少し前までは、お迎え時の対面やお葬式の打合せでお話をする時に、ご家族4~5人が待たれていてお会いするのが普通でした。それが、この頃はお迎えに行っても残された配偶者だけが待っている霊安室や、打合せを行う場が喪主となる配偶者のお一人だけで対応するなどの、老老世帯が非常に多くなりました。お子様がいても離... 続きをみる
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お迎えに行く車から登校の列が見えます。身体に比べて大きく見えるピカピカのランドセルを背負った一年生が列の中央にいます。どうしても思い出す辛いお葬式があります。逆縁(ぎゃくえん)と呼ばれる親が子供を送る葬儀です。特にまだ小さい子が急に亡くなるお葬式は気が重い施行です。しかし、ご縁で繋がった仏様ですか... 続きをみる
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喪主様と打ち合わせの最中です。先ほどから喪主様のスマホが鳴りやみません。特にLINEの通知音が「ライン」とか「ピロローン」とか、投稿が来るたびに叫びます。電話の着信も多く、結構大きめの音量でドキドキするような曲調の調べが、打ち合わせを中断します。突然の死去と言う通常ではない状況の中での打ち合わせで... 続きをみる
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皆様は自分が旅立つ時を考えてみたことはありますか?ほとんどの方は、病院のベッドで白い天井を見ながら気が遠くなっていく最期になるのではないでしょうか。可能なら自宅で家族に囲まれながら、静かに旅立ちを迎えたいと願う人も多いはずです。人間が死を迎える時は、身体にいろいろな変化が表れます。自宅でご家族に臨... 続きをみる
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お葬式のスタイルが格段に変わりつつあります。一切の儀式事を行なわないで冷蔵庫から火葬炉へ一直線に向かう「直葬」又は呼び方を変えた「火葬式」と言われる簡素な内容のお葬式や、お通夜を行わない「一日葬」とか、火葬炉前の読経だけの「半日葬」などです。 皆様にお葬式のイメージを伺うと、まず思い浮かぶのは、黒... 続きをみる
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宗教を信じない方が多くなり、お坊様を呼ばないお葬式が増えていると話題になっています。しかし葬儀を身近に感じる者としては、まだお葬式と仏教儀式は切り離せない流れだと考えます。確かに、良く解からないお布施の価格とか、戒名料と称する高額の請求に疑問を抱く人が増えているのは理解できます。ですが、祭壇の前に... 続きをみる
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始めてお葬式を行う喪家様のお宅です。打ち合わせが始まります。ある程度のお年を召した方ですと葬儀屋としても「この人は常識程度のお葬式の知識は持っているだろう」と思い式進行の話を始めます。ところが、この頃はお葬式の知識がほとんど無い方が増えてきているのです。大概の人は一回ぐらいお葬式の参列したことがあ... 続きをみる
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テレビで「お葬式の決定までは数時間しかありません」と葬儀会社のCMが流れています。ネットで呼ばれた葬儀屋が必ず最初に切り出す言葉があります。「葬儀ホールと火葬場を早く決めないと出来なくなります」と脅かし、ご葬儀の日時と内容の決定を急がすのです。 悪徳葬儀屋は早く決める理由を次々と挙げてきます。「高... 続きをみる
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24時間365日休み無しが葬儀屋の仕事です。年末年始もゆっくりは出来ません。市町村にある火葬場は公営施設です。当然年末から三が日にかけて休業します。その期間は火葬炉が使えません。ですが、亡くなる人は待ってはくれません。 都市伝説に病院では火葬場が休業しているお正月は死期が近づいている患者さんに強い... 続きをみる
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このブログをご覧の皆様、いつも開いて頂きありがとうございます。始めた時は葬儀屋の書くブログなどは縁起でもないお葬式の話ばかりだから、誰も興味が無いだろうと思っていました。それでも終活ブームのこの頃ですから、どなたかの参考になれば良いし、お葬式を考えるお手伝いになるかもと思い直し綴り始めました。 N... 続きをみる
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無宗教葬が増えてきていると言われています。しかし、現状は未だほとんどのお葬式が仏教で行われます。その仏教も大きく分けると13の宗派があります。天台宗、浄土宗、浄土真宗、真言宗、日蓮宗、法相宗、華厳宗、律宗、融通念仏宗、臨済宗、曹洞宗、時宗、黄檗宗、これ以外にも細かく分けると数え切れないほどの宗派が... 続きをみる
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お葬式の打ち合わせの時によく聞く言葉があります。それは「こんなことになるのが解っていれば、少しはお葬式のことを聞いておけば良かった」という反省の言葉です。このブログを見つけた方は、自分の親にお葬式のことを聞いたことがありますか?ほとんどの方は「生きているうちに、死んだ後のお葬式について聞いていいの... 続きをみる
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お葬式の形がずいぶん変わってきました。最近の葬儀は家族葬や直葬が大部分です。更に無宗教葬と呼ばれる宗教の儀式を一切しないお葬式も増えています。日本人のお葬式に対する考えが極端に変わりました。長年続いてきた葬送の歴史が次々と無くなってきています。理由を上げれば数限りなく出てくるのでしょう。例えば葬儀... 続きをみる
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高齢者の家族を病院や介護施設に預けているお家では、深夜とか明け方に着信音を聞くと「その時が来たか」と身構えて電話に向かうそうです。受話器の相手の医師や看護師から「危篤状態ですから、すぐにいらしてください」との言葉を聞くと、急いで出かける準備に取り掛かります。 危篤の連絡が突然である事もあれば、長い... 続きをみる
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寝台車を走らせていると窓から着飾った親子が見えました。この時期は七五三のお参りを見かけます。お宮参りや七五三の前に、新たな命を感謝しお腹の子が無事生まれてくることを願う水天宮での安産祈祷もあります。考えてみると、我々の生活には、結構神道の行事が多いのに気がつきます。神社にはあまり関心が無いし、神様... 続きをみる
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インターネットで「葬儀」と検索をすると上位に出てくるのが葬儀屋斡旋業者です。テレビCMでお馴染みの「よりそうお葬式」「小さなお葬式」が代表的です。安価な価格設定に飛びつくお客様も多いのですが結構トラブルも聞きます。中でも多いのが「電話で話した担当者と実際に来た担当者が違い、こちらの要望した内容が伝... 続きをみる
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電話が鳴りました。故人の苗字と住所ですぐに気がつきました。2ヶ月前に奥様を亡くし落胆していた喪主様でした。出棺前の棺桶に取りすがり 「向こうで待っていてくれよ。おれもすぐに行くから。来世も夫婦で暮らそうな」 と、囁いていた優しいお顔を思い出しました。 お迎えの寝台車を走らせました。やつれてはいまし... 続きをみる
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コロナ過が一段落したこの頃です。家族だけのお葬式から一般葬と言われる会社関係や、ご友人、ご近所などが参列するお葬式も多くなってきました。特に故人が、まだ現役で亡くなる場合などは、どうしても一般参列者の人数が多くなります。そうなると、気になるのが、開式後に遅れてくる遅刻参列者と、焼香後にサッサと帰る... 続きをみる
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家族葬を行う喪家様が最初に考える事があります。それは参列者をどこまで呼ぶかという判断です。家族葬という名前から、ご家族だけで行なうと決める方は少数です。これからのお付き合いを考えると、親戚一同に連絡をせずにお葬式を行った場合、知れた後の反響を恐れるのです。ですから家族葬と名がついても親族の参列は必... 続きをみる
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葬儀の仕事に就いてから知って驚いたことがあります。自殺で亡くなる方がとても多いことです。このブログでも自死遺体の旅立ちを多く綴っています。メディアでは自殺を減らすために心のケアをする活動とか命の大切さを啓蒙する広報が行われていますが、残念ながら、せっかく減少傾向にあった自殺者数の推移がコロナ禍に入... 続きをみる
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通常お葬式が行われている葬儀会館には、重くどんよりとした悲しみの雰囲気が漂います。全員が真っ黒な喪服を身に着け、下を向いてトボトボと歩き、祭壇の遺影写真を見上げて小さなため息をつき、焼香を始めます。この状態では参列者のどなたもホッとする気持ちにはなれません。ところが今回のお葬式では、何とも言えない... 続きをみる
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お葬式にはたくさんの迷信や言い伝えがあります。今の若い方の中には迷信の内容を知らない方も多くなりました。そして科学の解明が進んだ今では迷信を信じる人も少なくなりました。それでも、迷信や言い伝えがまだ残っているのは、万が一良くない事がおこった時に「やっぱり」と言いたくない気持ちが誰にもあるからです。... 続きをみる
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90歳を超えた大往生のお婆ちゃんの納棺式を始めました。白装束の旅支度を着せていきます。興味津々で見つめていた女子大生が背後から話しかけてきました。故人のひ孫さんに当たります。お話の内容が先日仲間の女の子たちで温泉旅行に行った時の出来事でした。浴衣を着た時にお部屋についていた仲居さんから「合わせが左... 続きをみる
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抑えた音楽が流れる中、父と娘の二人は、真っ赤なカーネーションを、一つ一つお顔の周りに置いていきました。通常、お棺に入った仏様の顔周りには、白い菊の花が置かれます。お顔周りを、真っ赤なカーネーションに飾られた、目を閉じた母親は、輝いて見えました。 母の日はアメリカから伝わった風習です。1905年5月... 続きをみる
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仏教では死者の霊は亡くなった日から四十九日までのあいだは、この世とあの世を、さ迷っていると教えています。亡くなった人は、七日ごとに七人のお釈迦や菩薩様に会うのです。そのため七日毎に法要を行います。七人のお釈迦様に出会い、教えを受けて勉強をして、それぞれの面接に合格してから、初めて極楽にたどり着ける... 続きをみる
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先日浄土真宗のお話しをしました。今回も、もう少しこの浄土真宗の話しをしてみようと思います。お葬式にお寺を呼びたいと希望される喪家様に 「ご檀家はどちらの宗派のお寺様でしょうか」と尋ねます。 「浄土真宗です」との答えが来ると「西ですか?東ですか」と尋ねます。 大概はこう帰ってきます。 「オイ、うちの... 続きをみる
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電話が鳴りました。受話器から聞こえてきた故人の名前に、心臓がドクンと鳴りました。ついに来たかと言う思いと、全力で送ってあげようという覚悟が織り交じる感情が出てきました。あの時耳元で「私のお葬式は貴方がやってね」と囁かれた声が、よみがえりました。 配偶者を無事に送り出した喪主様から「私の時も頼むね」... 続きをみる
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仏教にはいろいろな宗派があります。その中でお寺の数が一番多いのが浄土真宗です。真宗と略称で呼ぶ方もいます。当然檀家数も多いので、お葬式に呼ばれるお坊さんの割合も一番です。浄土真宗の信徒が増えたのは、仏教が貴族や武士だけの宗教では無いと説き、一般庶民のための宗教として布教されたからです。禅宗などの武... 続きをみる
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高校生が5人見学に来ました。いろいろな仕事を知ろうと言う教科の一環で葬儀業界に興味を持ったグループと紹介されました。将来就職したい会社の中でもサービス業界は人気のある企業だそうです。確かにこの葬儀という仕事は究極のサービス業とも言われます。 日本の死亡者数は年々増加傾向です。高齢化社会でこれからも... 続きをみる
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スーパーのチラシに恵方巻の宣伝が載るようになると思い出すお葬式があります。お顔の両側に真っ黒で太い巻き寿司を置いたお婆ちゃんは、ゆっくりと火葬炉に入っていきました。恵方巻きの起源については諸説あります。大正時代に大阪の花街で節分に海苔巻きを食べて縁起を担いでいたのが発祥という説とか、大阪寿司組合が... 続きをみる
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お葬式をおこなう喪家様からお寺離れが進んでいると感じています。従来のお坊様が葬儀式を進行させる流れを離れ、無宗教の葬儀にする方が増えています。一応お寺を呼んでも内容の簡略化を希望する方もおられます。日本人の考えから、仏教を含む宗教離れが、少しずつですが加速してきているのです。 「葬式の時だけお願し... 続きをみる
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神道は日本特有の宗教です。海、山、里の自然崇拝や祖霊(先祖の霊)と、狛犬やキツネ等の動物の神の観念に基づいた信仰が基盤です。仏教伝来よりもずっと以前に、日本人の文化と生活の中に浸透し、大切にされてきた宗教なのです。しかし、日本固有の宗教なのに、関心があまり無いし、神様とのお付き合いも今まで無いと思... 続きをみる
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お葬式を行うときにどうしても必要な人間がいます。喪主です。ほとんどの場合は、すんなりと決まるのですが、中には喪主を決定するまで結構な時間がかかるケースもあります。夫婦のどちらかが亡くなった場合、通常は残された配偶者が喪主になります。片方が残された親の葬儀の場合は、長男あるいは長女が喪主になります。... 続きをみる
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人間の時に5つの戒律を破ると地獄行です。生き物を殺さない、嘘をつかない、盗みをしない、享楽に溺れない、酒を飲まない、どれか1つでも破った人間への閻魔大王の判決は決まっています。となると、ほとんどの人間は地獄に落ちる可能性があるのです。どうせ行くなら、生きているうちに一度見学をしてみましょう。冥界に... 続きをみる
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介護施設で看取られた高齢のお婆ちゃんをご自宅に搬送しました。和室のお布団に寝かせます。ドライアイスをあてる前にいつものように全身チェックを行います。下半身を見て尿と便失禁の漏れが無いかを確認し、綺麗な紙おむつを履かせます。鼻穴、耳穴からの体液漏れを防ぐために脱脂綿を割りばしの先で押し込みます。入れ... 続きをみる
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お盆は、サンスクリット語のウラバンナを音読みにした盂蘭盆会(うらぼんえ)からきた仏教用語です。亡くなったご先祖やご家族を供養する期間になります。亡くなった方が極楽から帰って来るこの時期は、ほとんどの方がお墓参りに出かけます。 お墓参りで気をつけて欲しいことがあります。持ち物は、生花、線香、ロウソク... 続きをみる
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皆様は「お葬式はなんでしなければならないのか」という質問に答えられますか?お葬式とは故人の冥福を祈りお坊様を呼んで成仏を願い、家族や親戚とお世話になった人達で故人を供養して、あの世へ送り出す儀式だからと答えるかもしれません。 お葬式を行うことは、まず社会的な理由が挙げられます。儀式を行うためには市... 続きをみる
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老衰で旅立ったお婆ちゃんの葬儀の打ち合わせに、マンションのお部屋に来ています。高齢で介護が必要になり田舎の実家から引き取る時に、このお婆ちゃんが持ってきたのは沢山のご位牌だけでした。ずらりと並んだ立派なご位牌にはすべて「院号」が付いています。亡くなった人に、お寺様が仏の弟子としての名前を与える戒名... 続きをみる
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電話が鳴りました。「オヤジが亡くなったのだが、直送でやりたい」一瞬「またか」と心の中で思います。マスコミ等でお葬式の簡素化が良く取り上げられるようになり、会葬者を呼ばない「家族葬」から一切葬送の儀式を行わない「直送」と呼ばれる葬儀を希望する方も多くなりました。お葬式の内容を簡素にするのがトレンドだ... 続きをみる
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ご寺院控室から出てきたスタッフが顔色を変えて私に近寄ってきました。「お寺様がすぐ来てくれと呼んでいます」なにかとても怒っている様子だと付け加えてきました。私の気がついていない粗相でもあったかなと考えながらお部屋に向かいます。「葬儀屋、この封筒の中身を見てくれ。ちゃんと、喪主に相場の説明をしておくよ... 続きをみる
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電話が掛かってきました。「葬儀屋すぐに来てくれ。このダメな葬儀屋と交代してくれ」相手は困惑と戸惑いを含んだ声で告げています。ただ事ではありません。とりあえず伺いました。玄関先にて電話で告げられたダメな葬儀屋が帰るところに出くわしました。知らない顔です。葬儀組合の会合でも見たことのない顔でした。 こ... 続きをみる
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お通夜の語源は、お釈迦様が入滅した時に弟子たちが師匠の死を悼み、説法を夜通し語り合ったことから「通夜」と言うようになりました。本来は家族と親族が一晩中、棺桶の傍で過ごすことから棺守り、線香番、夜伽(よとぎ)とも呼ばれています。 寝ずの番には「故人が極楽浄土に行けますように」との願いが込められていま... 続きをみる
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家族の死は突然来ます。ある程度覚悟していたと言われる方も、慌てふためきます。少し周りが見えてきて、やっと頭の中に現れるのが「お葬式」の言葉です。ひと昔前は、町内会や会社の総務課などが手伝ってくれましたが、現在のお葬式はすべてが葬儀屋を介して行われます。お葬式を行うご家庭を全面的にサポートする役割を... 続きをみる
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「外国で死んだ息子を迎えに行ってくれないか」この電話が最初でした。税関検査の後に棺桶を取り変えるので、新しい棺を積み込み空港へ向かいました。海外からの遺体搬送は航空機を利用します。航空貨物では遺体保存にドライアイスが使用出来ません。遺体はエンバーミングという防腐処置を行ってから搬送します。さらに国... 続きをみる
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女性が一生に一度着てみたい服があります。一つはウエディングドレス。もう一つが和装の喪服だそうです。男性がドキリとする服装が喪服の未亡人とも言われます。着物姿の女性は成人の日以外は、ほとんど見なくなったと言われるかもしれません。ですが、葬儀会館では和装喪服が結構人気なのです。 少し前までは、着物の喪... 続きをみる
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「これをもって故〇〇様の葬儀式と告別式を閉式とさせていただきます」会場にスタッフの案内が流れて出棺に移ります。あえて葬儀式と告別式を分けて案内をするのには意味があります。皆様は葬儀式と告別式は内容が大きく違うものだと、ご存じでしたか? 簡単に言うと葬儀式は死者を送り出す荘厳な儀式で、告別式は故人と... 続きをみる
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町中がクリスマスの色に染まると、思い出すお葬式があります。昨年書いた記事ですが、皆様にこんな仏様がいましたと、もう一度お伝えしたく、リブログします。 納棺にうかがいました。仏様の枕元に一緒に納める品が置いてあります。 「この衣装を入れてください」 こう言って奥様が差し出した衣装は、真っ赤な服に白い... 続きをみる
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板の間にビニールシートが敷かれ全裸のご遺体が横たわっていました。警察関係者は引き上げています。首に黒く策条痕がついています。お顔に見覚えがありました。何よりもこのご遺体のいるリビングには私が組み立てた、遺影写真とご遺骨を飾る後祭り段が置いてあります。一か月前に愛する奥様のお葬式を出した後に、この場... 続きをみる
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ご自宅に安置されたご遺体の枕元に一膳飯(いちぜんめし)が置かれます。一膳飯というのは亡くなった人にお供えするご飯のことです。お茶碗に大きく盛りつけて、真ん中に箸を立てます。一杯飯(いっぱいめし)とか枕飯(まくらめし)とも呼ばれます。山盛りの白米ごはんを出すのは、この世に別れを告げて、あの世へと旅立... 続きをみる
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「葬儀屋さん、すぐ来てくれないか。どうも死んでいるようだ」慌てた口調の電話です。自宅で亡くなった方を見つけると、気が動転して死人イコール葬儀屋と結びつける家族が多いのです。 「まず、お医者様に見せてください。かかり付け医がいない時は救急車を呼んでください。その時にどうやら死んでいるようだ伝えてくだ... 続きをみる
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男性が静かに入ってきました。きちっとした格好の40歳前です。葬儀依頼のようです。 「水子の棺桶を売ってください」 最初はあまり細かくは尋ねません。性別や好みもあるので3個ほどバスケット型の小さい棺桶を並べました。ピンク、水色、白のフワフワのバスケットを持ってきました。 「死産証書か死胎検案書はお持... 続きをみる
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葬儀依頼の電話が入りました。今しがた亡くなったばかりだそうです。向った先は、救急救命センターの集中治療室でした。ベッドの上に、まだ、若いお婆ちゃんが、横になっていました。 お天気が良いので友人達とランチを楽しむため、お洒落をして出かけたそうです。駅の階段で突然の脳内出血で倒れました。階段を転がり落... 続きをみる
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数時間前にお亡くなりになったご遺体を前にして死後の処置に取り掛かります。火葬までに死体を不快な状態にしないために必要な作業です。本音を言うと、ご遺族の皆様には、この死体を裸にして行う行為をあまり見せたくありません。そこで、こう切り出します。 「仏様を綺麗にいたしますのでしばらくお待ちください。この... 続きをみる
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顎にお髭を蓄えたお爺ちゃんを、棺桶に寝かせました。故人は小学校の校長先生だったそうです。教育指導に厳しく家庭でも厳格な父親でした。孫にもお片付けと整理整頓を厳しく教えていたそうです。蓋を持ち上げてそっと置き棺桶を閉じました。 「明日お迎えに上がります。今夜はお棺の見守りをお願いいたします」 納棺を... 続きをみる
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打ち合わせにうかがったご家庭でエンディングノートを出されることが増えつつあります。ご要望が固まっていることが多く、極めて短時間に葬儀の内容が決まっていきます。 いつの間にか広まってきた習慣ですが、デメリットもある様です。 白髪の目立つご夫婦は、一冊のエンディングノートを目の前にして、深くため息をつ... 続きをみる
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お通夜の時間が近づくと、会社帰りのスーツのおじさん達や、買い物帰りの普段の服装姿のおばさん達が集まり始めます。故人と面識ない方が大分部です。祭壇前に曲録(きょくろく)の名がつく椅子があります。そこにはお坊さんがいません、いつも袈裟を着たお坊さんが座る椅子に、今日座っているのは、普通のスーツを着た儀... 続きをみる
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あなたは亡くなりました。ふと気がつくと独りぼっちで、真っ暗な所にいます。 これより死出の旅へ出発します。極楽の入り口まで約800里。3200キロの旅路を7日間で歩くのですから、1日に約460キロを歩かなければいけません。 最初の難所が死出の山と言う険しい山道です。真っ暗な山道を独りで歩いて行きます... 続きをみる
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葬儀屋との打ち合わせで半分パニックの時に「すぐ用意してください」と言われて必死で あちこち探し回るのが、遺影を作る顔写真です。特に高齢になると写真は20年以上も撮ったことが無いと言われることも多く、50年以上も前の結婚式の写真とか、殺人犯みたいな顔で写っている免許証の写真を出される事態も起こります... 続きをみる
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「他の人に比べて、私はなんて不幸なのだ」と嘆く方がおられます。 仏教では幸せになれない理由は、悪い行いをしているせいだと説いています。 不幸や悪い結果を生み出す、やってはいけない行動が10種類も我々にはあるのです。 まず身体から出てくる3種類の悪があります。次に口から出てくる4種類の悪もあります。... 続きをみる
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病院に伺い、ストレッチャーにご遺体を乗せて、最初にする質問があります。 葬儀会館へ運ぶか、ご自宅へ安置するか、の選択です。 自宅がアパートやマンションなどで搬入が難しいとか、周りの住民に知られたくない等の 理由で、葬儀屋の冷蔵庫に運んでくれと懇願される方も多いのです。 しかし、大半の家族は長期の入... 続きをみる
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必ず死は訪れます。大切な人を失った時は、どなたも大きなショックを受けます。 突然の死や、病気と闘った末の死や、天寿を全うした死でも、受ける衝撃に変わりません。死と言う永遠の別れには、どなたも心の準備が出来ていないのです。 打合せをするリビングのテーブルには6枚のテーブルマットが置いてありました。 ... 続きをみる
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「これより、ご参列の皆様のご焼香をお願いいたします」 司会者の案内とともに、ご参列の皆様が、遺影が見下ろす焼香台へと歩み始めます。 焼香台の上には香炉が載っています。このブログのイメージ写真が香炉です。 この香炉を始めて見る方が結構おられます。皆様が知っている仏壇の香炉は、棒状の線香の先をローソク... 続きをみる
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65歳以上の人口が、全人口に対して7%を超えると「高齢化社会」、21%を超えると「超高齢社会」と呼ばれます。日本は25年前から高齢社会になり、2010年に23%を超えて超高齢社会に入ったと言われています。80歳を越えてもまだまだ元気な超高齢者は、この日本には、 とても多くいらっしゃいます。 それで... 続きをみる
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母の日のルーツは、アメリカの女性が亡き母を追悼するため、教会でカーネーション を配ったのが始まりのようです。日本では最初は3月6日を「母の日」としました。 昭和6年に結成された大日本連合婦人会が当時の皇后(香淳皇后)の誕生日の日を 母の日にしたのです。 享年40歳 仏様は若い母親でした。 立礼で、... 続きをみる
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日本の仏教には、天台宗、浄土宗、浄土真宗、禅宗、時宗、真言宗、日蓮宗、 細かく分けると数え切れないほどの宗派が出てきます。 この中で、お寺の数が一番多いのが浄土真宗です。 お葬式に呼ばれるお寺様の割合も一番です。ほかの宗派は品格が高く、お布施も高価ですが、この浄土真宗は、お布施が庶民的なのも檀家が... 続きをみる
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老人会で人気者のおばあちゃんのお葬式は友引の日に行われました。 友引は葬儀を行うのが嫌われます。 理由は、過去ブログの「友引は火葬炉が空いています」をご参照ください。 今回も出来るなら変更したかったのですが、喪主の仕事の関係と親戚の集まれる日が その日しかなく、やむなく友引の日が葬儀日となりました... 続きをみる
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百合子 と言う名前の仏様でした。 まだ二十代、なぜこんなに若い方が、棺に入らなければ、ならないのでしょうか。 会葬御礼が始まりました。 「娘が生まれたとき、窓から庭一面に咲いている、ユリの花が見えました。百合子 と名付けました。 娘はユリの花が大好きでした。こんなに沢山の友人達に送っても... 続きをみる
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お葬式には、さまざまな出費がかかります。初めて、お葬式を行う喪主様が、 一番戸惑われて、なおかつ一番わかりづらいのがお布施の金額です。 ご存じのように、お布施とは葬儀や法事の時にお寺様に手渡す謝礼のことです。 金額をお寺様に直接伺うと、大概は「お気持ちで」と答えるのですが、 この答えでは... 続きをみる
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