先ほどまで、ポツポツと降っていた雨がお通夜の開式時間が近づくとやみました。まるで会葬者の皆様が濡れないように配慮したように感じました。お通夜が終わり家族だけが棺の周りを囲むころ、雨がまた強く降り出しました。最後のお別れを惜しむ故人の涙のようです。 翌日の告別式の日も、どんよりとした今にも一雨来そう... 続きをみる

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  • 損傷の酷いご遺体の前で

    葬儀屋になり、いろいろな状態のご遺体に接してきました。皆様は自分が亡くなった時は、布団に寝かされた綺麗な身体を想像するのでしょう。 周りの家族が「今にも起きてきそう。良く眠っているみたい」と周りを囲む、幸せな最期を考えているかもしれません。 警察からお迎えの連絡が入りました。検視の済んだご遺体の引... 続きをみる

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  • 自殺者の葬儀は苦手です

    何故、自殺をするのでしょう? 動物の世界で、自殺をするのは人間だけだと言います。 葬儀の仕事を始めて、驚いたのは、自殺で亡くなる方が多くいるのを知った時でした。 日本では毎年2万人以上が自殺をしています。一日に60人以上が自分で命を絶っているのです。年代別死因では第一位になることもあります。 男女... 続きをみる

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  • 自衛隊隊員の旅立ちです

    家族が選んだ遺影写真は自衛官の制服を着用していました。左胸の「陸上自衛隊き章」の下には防衛記念章及び防衛功労章が並んでいます。お手伝いさせて頂いたお葬式は、陸上自衛隊隊員が故人様でした。小隊のリーダーとしての人望も厚く、活躍されていた数々の功績が左胸に並んだ記章で表されていました。 「大学をご卒業... 続きをみる

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  • かかった費用は幾らなの

    「結局、お葬式にはいくらほど、支払ったのでしょうね」と一周忌法要を済まされた奥様が話し始めました。「いえ、お葬式代が高かったと言っているのでは無いのよ。無事に送り出すことが出来て満足のいくお葬式で旅立させたのは良かったと思っています。でも、かかった金額はお葬式代だけでは済まなかったのに気がついたの... 続きをみる

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  • 黙祷の時間は祈りません

    終戦記念日や災害の式典などでは黙祷の場面がニュース映像で流れます。お葬式の開式やお別れ会、社葬などでも黙祷が行なわれます。皆様、黙祷の役割はご存じですか?亡くなった方に向けて行われる参列者全員の黙祷には、一応の決まりごとがあります。 黙祷とは無言で祈る事だと思う人が大部分です。「黙」は声を出さない... 続きをみる

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  • 自殺の葬式が減りません

    火葬炉に飲み込まれる棺にそっと声をかけました。「お疲れ様でした」。見送る家族はどなたも泣いていません。それどころか疑問と驚愕と後悔の表情が見て取れます。棺の中の故人はまだ寿命は充分に残っているのに自ら旅立った自殺者です。人はなぜ自殺をするのでしょうか?葬儀の仕事に就いて驚いた事があります。自殺で亡... 続きをみる

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  • 火葬炉は怖いと思う方へ

    火葬炉の前でお寺様が炉前勤行を行い職員が棺の乗った台車を炉内に押し込み始めます。ぽっかりと開いた炉内を全員が興味津々で覗き込みます。耐火煉瓦で出来た小さいトンネルの中は真っ暗です。炉の扉が閉まります。しばらくするとボッと着火音が響き、火葬炉全体がゴーゴーとうなり始めます。今、貴方は身体中を1200... 続きをみる

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  • お葬式の考えは千差万別

    この業界に入り仕事をするようになって随分な年月がたちました。人の最期の姿を整えて、旅立ちの儀式と人生の最後のイベントである「お葬式」をお手伝いしてきました。ご自宅で行なわれていたお葬式が葬儀会館での「一般葬」になり、それが現在の小規模で簡素化した「家族葬」に変遷してきた歴史を経験してきました。 葬... 続きをみる

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  • 金属のお骨が出てきます

    火葬炉の扉が開きます。集合している皆様が一瞬、緊張する様子が伝わってきます。「もし、黒焦げ生焼けの姿が出てきたら」絶対にそのような事は無いのです。火葬の途中に、職員が炉の後ろの窓から何回も確認しています。毎回、綺麗に焼けた白骨が出てきますが、この頃は台車の骨の中に金属が見つかることが多くなりました... 続きをみる

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  • お墓の中を開けませんか

    お寺の境内にあるお墓の納骨に立ち会いました。通常、骨壺のご遺骨をお墓に納める納骨のお手伝いは葬儀屋の仕事にはありません。今回は先日の新仏様のご縁や、急な納骨袋の納品や、不要な骨壺を引き取って欲しいなどのお願いが重なり、急遽、立ち会うことになりました。お墓の中を覗くのは、私も久しぶりの経験です。 お... 続きをみる

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  • お雛様が周りを守る仏様

    雛祭りが近づくと思い出す仏様がいます。そのお婆ちゃんは老人会の人気者でした。お葬式は喪主の仕事の関係と親戚の集まれる日がその日しかなく、やむなく友引に行われました。友引は葬儀を行うのが嫌われます。理由は友人を冥途に連れていくとの迷信からです。出来るなら変更したかったのですが日程が合いませんでした。... 続きをみる

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  • 最後の風呂は家族の手で

    骨折から寝たきりになって数か月、温泉とお風呂が大好きなお婆ちゃんは、自宅の帰宅を最後まで望んでいました。残念ながら家には帰れず病院で息が絶えました。ベッドで看護師さんから清拭は受けていましたが、口がきける時は「温泉に行きたい」とせがんでいたそうです。 喪主様から湯灌の要望があり、オプションの湯灌専... 続きをみる

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  • 霊柩車をあおらないでください

    「霊柩車を見かけたら親指を隠せ」 と、言われませんでしたか? 理由は亡くなって間もない魂は、まだ成仏していないので、その魂が親指の爪の間から 入り込むと考えられていた迷信からです。 親の死に目に会えなくなるからと言う地方もあります。 霊柩車と聞いて皆様がイメージされるのが神輿の装飾を載せている「宮... 続きをみる

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  • 黄色くなった大事な半紙

    棺に入った小柄のおばあちゃんは、微笑んでいました。 喪主をつとめるのは、故人のお孫さんにあたる、白髪頭の初老の老人です。  「葬儀屋さん、この半紙を必ず入れてください。おばあちゃんがとても大事に   していました。なんだか、これを持って行くと、会いたい全員に、   必ず会えると、何回も言っていまし... 続きをみる

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  • お家の宗派を知っていますか?

    葬儀屋が、初めてお葬式を出すご家庭にお寺の宗派を尋ねても、答えられなくて、実家や本家、親戚などに電話を掛けまくり、聞いてまわるケースは結構あります。 お寺とお付き合いがあり、自分の先祖からの宗教を知り、お葬式の時は頼むところが 決まっていると言う方はとても少なくなりました。   仏教には大きく分け... 続きをみる

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  • 後を追ったペット

    先月にご葬儀を終えた喪家宅に、後祭り祭壇の引き上げにうかがいました。   火葬場から持ち帰ったお骨と、白木位牌を飾って置き、満中陰まで置いておく 祭壇を、後祭壇とか、後飾壇と言います。 関西地方では中陰壇とも言います。 満中陰とは、亡くなった日から、7日ごとに7人のお釈迦様や菩薩様に会い 教えを受... 続きをみる

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  • 仏様が作った花祭壇

    お宅は、路地奥の小綺麗な一軒家でした。 入口の小道から庭一面に植木鉢が並び、 かわいいお花が、それぞれの植木鉢に咲いていました。 毎日、一つ一つのお花を、かわいがり丁寧に手入れをするのが日課だったそうです。 倒れた当日も、植木鉢の水やりの最中でした。 お花が大好きだった奥様が、今回の仏様です。 祭... 続きをみる

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  • 会場内に流れる西城秀樹

    葬儀会館のホールに次々と流れた曲目は「YANNGUMAN」「ギャランドゥ」「傷だらけのローラ」「お嫁サンバ」「男の子女の子」「2億4千万の瞳」「私鉄沿線」などでした。皆様、ご存じの西城秀樹、郷ひろみ、野口五郎のヒット曲です。1970年代の男性アイドルとして3人は新御三家(しんごさんけ)と呼ばれてい... 続きをみる

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  • ご遺体の匂いは厳禁です

    熱波が渦巻いている猛暑の日とか、雨模様でジメジメした湿気がこもる日の部屋の中では、どうしても臭いが気になることがあります。スーパーの棚にはずらりと消臭剤が並んでいます。近頃は体臭や服の匂い、又部屋の匂いにも敏感になり、周りを気にする方も増えています。実は、葬儀屋も病院や介護施設からお連れしたご遺体... 続きをみる

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  • おくりびとの映画は嫌い

    亡骸を綺麗して、お顔を整え、死に装束を着せる、納棺の儀式を今日も行いました。納棺式を目の前で最初に見る、家族や親戚の皆様から口々に声が漏れてきます。興味津々で見守りながら「おくりびとの映画みたいだね」「映画と同じ事を、やるのかな」 「DVDで観たことがあるよ」 私は心の中で(またか、困るな。映画と... 続きをみる

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  • 認知症の特効薬を見つけました

    家族は悩んでいました。 90歳のおばあちゃんの葬儀の打ち合わせ中です。死因は老衰、大往生でした。   「葬儀屋さん、おじいちゃんの出席をあきらめようと思うのだが」 故人の夫がまだ存命でした。しかし、認知症が進み5年前から介護施設に 入院しているとのこと、  「痴呆が進んで、もう誰の顔もわからない。... 続きをみる

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  • 葬儀の後は相続トラブル

    皆さんは、お通夜、告別式と一連のお葬式のイベントが終わると、 やれやれ一段落とお思いでしょうが、実は、その後が結構大変です。   葬儀屋もお葬式が終われば一件落着とはならず、その後煩雑に相談事に追われます。 簡単に数えてみても、仏壇の購入から、お葬式の時の白木の位牌から塗りの位牌への交換墓地の購入... 続きをみる

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  • 死者に捧げる花に囲まれて

    百合子 と言う名前の仏様でした。 まだ二十代、なぜこんなに若い方が、棺に入らなければ、ならないのでしょうか。   会葬御礼が始まりました。 「娘が生まれたとき、窓から庭一面に咲いている、ユリの花が見えました。百合子   と名付けました。  娘はユリの花が大好きでした。こんなに沢山の友人達に送っても... 続きをみる

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  • お布施は、いくら払いますか?

    お葬式には、さまざまな出費がかかります。初めて、お葬式を行う喪主様が、  一番戸惑われて、なおかつ一番わかりづらいのがお布施の金額です。   ご存じのように、お布施とは葬儀や法事の時にお寺様に手渡す謝礼のことです。   金額をお寺様に直接伺うと、大概は「お気持ちで」と答えるのですが、 この答えでは... 続きをみる

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  • お地蔵様にご注意下さい

    街中を歩いてみると、交差点脇とか踏切の傍、そして道路の端に石で作られたお地蔵様を見つけることがあります。見かけた方が手を合わせている光景に遭遇した人もあるでしょう。親しみをこめて「お地蔵様」と呼ばれていますが、正式にはインド生まれの地蔵菩薩と言う仏様です。サンスクリット語ではクシティ・ガルバと言う... 続きをみる

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  • この宗教を誤解していた

    「エホバの証人の家族ですが、そちらでお葬式が出来ますか」電話先が聞いてきました。お葬式が行われる宗教は8割以上が仏式です。それ以外は神式、キリスト式、創価学会、天理教そして新興宗教と言われる幸福の科学や今回お話をするエホバ証人などがあります。 エホバ(ヤハウェ)とは全知全能の神のことです。イエスキ... 続きをみる

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  • 友引は火葬炉が空いています

    葬儀の当日が友引に当たると、縁起が悪いので、翌日にずらす習慣があります。 また友引を火葬場の休業日にする地域も多くあります。 気にしない方が増えていると言いながら、友引で葬儀日をずらす喪家様は まだまだ多くおられます。 「六曜」と言う古代中国で生まれた日時や方位などで、吉凶や運勢についての考え方か... 続きをみる

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  • 年賀状の宛先は極楽行き

    大晦日を迎えようとしている年の瀬に命の灯が消えました。   「お正月なので」  と、 ご子息の意向で、ご家族のみの、簡素なご葬儀になりました。 火葬場の正月休み明けの、一番窯での出棺で極楽に送ります。   「おやじは無宗教なので」   「華やかなことは無駄だと言っていましたので」   「煩わしい人... 続きをみる

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  • 御通夜の深夜に解かること

    「葬式なんて必要ない。面倒なだけだ。」 「葬式を行う意味が解らない。葬儀屋なんか帰ってもらえ」 打ち合わせの時の喪主様は、けんか腰でした。 それでも周りの家族・親族がたしなめ、多くの参列者で通夜が行われました。 通夜の語源は、釈迦が入滅した時に弟子たちが師匠の死を悼み、お説法を夜通し、 語り合った... 続きをみる

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  • お子様の参列は歓迎です

    ほとんどのお葬式が家族葬になりました。それに応じて増えてきていると感じる事があります。赤ちゃんや小さいお子様を連れて参列する「子連れでお葬式」のご家族です。ひと昔前までは、小さな子供がいるなら「最期のお別れを遠慮するか、あきらめて」と言われて悲しい気持ちでやむなく欠席された方もおられたはずです。 ... 続きをみる

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  • 火葬前に抱いてあげたい

    お手伝いがとても辛いお葬式があります。小さなお子様が旅立つ時間です。それも、まだ幼稚園や保育園の入学前に、亡くなってしまう小さな亡骸と対面した時は「なぜ、このような幼い子供が亡くなってしまうのだろう」と、死者に慣れた私でも理不尽を感じながら納棺に臨みます。悲しみをこらえながら自分の子供のお葬式の打... 続きをみる

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  • お一人様の旅立ちの方法

    家族や親戚などの身寄りのいない「お一人様」と呼ばれる人が増えています。結婚にご縁がなく独身で過ごされたとか、結婚していても子供に恵まれず配偶者も亡くなってしまい、親戚関係も交流が無いなど、いろいろなご事情がある様です。終活の相談でも「自分の葬式で知り合いの手を煩わせたくない」との理由で一人の旅立ち... 続きをみる

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  • なぜ死体はこんなに重い

    ほとんどの方が出棺の時に棺桶を持ちあげると、「エッ」というお顔をされます。指先にかかる棺桶の重さにビックリされるのです。たいして大きくないお婆ちゃんやお爺ちゃんでも、ご遺体になり棺桶に横たわると、結構な重さを感じるのです。 人は生気が無くなると体重がいっぺんに増えるように感じるのは何故でしょうか。... 続きをみる

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  • 賑やかな控え室

    定年を迎え、これからご夫婦で老後を楽しもうと思っていた矢先の、 ご主人の急死でした。 喪家様が60代のご夫婦の場合、お子様や、ご親族は、丁度、結婚して数年の カップルが多く、控え室には、小さいお子様や、赤ちゃんが、数組集ります。    こんな時でないと、めったに顔を会わせない、おじさん、おばさん、... 続きをみる

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  • 葬儀屋探しから始めます

    終活やエンディングノートの記入がブームになりました。近頃はイザという時の為に生きているうちに準備をしようと考える方もいます。生前準備とは元気な時に終末期やお葬式そして相続について用意しておくことです。もしもの時は突然来ます。事前に準備しておく事で残された家族が困らずにすむのです。もう高齢者の貴方は... 続きをみる

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  • 葬儀後に発症する病気は

    先月お葬式を施工された喪主様の息子さんが、深刻な顔をして葬儀会館の事務所を訪ねてきました。「オヤジがどうもおかしいと感じる。葬儀屋さんが、あの時に『お困りの事があったら何でも相談してください』と言ってくれたのを思い出して、来てみました」 確かに、お葬式が終わり葬儀代金を貰えてご自宅から退去する際に... 続きをみる

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  • 霊柩車は緑ナンバーです

    「これより火葬場へ向かいます」霊柩車のホーンが長々と鳴らされます。まるで棺桶の中の故人が参列者に向けて、「さようなら」と叫んでいるようです。出棺時、霊柩車が長くホーンを鳴らす意味には諸説があります。 わかりやすい説明が「故人からのお別れの挨拶として鳴らしている」という言い方です。中には葬儀を行った... 続きをみる

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  • 火葬後の灰の中から指輪

    火葬炉の扉が静かに閉まります。しばらくすると「ゴォー」と音が聞こえてきます。 炉の中の紅蓮の炎で仏様が旅立ちます。この時間帯は葬儀屋にとって、少しホッとできる時間なのです。お迎え、納棺、通夜、告別式、出棺、と緊張した時間が続き、やっと火葬炉に納めます。90分程の焼き上がりを待つだけの時間です。喪家... 続きをみる

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  • 葬儀屋からのアドバイス

    葬式の話しなど縁起でもないと言わないで下さい。 どなたも、一生に一回は、ご自分を含めて経験なさるのです。 しかし昨今、核家族化も進み、ご近所とのお付き合いも薄れ、 ご葬儀の知識を持つ方は、非常に少なくなってきました。 先日、親を亡くして、お葬式を無事に済ませた知人は、 「葬儀とは究極の衝動買い」 ... 続きをみる

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  • 形見のパールネックレス

    旅立ったお婆ちゃんのお葬式の打合せをしています。老夫婦が助け合いながら暮らしてきたリビングで、憔悴したお爺ちゃんと向き合っています。連れ合いを亡くされたショックで今にも倒れそうなお爺ちゃんでしたが、奥様をしっかりと旅立させると覚悟してからは喪主の務めをなんとか果たしています。突然玄関が開きました。... 続きをみる

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  • 火葬炉の前の時間は大切

    スロープで横づけが出来る火葬場の玄関に霊柩車が着きます。火葬場職員さんが台車を用意して待っています。棺を移し火葬炉の前まで運びます。炉に入れる前に5分~10分程の時間があります。同行したお坊様が「炉前勤行」と呼ぶ御経を唱え、参列者が「一回焼香」と呼ばれるお香の儀式を行います。一人が一回なのは、香炉... 続きをみる

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  • 妻に先立たれ壊れる生活

    夕方「胸が苦しい」と訴えた奥様は救急車の中で息を引き取りました。親戚付き合いが苦手でしたのでお葬式は家族だけで行われました。遠方に居住する一人息子さんのご家族が参列されます。憔悴した喪主様に息子さんが「オヤジ一人で生きていけるのか」と声をかけます。「大丈夫だ」と答える姿がカラ元気に見えました。葬儀... 続きをみる

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  • 枕経は大事な御経の時間

    宗教を信じない方が多くなり、お坊様を呼ばないお葬式が増えていると話題になっています。しかし葬儀を身近に感じる者としては、まだお葬式と仏教儀式は切り離せない流れだと考えます。確かに、良く解からないお布施の価格とか、戒名料と称する高額の請求に疑問を抱く人が増えているのは理解できます。ですが、祭壇の前に... 続きをみる

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  • もとの婆ちゃんに戻して

    葬儀依頼の電話が入りました。今しがた亡くなったばかりだそうです。向った先は、救急救命センターの集中治療室でした。ベッドの上に、まだ、若いお婆ちゃんが、横になっていました。 お天気が良いので友人達とランチを楽しむため、お洒落をして出かけたそうです。駅の階段で突然の脳内出血で倒れました。階段を転がり落... 続きをみる

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  • 納得の葬儀屋を選ぶ為に

    家族の死は突然来ます。ある程度覚悟していたと言われる方も、慌てふためきます。少し周りが見えてきて、やっと頭の中に現れるのが「お葬式」の言葉です。ひと昔前は、町内会や会社の総務課などが手伝ってくれましたが、現在のお葬式はすべてが葬儀屋を介して行われます。お葬式を行うご家庭を全面的にサポートする役割を... 続きをみる

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  • 男は弱い生き物なのです

    葬儀依頼の電話が鳴りました。亡くなった方を尋ねると名前と住所に覚えがありました。数か月前に奥様を突然亡くされ、お葬式をおこなった喪主様の名前です。 この仕事では同じ家のご葬儀を手伝う事が結構あります。高齢のご夫婦の片方を送ると数年後に残された方のお葬式が続くのです。それも必ず奥様を見送ったご主人が... 続きをみる

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  • 棺に入れたチョコレート

    昨日はマスコミが騒ぐバレンタインデーでした。皆様、この日は神父様の亡くなった日だと知っていましたか?バレンタインデーの起源はローマ帝国時代に司祭ウァレンティヌスが2月14日に処刑された事に由来しています。当時のローマ皇帝クラウディウス2世は「若者が戦争へ行きたがらないのは、故郷に残る家族や恋人と離... 続きをみる

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  • 娘のバイクには罪がない

    お迎えに行ったのは警察署の霊安室でした。ステンレスのベッドの上に検視後の裸の状態で寝かされていたのは、まだ若いお嬢様です。骨折と擦り傷でお身体は無惨な状況でしたが、ヘルメットに守られたお顔は美しいままでした。死体検案書には急性外傷からの内臓損傷と記入されています。こんなに若い命が、なぜ今日、寿命を... 続きをみる

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  • 葬儀屋はもうかりまっか

    終活の相談で来館されたお客様や、そろそろ準備をと考え葬儀会館を見学された方から、帰り際にいきなり「葬儀屋は儲かるでしょう」と言われることがあります。世間では「人の不幸につけ込んでボッタクリのあくどい商売」と思われているのは覚悟していますが、どうやら、それに加えて、皆様の中には儲かる商売として葬儀屋... 続きをみる

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  • 別れはいってらっしゃい

    告別式も無事に進行し間もなく出棺のお時間です。祭壇の棺が下ろされ、ふたが開けられ、皆様の手でお別れのお花が入れられています。棺の中で眠っている故人に、家族、親戚、参列者が、お別れの言葉を次々とかけていきます。かたちある身体を見る最後の時間です。棺を覗き込む皆様から、さまざまなお別れの言葉が聞こえて... 続きをみる

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  • 死んでもお水が欲しいな

    火葬場から帰ったご遺族が、玄関先で渡された塩を肩先に振り、死の穢れを落とします。洗面所の水で手を洗い、まだ暖かい骨箱を後祭り段にそっと安置します。線香と蝋燭の火をともし、手を合わせます、ご主人を送ったばかりのお婆ちゃんが急に立ち上がりました。 「たいへん、たいへん、お水を忘れていた、おじいちゃん、... 続きをみる

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  • 貴方のお茶碗は無いから

    霊柩車がホーンを鳴らし、ゆっくり進み始めます。入り口の脇で待機していたセレモニースタッフが、ビニール袋に入れられたご飯茶碗を玄関の敷石に打ち付けます。 ガチャンと高い音を立てて、仏様のご飯が入っていた故人愛用のお茶碗が砕けます。 出棺時に使っていた愛用のお茶碗を割ってしまうのは、故人の魂がこの世に... 続きをみる

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  • 四十九日かけて極楽往生

    お葬式を挙げられた喪家様から四十九日の法要の連絡が入ります。仏前のお花を手配して、法要後に不要になった「後祭り段」を引き取りに伺います。四十九日には「満中陰」「忌明け」「七七日」などのさまざまな呼び方があります。亡くなった日を命日として、その日から四十九日目が極楽往生の日です。 仏教では死者の霊は... 続きをみる

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  • 最後の呼吸は吸い込んで

    「とても穏やかな旅立ちでした」ご家族から最後の様子が語られます。亡くなる一週間前から食べ物を一切取らなくなったそうです。三日前からはお水も飲まなくなりました。かかり付け医は点滴を勧めましたが、医療経験のある家族は断りました。半日前から口を開けて呼吸をする下顎呼吸の状態が始まりました。喘いでいる姿に... 続きをみる

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  • 火葬場に着き感じる事は

    連日、火葬場に向かうのが葬儀屋の仕事です。普通のお仕事をされている方は人生で数回しか火葬炉の前に立つ経験はされないはずです。この頃は火葬場の予約も直ぐに一杯になり、並ぶ火葬炉がフルに稼働中の光景を目にするようになりました。高齢化と多死社会がすごい勢いで進んでいます。連日多くの人が次々と死んでいく現... 続きをみる

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  • お彼岸を知っていますか

    スーパーの棚に落雁(らくがん)などの供養菓子が並ぶとお彼岸の時期です。「彼岸」とは亡くなった後に住むと言われる極楽浄土の事です。いま我々が住んでいるこの世は「此岸」(しがん)と呼びます。迷いや悩みの多い世界です。亡くなった後、修行をしてたどり着く「彼岸」と呼ぶあの世には幸せな日々が待っているそうで... 続きをみる

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  • 遺骨を一切引き取らない

    ゼロ葬とは宗教学者の島田裕巳氏の「0葬あっさり死ぬ」から出てきた言葉です。火葬後に立ち会った遺族が火葬炉から出た遺骨を引き取らないで立ち去る事と説明されています。骨壺に遺骨を納めることすら行いません。台車の上の焼骨をそのままにして帰ります。故人の形見として残したお骨を、一切持ち帰らないとの考えに皆... 続きをみる

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  • 棺桶が二つ並んだお葬式

    葬儀屋は長年連れ添った配偶者との永遠の別れを、毎日のように目の当たりにします。一人残された者には深い悲しみや苦悩そして安堵など、夫婦の数だけ異なる別れがあります。夫婦とは他人同士の女と男が、なぜか一緒になり「妻」と「夫」という名前に変わります。そして相手を見送る立場になるのです。最期までお互いを愛... 続きをみる

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  • 老老世帯が増えています

    少し前までは、お迎え時の対面やお葬式の打合せでお話をする時に、ご家族4~5人が待たれていてお会いするのが普通でした。それが、この頃はお迎えに行っても残された配偶者だけが待っている霊安室や、打合せを行う場が喪主となる配偶者のお一人だけで対応するなどの、老老世帯が非常に多くなりました。お子様がいても離... 続きをみる

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  • 法要をする人がいません

    お葬式が無事に終わり皆様ホッとなされます。その後、これから何に取り掛かろうかを考えます。近頃はエンディングノートの記入とか終活のアドバイス、相続の相談や断捨離などの情報が、テレビ、ネット、書籍で大量に流れています。残された家族はこれらの知識で死後の手続きに取り掛かります。ところがお葬式後に行う大事... 続きをみる

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  • 全スタッフが見送る玄関

    そこのホスピスと呼ばれる病院には初めて伺いました。弊社からは離れた場所でしたので、ご縁はありませんでした。ご実家が会館の近所でしたので「亡くなられた時は少し遠いけど迎えに行って欲しい」と相談されていました。早朝に寝台車を出しお昼前に綺麗な病院の前に着きました。初めての病院でしたので目立たぬように寝... 続きをみる

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  • 夫が死んだら縁切りです

    生まれた時も小さい時も学生時代も知らない赤の他人の男と女が、どう言う訳か一緒になり妻と夫という名前に変わります。不思議な運命でなぜか夫婦になるのです。どちらかが亡くなっても、お互いを愛する存在でありたいと願いますが、なかなか難しいのが現実です。 火葬場から持ち帰ったご主人の骨壺を、後飾り段に飾ろう... 続きをみる

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  • 故人の後を追ったペット

    一人暮らしのお婆ちゃんが亡くなりました。可愛がっていた犬が数時間吠え続けていたので、ご近所が見つけました。警察が連絡先を探しましたが、家族親戚が見つかりません。やっと連絡がついた遠い親戚は「関係が無いので役所にまかせます」と突き放しました。借家でお金になる家財も無く、葬儀代の持ち出しになると考え相... 続きをみる

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  • 携帯はマナーモードでね

    お葬式の開式前に、必ず携帯電話の注意アナウンスをするようになってずいぶん経ちます。「携帯電話をお持ちの方にお願いを申し上げます。葬儀進行中はマナーモード又は電源をお切りいただくようご配慮をお願いいたします」毎回ここまで注意喚起をしているのに、必ずといっていいほど着信音が鳴るのです。 映画館やコンサ... 続きをみる

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  • 挨拶は阿弥陀籤で決める

    高齢で施設暮らしの長かったお婆ちゃんには息子が4人いました。全員が独立して家庭を持ち、社会的地位もしっかり確立しています。当然、親戚関係も広がりますから、家族と親戚だけで行うお葬式も、結構大人数が集まることになりました。 長男が一応形ばかりの喪主をすることになりましたが、参列者を前にして挨拶をする... 続きをみる

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  • 秘密を守る公正証書遺言

    葬儀屋の窓口は、悩んでいる方の相談を受ける場所でもあります。終活ブームのこの頃では、自分の死んだ後に隠している秘密をどうやったら家族に伝えられるかを相談する人も出てきます。生きている今は、内緒にしておきたいのだが、死んだ時に暴かれて、家族が大騒ぎする前にしっかりと伝えておきたいなどの深刻な相談もあ... 続きをみる

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  • 褒められる白骨になるぞ

    「まもなくお骨上げのお時間です」火葬場職員が収骨の案内を始めます。控室で待っていた家族と親戚が少しドキドキしながら火葬炉前に集まります。炉の扉が開き、中から綺麗に焼けた白骨が出てくると、皆様の口からため息のような吐息が出ます。悲しみで溢れたお葬式から、何か吹っ切れたような雰囲気になるのが、この骨上... 続きをみる

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  • この年賀状の宛先は極楽

    除夜の鐘が聞こえている時間に命の灯が消えました。「お正月なので」と、ご子息の意向で息子夫婦だけが見送るご葬儀に決まりました。火葬場は公営なので年末から三が日は休業になります。正月休み明けの一番窯での出棺を予約しました。 「おやじは無宗教なので」 「華やかなことは無駄だと言っていましたので」 「煩わ... 続きをみる

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  • 清めの塩をかけましたか

    お葬式に参列すると会葬御礼の挨拶状と一緒に小さな袋に詰められた「お清め塩」が配られることがあります。帰ってから茹で卵につけて食べようとは考えないでください。食用ではありませんと記入されています。中身は食塩ですから舐めても問題は無いのですが食品工場で作られていないので食用扱いになりません。社葬などの... 続きをみる

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  • 貴方が最後に食べるのは

    ご自宅に安置されたご遺体の枕元に一膳飯(いちぜんめし)が置かれます。一膳飯というのは亡くなった人にお供えするご飯のことです。お茶碗に大きく盛りつけて、真ん中に箸を立てます。一杯飯(いっぱいめし)とか枕飯(まくらめし)とも呼ばれます。山盛りの白米ごはんを出すのは、この世に別れを告げて、あの世へと旅立... 続きをみる

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  • 安らかに眠るはおかしい

    お葬式の場では棺の中で横たわる故人やご遺族に参列者からお悔やみ言葉が掛けられます。 「この度はまことにご愁傷様でございます。心からお悔やみ申し上げご冥福をお祈りいたします。突然のことでさぞやお力を落とされていることと存じます。お疲れが出ませんようどうぞご自愛ください。」 ここまで丁寧には言いません... 続きをみる

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  • 心を込めてお礼状を送る

    先日、ご葬儀を終えられた喪家様より丁寧なお礼状を頂きました。無事に送り出すことが出来た安堵感と、葬儀当日にきちんとお礼が出来ないまま帰ってしまったことへのお詫びが記入されていました。施工時に特に変わったことをした記憶はないのですが、頂いた文面に感謝の気持ちが溢れました。一枚のお礼状のもたらす効果を... 続きをみる

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  • 困った供花が届くのです

    お葬式の施工の準備を始めていると、大手の花屋さんのギフト便で供花や花かごが届いたり、電話で喪主様の了解を得ていない供花の注文が入ったりし始めます。じつは、これが葬儀屋にとっても、喪主様とっても、とても迷惑で困る行為なのです。 供花(きょうか)とは故人に供える花のことです。お花で死者の霊を慰める意味... 続きをみる

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  • 蓋が開かないようにして

    顎にお髭を蓄えたお爺ちゃんを、棺桶に寝かせました。故人は小学校の校長先生だったそうです。教育指導に厳しく家庭でも厳格な父親でした。孫にもお片付けと整理整頓を厳しく教えていたそうです。蓋を持ち上げてそっと置き棺桶を閉じました。 「明日お迎えに上がります。今夜はお棺の見守りをお願いいたします」 納棺を... 続きをみる

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  • お墓参りに行きましたか

    お盆は、サンスクリット語のウラバンナを音読みにした盂蘭盆会(うらぼんえ)からきた仏教用語です。亡くなった先祖や家族を供養する期間になります。ほとんどの方はこの時期にお墓参りに出かけます。亡くなった方が極楽から帰って来るからです。 お墓参りに気を付けてほしいことがあります。持ち物は、生花、線香、ロウ... 続きをみる

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  • 創価学会の友人葬は見事

    お通夜の時間が近づくと、会社帰りのスーツのおじさん達や、買い物帰りの普段の服装姿のおばさん達が集まり始めます。故人と面識ない方が大分部です。祭壇前に曲録(きょくろく)の名がつく椅子があります。そこにはお坊さんがいません、いつも袈裟を着たお坊さんが座る椅子に、今日座っているのは、普通のスーツを着た儀... 続きをみる

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  • 愛する妻に捧げる自殺死

    死因は縊死でした。首を吊る自殺です。まだ若い奥様が悲しみの表情を見せながら、喪主として、ご主人の葬儀の打合せに、しっかりとした口調で切り出しました。 「参列者は100名前後になります。自殺という最期でしたが、主人の決意を参列者に理解して欲しいのです。そして命や人生を見つめ直す機会にして欲しいのです... 続きをみる

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  • お葬式に着ていく服装は

    葬儀会館の参列者の服装は、黒一色に染まります。お葬式は黒い服を着るのが常識だと思っています。しかし戦前までは喪服の色は白色でした。そして喪服の着用は遺族のみに限られていたようです。戦後欧米の影響で黒色のものを着用するようになり、いつのまに参列者も喪服を着用するマナーになりました。 故人と最期のお別... 続きをみる

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  • 町内全員の助け合い葬儀

    ひと昔前までお葬式は自宅で行いました。その時活躍したのは葬儀屋ではありません。 ご近所や町内の皆様です。町の世話役が総力を挙げて、他人である家族のお葬式を執り行いました。お葬式の知識は葬儀屋には負けないと豪語するご隠居もいたようです。 村八分との言葉を聞いたことがあると思います。仲間はずれの意味で... 続きをみる

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  • 閻魔大王の裁判の受ける

    あなたは亡くなりました。三途の川を渡りきると、そこが閻魔大王の裁判所です。 閻魔大王は、地獄を作った神様で、死者の魂を裁く裁判官として知られています。 閻魔の名前は、古代インドの神様「ヤマ」からきています。ヒンズー教ではヤマは人間として最初に死んだ人で、死人の国の王となった神様です。 インド思想に... 続きをみる

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  • 気に入りの遺影で残そう

    葬儀屋との打ち合わせで半分パニックの時に「すぐ用意してください」と言われて必死で あちこち探し回るのが、遺影を作る顔写真です。特に高齢になると写真は20年以上も撮ったことが無いと言われることも多く、50年以上も前の結婚式の写真とか、殺人犯みたいな顔で写っている免許証の写真を出される事態も起こります... 続きをみる

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  • お爺ちゃんの死因は縊死

    65歳以上の人口が、全人口に対して7%を超えると「高齢化社会」、21%を超えると「超高齢社会」と呼ばれます。日本は25年前から高齢社会になり、2010年に23%を超えて超高齢社会に入ったと言われています。80歳を越えてもまだまだ元気な超高齢者は、この日本には、 とても多くいらっしゃいます。 それで... 続きをみる

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  • 台車の骨を綺麗に残しましょう

    火葬炉の扉が開いてお骨が出てくるときは、一瞬緊張が走ります。 もし黒焦げ半生の死体が出てきたら怖いなと思うようですが、ホラー映画ではないので  ご安心ください。 火葬場の職員さんは、とても注意しながら、綺麗な状態に焼き上げてくれます。 理科室にあった骨格標本のように全身が出てくる火葬炉もありますが... 続きをみる

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  • 旅立ちのお弁当は恵方巻

    節分の日に、恵方巻の名前で、太巻き寿司を食べる習慣があります。 関西では、昔からの風習でしたが、いつのまにか全国に広がりました。 大家族のなかで、元気で過ごしていた、おばあちゃんの告別式は 2月3日の節分の日に行われました。 出棺になりました。 10人ほどのお孫さんたちの手で、棺が持ち上げられ、霊... 続きをみる

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  • 遺体の穴や傷を塞ぐには

    皆様は自分が亡くなる時に、ご自分の身体がどのような状態になっているかを想像したことはありますか?傷一つない綺麗なお身体で旅立つはずだと、お思いでしょう。ところが多くの仏様を送ってきた経験から申し上げますと、旅立つ時に、ほとんどの方のお身体はあちこちに穴が開いているとか、傷だらけの方も多いのです。中... 続きをみる

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  • お雛様が周りを囲む仏様

    雛祭りが近づくと思い出す仏様がいます。そのお婆ちゃんは老人会の人気者でした。お葬式は喪主様の仕事関係と親戚の集まれる日がその日しかなく、やむなく友引に行われました。友引は葬儀を行うのが嫌われます。理由は友人達を冥途に連れていくとの迷信からです。出来るなら変更したかったのですが日程が合いませんでした... 続きをみる

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  • 最後に食べたい薄皮饅頭

    葬儀並びに告別式の閉式が告げられると、出棺前のお別れの時間が始まります。故人が横たわっている棺の蓋が開けられ家族や親戚が最後の対面を行うのです。お別れを告げる集団の中には、小学校入学前のお子様が混じる喪家様も多くおられます。高齢の故人になるとひ孫の参列も珍しくありません。これらの一番かわいい年代の... 続きをみる

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  • お別れの弔辞に感動する

    先日行われた一般葬で久しぶりに弔辞が読まれました。長年にわたり親友でしたと紹介された初老の方が、祭壇に向かい故人に切々と語りかけました。中学から高校と同窓で大学は違いましたが親交は続き、家庭を持ってからも家族同士でお付き合いをされたそうです。締めの言葉で「三途の河の畔で出迎えてくれ、来世で又会おう... 続きをみる

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  • エンゼルケアは大事です

    ほとんどの方は病院で亡くなります。病室か霊安室でお会いした時は、もう看護師さんの手で綺麗にされています。亡くなった後にエンゼルケアと言う処置が行われているので、安心して寝台車に乗せて搬送に移れるのです。ところが自宅で亡くなられた場合、かかり付け医の死亡確認の後は、葬儀屋が引き継ぐお身体もあります。... 続きをみる

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  • 葬式費用は高いと思う人

    コロナ過前は一般葬の平均費用は187万円かかると言われていました。100名以上が参列する大型葬になると費用は最低でも300万円以上に跳ね上がります。この頃の主流となった30名程の小規模な家族葬の場合でも平均費用は112万円とのデータが出ています。地域によって多少の前後はありますが、通常の家族葬の目... 続きをみる

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  • 館内に流れたハワイアン

    納棺式の時に「これを一緒に入れてください」と家族から差し出されたのは、鮮やかな色調のパームツリー(ヤシの木)模様のアロハシャツでした。後で聞いたのですが、ハワイではヤシの木を葉・幹・実の全てを使う大事な植物と言うそうです。そのため命を守る木として、パームツリーの模様のアロハは守護神や家族愛の象徴と... 続きをみる

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  • 白装束の着せ方は左前で

    90歳を超えた大往生のお婆ちゃんの納棺式を始めました。白装束の旅支度を着せていきます。興味津々で見つめていた女子大生が背後から話しかけてきました。故人のひ孫さんに当たります。お話の内容が先日仲間の女の子たちで温泉旅行に行った時の出来事でした。浴衣を着た時にお部屋についていた仲居さんから「合わせが左... 続きをみる

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  • もっと涙を流しませんか

    この頃のお葬式で気がつくことがあります。強い悲しみを身体中から表現し、声をあげて泣く家族をほとんど見なくなったのです。昔から日本人のお葬式は厳粛な雰囲気の中、静かに故人を偲び、悲しみに浸ると言われ、あまり泣き叫ぶ方はいませんでした。それでも家族の中には大声で泣き、周りもつられて涙を流すお葬式も珍し... 続きをみる

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