おくりびとの日記

数多くの仏様を成仏させた「おくりびと」が、お葬式の出会いを綴ります。終活の参考になれば幸いです。

2022年7月のブログ記事

  • 白装束の着せ方は左前で

    90歳を超えた大往生のお婆ちゃんの納棺式を始めました。白装束の旅支度を着せていきます。興味津々で見つめていた女子大生が背後から話しかけてきました。故人のひ孫さんに当たります。お話の内容が先日仲間の女の子たちで温泉旅行に行った時の出来事でした。浴衣を着た時にお部屋についていた仲居さんから「合わせが左... 続きをみる

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  • 死後の片づけは大変です

    葬儀屋にはいろいろな営業が来ます。ご寺院紹介業、葬儀備品販売、仕出し料理売り込み、司会やセレモニースタッフ派遣業、遺影写真作成業、仏壇店、石材店、広告店まだまだあります。この頃増えてきているのが遺品整理を代行しますと言う業者の営業売り込みです。 これまでは、家族が亡くなると故人の部屋の片づけ、清掃... 続きをみる

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  • コロナ感染死亡のご遺体

    朝方に掛かってきた電話でした。「コロナで亡くなったのだが、お葬式を頼めるかな」電話口の声は遠慮がちに尋ねてきました。「もちろん、コロナウイルス感染症で亡くなられた方でもお手伝いいたします。どちらにお迎えに行きましょうか」と答えました。たしかに、この病気は怖いです。しかしそれよりも、このコロナ感染症... 続きをみる

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  • お通夜の夜に解かること

    通夜式に参列した多数の弔問客はすでにお帰りになりました。控え室の親族やお身内も家路に着かれました。お通夜が行なわれた葬儀会館のホールは、先ほどの混雑が嘘のように静まりかえっています。照明を絞った会場の中央に人影が見えます。喪主様一人が祭壇前に、ポツンとたたずんで居られました。身体が小刻みに揺れてい... 続きをみる

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  • 孤独死の葬儀は誰がする

    日本は高齢化社会に突き進んでいます。この高齢化と核家族社会で注目されている問題があります。ご存じの孤独死です。終活の相談やお葬式の打合せの中でも「私一人になったから、死んだら誰が見つけてくれて、お葬式をしてくれるのかしら」などの声も聴かれます。 しかし、天涯孤独と言う人はあまりいません。子供がいま... 続きをみる

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  • 学会の友人葬は見事です

    「南無妙法蓮華経(なんみょうほうれんげきょう)」ホールを揺るがす程の声量です。参列者全員が声を合わせてお題目を一心に唱える姿は圧巻です。お通夜の時間が近づくと、会社帰りのスーツのおじさん達や買い物帰りの普段の服装のおばさん達が次々と集まり始めます。驚くことにこの人たちは、祭壇に飾られている遺影写真... 続きをみる

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  • お葬式で思い出す出来事

    「49日法要が終わりました」のご連絡を受けると、後祭り祭壇を片付けに喪家宅へ伺います。片付けながらお葬式の思い出のお話しになります。初めてのお葬式ですと何もわからず右往左往して葬儀屋の言われるまま行なう方が多いのですが、それでも家族で決めた内容でお葬式を行った結果「良い思い出になりました」とお話し... 続きをみる

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  • 必ず聞かれる行年と享年

    電話がかかってきました。「葬儀屋さん、先日お世話になった者だが教えて欲しい。葬式をあげた親父の歳が違っていてどちらを選ぶのが良いのか迷っている。石材店にお墓を申し込みに行ったら彫り込む年齢が79歳ですねと言われた。ところがお寺が書いてくれた位牌の裏の年齢は80歳と書いてある。なぜ数え方が違うのか、... 続きをみる

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