おくりびとの日記

数多くの仏様を成仏させた「おくりびと」が、お葬式の出会いを綴ります。終活の参考になれば幸いです。

おくりびとの日記の人気ブログ記事

  • 生きている死体との対面

    「外国で死んだ息子を迎えに行ってくれないか」この電話が最初でした。税関検査の後に棺桶を取り変えるので、新しい棺を積み込み空港へ向かいました。海外からの遺体搬送は航空機を利用します。航空貨物では遺体保存にドライアイスが使用出来ません。遺体はエンバーミングという防腐処置を行ってから搬送します。さらに国... 続きをみる

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  • 火葬場で聞いたおめでた

    貴方は生まれ変わりを信じますか?仏教の死生観は輪廻転生(りんねてんしょう)で成り立ちます。輪廻転生とは死後、生まれ変わることです。初めての土地なのに、前に尋ねた記憶がよみがえる人がいます。小さい子供が生まれる前の記憶を話す事があります。又夫婦で可愛がっていたペットが奥さんの妊娠が解かると元気がなく... 続きをみる

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  • 近頃霊柩車に気がついた

    皆様に質問します。近頃街中で霊柩車を見ましたか?ほとんどの方がこの頃見ていないなと答えるはずです。昔は霊柩車をよく見かけました。宮型霊柩車はその特徴的な外観から、遠くからでもすぐに分かりました。しかし現在は宮型霊柩車がすべて無くなり、代わりに目立たない外観の霊柩車が主流になりました。ひと目では気が... 続きをみる

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  • お墓の中を開けませんか

    お寺の境内にあるお墓の納骨に立ち会いました。通常、骨壺のご遺骨をお墓に納める納骨のお手伝いは葬儀屋の仕事にはありません。今回は先日の新仏様のご縁や、急な納骨袋の納品や、不要な骨壺を引き取って欲しいなどのお願いが重なり、急遽、立ち会うことになりました。お墓の中を覗くのは、私も久しぶりの経験です。 お... 続きをみる

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  • お雛様が周りを守る仏様

    雛祭りが近づくと思い出す仏様がいます。そのお婆ちゃんは老人会の人気者でした。お葬式は喪主の仕事の関係と親戚の集まれる日がその日しかなく、やむなく友引に行われました。友引は葬儀を行うのが嫌われます。理由は友人を冥途に連れていくとの迷信からです。出来るなら変更したかったのですが日程が合いませんでした。... 続きをみる

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  • 仏様はそんなに持てない

    納棺に伺いました。枕元に入れて欲しい品々がずらりと並べてあります。「困ったな」と心の中でつぶやきます。ご遺体を棺桶に収める納棺時に、一緒に入れる品を副葬品といいます。打合せの時に市役所からの「火葬時における副葬品の禁止事項」の紙を参考に渡してありますがほとんどの方は気にしません。亡くなった家族にあ... 続きをみる

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  • ひ孫からの最後の贈り物

    葬儀並びに告別式の閉式が告げられると、出棺前のお別れの時間が始まります。故人が横たわっている棺の蓋が開けられ、家族や親戚が最後の対面を行うのです。お別れを告げる集団の中には、小学校入学前のお子様が混じる喪家様も多くおられます。高齢の故人になると、ひ孫の参列も珍しくありません。これらの一番、かわいい... 続きをみる

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  • 修羅場になった親族控室

    お通夜や告別式が終わり、一般参列者がお帰りになると、家族と親戚が残ります。控室へ案内して、故人の思い出を話し合う親族団らんの時間が始まる予定でした。ご存じの通り親戚には、血縁で結ばれた親族と、結婚することでお付き合いが始まる姻族があります。結婚式で初めて両家の親戚が出会い、年賀状のやり取りしかない... 続きをみる

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  • 葬儀式と告別式は異なる

    「これをもって故〇〇様の葬儀式と告別式を閉式とさせていただきます」会場にスタッフの案内が流れて出棺に移ります。あえて葬儀式と告別式を分けて案内をするのには意味があります。皆様は葬儀式と告別式は内容が大きく違うものだと、ご存じでしたか? 簡単に言うと葬儀式は死者を送り出す荘厳な儀式で、告別式は故人と... 続きをみる

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  • 介護士が望んだ死にざま

    施設の裏の入り口からストレッチャーを押して館内に入りました。途端に気がつくのが、特有の臭いです。プーンと臭います。ウンチの匂いです。認知症の進んでいる高齢者で、各部屋のベッドが占められています。ほとんどの患者が寝たきりで死を待つ、この特別養護老人ホームには、目を背けるような光景があります。 入院し... 続きをみる

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  • お坊様の衣装を教えます

    葬儀式の30分程前になると、本日の導師を務めるお寺様が来館します。御導師控室に案内し、お茶とお菓子の接待をして、喪主を呼び、お布施のやり取りを確認します。本日のお寺様も、しっかりと金銭を受け取ると、立派な服装にお着替えの時間です。 お坊様が着用している衣服を袈裟(けさ)や法衣(ほうえ)と呼びます。... 続きをみる

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  • バースデーケーキの通夜

    葬儀屋との打ち合わせで最初に行うのが、葬儀の日程を決めることです。それと同時に、遺影写真の原板を選び、死亡届の記入も進めていきます。書類を記入している息子さんが、驚いたような声を上げました。 「今日は親父の誕生日だぞ。死んだ日と生まれた日が一緒だ」 周りの家族と集まった親戚が驚いたように届け出用紙... 続きをみる

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  • 仏様と一緒に迎える正月

    24時間365日休み無しが葬儀屋の仕事です。年末年始もゆっくりは出来ません。前回でお話しましたが、火葬場は公営施設です。年末から三が日にかけてはお休みになります。その期間は火葬が行えません。ですが亡くなる人は待ってくれません。 都市伝説に病院では火葬場が休業しているお正月は、死期が近づいている患者... 続きをみる

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  • このブログをご覧の方へ

    葬儀屋の書くブログで、お葬式の話なんて縁起でもないから、誰も見ないだろうと思っていました。それでも終活ブームのこの頃ですから、参考になったと思う方が1人でもいれば良いかなと思いなおし書き始めました。 Niceのスタンプやアクセス履歴を見ると、多数の方に閲覧していただき、中には何回も訪れてくれる方々... 続きをみる

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  • サンタクロースの旅立ち

    町中がクリスマスの色に染まると、思い出すお葬式があります。昨年書いた記事ですが、皆様にこんな仏様がいましたと、もう一度お伝えしたく、リブログします。 納棺にうかがいました。仏様の枕元に一緒に納める品が置いてあります。 「この衣装を入れてください」 こう言って奥様が差し出した衣装は、真っ赤な服に白い... 続きをみる

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  • 家族葬には欠点があるが

    少人数のお葬式が大半になりましたが家族だけで行う家族葬には、大きな欠点があります。亡くなった方の人生は家族だけのものではありません。その人がお付き合いしてきた親戚、友人、知人、恩師、仕事仲間、お世話になった方たちなどの多くの人とのつながりで一生を送ってきたのです。お葬式とはこの世を去るにあたりその... 続きをみる

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  • 仏様が助けてくれた検問

    病院の霊安室に向かいました。時刻はまもなく日が変わる真夜中です。ご家族は先にご自宅に帰られていて仏様だけが、ポツンとストレッチャーに寝かされていました。警備の方に「○○様のお迎えです」「そこに寝ているよ」「死亡診断書は」「家族が持っていった」 少しだけ嫌な予感がしましたが、問題ないと思い直し、スト... 続きをみる

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  • 自死を防ぐグリーフケア

    板の間にビニールシートが敷かれ全裸のご遺体が横たわっていました。警察関係者は引き上げています。首に黒く策条痕がついています。お顔に見覚えがありました。何よりもこのご遺体のいるリビングには私が組み立てた、遺影写真とご遺骨を飾る後祭り段が置いてあります。一か月前に愛する奥様のお葬式を出した後に、この場... 続きをみる

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  • ノートに何を書きますか

    「葬儀屋さん、エンディングノートの書き方を教えてほしい」初老のご婦人が来社です。エンディングノートとは、自分が亡くなった時に備えて書くノートのことです。終活の勧めで作成される人が多くなりました。忘れたら困る大事な事柄の備忘録と同時に、自身の人生の最期をどう迎えたいかを考えるために書くノートです。 ... 続きをみる

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  • 香典返しは何が良いのか

    一般参列者が集まるお葬式の受付では、ほとんどの方が「香典辞退」の案内を出します。家族葬はお身内だけの参列ですから、家族や親族の間では香典のやり取りが残っています。身内の絆を確かめるためと金銭的相互扶助の考えで、まだ習慣として香典があるのです。 お通夜や告別式の時に渡す品物が香典返しだと思われている... 続きをみる

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  • お葬式の時泣きましたか

    韓国の方が亡くなりました。韓国は儒教の国で、故人に最大限の敬意を表します。葬儀では日本式のお焼香を行いますが、その後で「クンジョル」と呼ばれる、膝を床に着けた深いお辞儀をします。参列者は焼香を終えると遺影に向かって膝をついて深く2礼をします。その後起立してもう一度1礼をします。また通夜式は弔問の時... 続きをみる

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  • どの死に方が幸せですか

    認知症の患者が多く入院している病院から、お爺さんを引き取りました。葬儀会館に安置して着替えをさせると、両手首に縛った後がありました。手足に拘束の跡があるご遺体は珍しくありません。認知が進みベッドの上で暴れて、手が付けられない状態とか、一日中徘徊して介護が出来ないなどで、最終的に縛り付けられたと思い... 続きをみる

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  • まだ葬儀屋の出番は無い

    「葬儀屋さん、すぐ来てくれないか。どうも死んでいるようだ」慌てた口調の電話です。自宅で亡くなった方を見つけると、気が動転して死人イコール葬儀屋と結びつける家族が多いのです。 「まず、お医者様に見せてください。かかり付け医がいない時は救急車を呼んでください。その時にどうやら死んでいるようだ伝えてくだ... 続きをみる

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  • 水子に父親が出来ること

    前回のブログで死産について取り上げたら、生まれなかった子を送る方法を教えてくださいとの連絡を貰いました。前述したとおり12週以降出産前までに残念ながら育たず死産になった赤ちゃんを送るには、産科医が記入した死産証書を貰い死産届を市役所に提出します。火葬許可書が出るので火葬炉を予約し火葬します。胎児の... 続きをみる

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  • 我子を火葬にしたいので

    男性が静かに入ってきました。きちっとした格好の40歳前です。葬儀依頼のようです。 「水子の棺桶を売ってください」 最初はあまり細かくは尋ねません。性別や好みもあるので3個ほどバスケット型の小さい棺桶を並べました。ピンク、水色、白のフワフワのバスケットを持ってきました。 「死産証書か死胎検案書はお持... 続きをみる

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  • 家族に思いを伝える方法

    葬儀屋にもセールスで営業の方が訪れます。当然、売り込む品々は棺桶とか骨壺、線香、蝋燭などの消耗品が主体です。その他にも、祭壇に飾る、いつまでも腐らないフェイクの果物盛り合わせとか、祭壇にご本尊の掛け軸を掛ける時に使う、自撮り棒のように延ばせる軸かけ棒などの変わった品々もあります。 先日の商談では販... 続きをみる

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  • 死んでもお水が欲しいな

    火葬場から帰ったご遺族が、玄関先で渡された塩を肩先に振り、死の穢れを落とします。洗面所の水で手を洗い、まだ暖かい骨箱を後祭り段にそっと安置します。線香と蝋燭の火をともし、手を合わせます、ご主人を送ったばかりのお婆ちゃんが急に立ち上がりました。 「たいへん、たいへん、お水を忘れていた、おじいちゃん、... 続きをみる

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  • 男は弱い生き物なのです

    葬儀依頼の電話が鳴りました。亡くなった方を尋ねると名前と住所に覚えがありました。数か月前に奥様を突然亡くされ、お葬式をおこなった喪主様の名前です。 この仕事では同じ家のご葬儀を手伝う事が結構あります。高齢のご夫婦の片方を送ると数年後に残された方のお葬式が続くのです。それも必ず奥様を見送ったご主人が... 続きをみる

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  • 心を込めてお礼状を送る

    先日、ご葬儀を終えられた喪家様より丁寧なお礼状を頂きました。無事に送り出すことが出来た安堵感と、葬儀当日にきちんとお礼が出来ないまま帰ってしまったことへのお詫びが記入されていました。施工時に特に変わったことをした記憶はないのですが、頂いた文面に感謝の気持ちが溢れました。一枚のお礼状のもたらす効果を... 続きをみる

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  • エンディングノートには

    打ち合わせにうかがったご家庭でエンディングノートを出されることが増えつつあります。ご要望が固まっていることが多く、極めて短時間に葬儀の内容が決まっていきます。 いつの間にか広まってきた習慣ですが、デメリットもある様です。 白髪の目立つご夫婦は、一冊のエンディングノートを目の前にして、深くため息をつ... 続きをみる

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  • 天理教は神式の葬儀です

    お葬式の宗教は9割以上が仏教ですが、それ以外にも神式、キリスト式、創価学会、エホバの会、そして天理教などがあります。天理教は教派神道の一つです。神道に近い宗教でありながら、日本古来の神道の考え方と大きく異なる部分もあります。 もっとも大きな違いは、「死」を「出直す」と捉えることです。天理教では現在... 続きをみる

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  • 娘に捧げたひまわりの花

    火事が起きました。残念ながら若いお嬢さんの人生が無くなりました。早いうちに奥様を亡くし、父親一人で大きく育てた最愛の娘さんが、旅立ちました。 事故死の中でも焼死体は無惨な死体になります。真っ黒に焼け焦げた固まりは、燃えさかる炎を少しでも避けようと、丸く胎児のように縮めた身体です。その黒い物体からは... 続きをみる

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  • 精霊棚に茄子の牛が2頭

    お顔にかけた白い布をめくりました。そこには微笑んだお顔のお爺ちゃんが寝ていました。 初盆は、初めて迎えるお盆のことです。新盆と呼ばれることもあります。 多くの地域ではお盆の時期は、8月13日~16日ですが、初盆だけは7月中に行われることがあります。お盆は亡くなった人が年に一度家族のもとに帰ってくる... 続きをみる

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  • ご本尊には友達がいます

    前回、仏壇の中のご本尊の話をブログに書いたところ、数人の読者の皆様から、「家の仏壇に掛け軸が3枚掛かっています。ご本尊の他は誰の絵ですか?」との質問がありました。小さい仏壇ですとご本尊の掛け軸1枚だけの場合もありますが、仏壇の奥には中央の本尊の右側と左側に人の姿の書かれた掛け軸や文字の書かれた掛け... 続きをみる

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  • この挨拶文で御礼は完璧

    出棺前の霊柩車の横に喪主様がマイクを持って立ちました。始めての葬儀の経験でした。 マイクを持つ手がプルプルと震えています。悲しみと緊張が伝わります。 「本日はご会葬を賜りましてありがとうございました。おかげさまで通夜、葬儀を、滞りなく済ますことができました。生前はご交誼にあずかり、本日は最後までお... 続きをみる

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  • 閻魔大王の裁判の受ける

    あなたは亡くなりました。三途の川を渡りきると、そこが閻魔大王の裁判所です。 閻魔大王は、地獄を作った神様で、死者の魂を裁く裁判官として知られています。 閻魔の名前は、古代インドの神様「ヤマ」からきています。ヒンズー教ではヤマは人間として最初に死んだ人で、死人の国の王となった神様です。 インド思想に... 続きをみる

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  • キリスト教式は素敵です

    キリスト教のご葬儀のお手伝いを終えました。キリスト教にはカトリックとプロテスタントがあります。聖職者の呼び方も、神父様、牧師様と違います。信者の葬儀はミサに通っている教会を使われることが多いのですが、今回は、お付き合いのある教会が遠方とのことで、私共の葬儀会館を使用されました。 キリスト式の葬儀依... 続きをみる

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  • 身内の葬儀をする気持ち

    今回は私事を綴ります。このブログに目を通してくださるムラゴンの皆様方には、終活等の参考にはならない内容をお詫びいたします。 早朝に電話が鳴り、身内に不幸が発生したことを知りました。連絡をくれた家族は私が葬儀屋なのを知っていますので助けを求める内容でした。直ぐに仕度を済ませ車で向いました。 到着する... 続きをみる

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  • 白装束の旅支度で極楽へ

    病院から帰宅したご遺体は、まだ入院の時のパジャマか浴衣が着せられています。 このままでは可哀そうですから、白装束と呼ばれる仏衣に着替えさせます。白装束とは仏の弟子になるための衣装です。白装束の変わりに故人の希望だからとスーツやドレス、振袖などを出されることもあります。やむなく着せますが本音は避けた... 続きをみる

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  • 火葬炉の前には二人だけ

    行旅死亡人(こうりょしぼうにん)と言う言葉をご存じでしょうか?亡くなった方の、氏名本籍地 住所などが判明せず、かつ遺体の引き取り先が見つからない死亡者を指します。 例えば、ホームレスが路上で亡くなったとか、独居老人が孤独死で身元が分からない場合等です。親族が判明しても引き取りを拒否するケースもあり... 続きをみる

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  • 幸せをつかむのは難しい

    「他の人に比べて、私はなんて不幸なのだ」と嘆く方がおられます。 仏教では幸せになれない理由は、悪い行いをしているせいだと説いています。 不幸や悪い結果を生み出す、やってはいけない行動が10種類も我々にはあるのです。 まず身体から出てくる3種類の悪があります。次に口から出てくる4種類の悪もあります。... 続きをみる

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  • 自宅安置の方法教えます

    病院に伺い、ストレッチャーにご遺体を乗せて、最初にする質問があります。 葬儀会館へ運ぶか、ご自宅へ安置するか、の選択です。 自宅がアパートやマンションなどで搬入が難しいとか、周りの住民に知られたくない等の 理由で、葬儀屋の冷蔵庫に運んでくれと懇願される方も多いのです。 しかし、大半の家族は長期の入... 続きをみる

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  • 葬儀屋は幽霊を見ますか

    「お葬式をしていない時の葬儀会館は不気味ですよね。やっぱり幽霊とか出るのですか」 (又、その質問か) と心の中でつぶやきます。 会館見学をするお客様は、身近に葬儀が迫った方が大部分ですが、なかには興味本位の見学者も来られます。後者の方がよくする質問が、上記です。たしかに死体が毎日運び込まれる場所で... 続きをみる

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  • あなたの死に方はどちら

    さて、皆さんに質問です。 人の死に方には 二つの方法があります。さあ 何と何の死に方でしょうか? 考えてみてください。 ベッドで死ぬのと、畳の上で死ぬの、の二通り? 癌で死ぬのと、それ以外の病気で死ぬの、の二通り? 病院で死ぬのと、自宅で死ぬの、の二通り? 残念ですが、すべて違います。 ここで言う... 続きをみる

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  • 火葬にお金がかかります

    火葬炉の前では、ドラマが始まります。静かに手を合わせ見送る方が大部分ですが、参列者の中には、最後まで棺に手をかけ、炉の中に入れたくないと抵抗する方もおられます。それでも、扉が閉まり、中から「ゴォー」と火のつく音が聞こえてくると、参列者全員の顔に、なにか吹っ切れたような表情が浮かびます。 死者を火葬... 続きをみる

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  • 線香の煙は極楽へのナビ

    葬儀会館には特有の匂いがあります。お線香の香りです。残り香が強く、電車内などで、 喪服の方とすれ違うと、ほのかの匂うこともあります。 この香りは杉の木の匂いです。仏壇に使うお線香の作り方は、杉の葉を乾燥させて粉にした原料に、水と糊を加えて練り棒状にします。杉のヤニにより煙が多く出るため、宗教的な行... 続きをみる

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  • お焼香は初めてなのです

    「これより、ご参列の皆様のご焼香をお願いいたします」 司会者の案内とともに、ご参列の皆様が、遺影が見下ろす焼香台へと歩み始めます。 焼香台の上には香炉が載っています。このブログのイメージ写真が香炉です。 この香炉を始めて見る方が結構おられます。皆様が知っている仏壇の香炉は、棒状の線香の先をローソク... 続きをみる

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  • お坊様はミュージシャン

    お葬式でお坊様が御経を読むときに、傍らで音を出しているのが、鐘(かね)と木魚(もくぎょ)です。鐘は合図を知らせる鳴り物として、木魚は御経を読むときのリズムを整える鳴り物 として使われる仏具です。 ホールに響く、張りのある声で読まれる御経にかぶさるように聞こえてくる木魚のポクポクの音色で、故人を偲ぶ... 続きをみる

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  • 娘から母へ、真紅の花を

    母の日のルーツは、アメリカの女性が亡き母を追悼するため、教会でカーネーション を配ったのが始まりのようです。日本では最初は3月6日を「母の日」としました。 昭和6年に結成された大日本連合婦人会が当時の皇后(香淳皇后)の誕生日の日を 母の日にしたのです。 享年40歳 仏様は若い母親でした。 立礼で、... 続きをみる

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  • 綺麗にチーンと鳴らしてね

    お葬式でお坊様が御経を読むときに、傍らで音を出しているのが、鐘(かね)と木魚(もくぎょ)です。鐘は合図を知らせる鳴り物として、木魚は御経を読むときに、リズムを整える鳴り物として、使われる代表的なものです。 鐘はお家に置いてある方も多いと思います。お仏壇の前に置いている、丸いお椀のような形をしている... 続きをみる

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  • 背中の親父は軽かったです

    昔は、家を建てる時には、必ず葬儀が出来るように考量されたと聞いています。 確かに古民家等は、玄関がやたらと広く奥までの導線にゆとりがあり、襖を外すと 大広間が広がります。 この頃、病院からストレッチャーに乗せてご自宅へ向かい、安置をするのに苦労する お家が増えてきています。 玄関が狭く、苦労して入... 続きをみる

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  • 一番の宗派はどこでしょう

    日本の仏教には、天台宗、浄土宗、浄土真宗、禅宗、時宗、真言宗、日蓮宗、 細かく分けると数え切れないほどの宗派が出てきます。 この中で、お寺の数が一番多いのが浄土真宗です。 お葬式に呼ばれるお寺様の割合も一番です。ほかの宗派は品格が高く、お布施も高価ですが、この浄土真宗は、お布施が庶民的なのも檀家が... 続きをみる

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  • 13人の殉死者に囲まれて

    老人会で人気者のおばあちゃんのお葬式は友引の日に行われました。 友引は葬儀を行うのが嫌われます。 理由は、過去ブログの「友引は火葬炉が空いています」をご参照ください。 今回も出来るなら変更したかったのですが、喪主の仕事の関係と親戚の集まれる日が その日しかなく、やむなく友引の日が葬儀日となりました... 続きをみる

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  • 私の夫は風になっています

    少し前に「千の風になって」が大ヒットした頃、我々葬儀関係者は心配しました。 特に墓地販売、墓石販売、霊園関係者は死活問題だと大騒ぎになったと聞いています。 「私のお墓の前で 泣かないでください  そこに私はいません 眠ってなんかいません  千の風になって あの大きな空を 吹きわたっています」 これ... 続きをみる

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  • 霊柩車の助手席では

    「これより火葬場へと赴かれます。ご参列、ありがとうございました。」 クラクションが叫び声をあげ、霊柩車がゆっくり走りだします。 関東では霊柩車の助手席に、位牌や遺影写真を持つ喪主様が乗ることが多いのですが、  そのほかの地方では「野辺送り」の主旨から、後ろを続くハイヤーに乗車することが 通例です。... 続きをみる

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  • ネットの業者は葬儀屋なの?

    いざというときに葬儀をしなければいけない場面で、皆様はどうしますか? 「まずインターネットを開き、葬儀屋を探す」と答える方が大部分です。 ネットの検索で「葬儀」を開いてみると、広告と検索上位に次々と並んで出てくるのが 全国展開をうたっている大手業者です。 でも、この葬祭業者が葬儀屋ではないことはご... 続きをみる

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  • 忌引き休暇を取りましたか?

    ご葬儀を出す家の玄関に忌中札を張り出す光景を前はよく見かけました。 忌中札とは家人が亡くなったことを知らせるために、門や玄関などに貼る札のことです。 この忌中札に、通夜・葬儀の日時と場所を明記します。 忌中は「死は穢れである」という考えから生まれた言葉です。けがれが他人に移らないように、自宅にこも... 続きをみる

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  • 夫婦の別れはドラマです

    葬儀屋とは、連日、「夫婦の別れ」「親子の別れ」を目の当たりにする仕事です。 夫婦とは婚姻届けを出した瞬間から、必ずどちらかが相手を見送る宿命を負います。 妻を送り出す夫は、プライドもあり葬儀の間はしっかりと喪主をつとめますが、その後は ボロボロになり、壊れていきます。 男は弱い生き物なのです。 反... 続きをみる

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  • サンタクロースの旅立ち

     「この衣装を、棺に一緒に入れてください」 こう言って奥様が差し出してきた衣装は、真っ赤な服に白い縁取りのジャケットと ズボン、太いベルト、ボンボンのついた帽子、長靴、そしてフサフサの白く長い 付け髭、そう本格的なサンタクロースの衣装です。 いままで、いろいろな品物を仏様に持たせてきましたが、さす... 続きをみる

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  • 映画よりすごいですね

    数年前に「おくりびと」という映画が評判になりました。  アカデミー賞を受賞していますので、多くの方々の記憶に残っています。   整った顔立ちのお婆ちゃんが、今日の仏様です。       「これより、納棺式を始めます」   興味津々で見守る集団の中から、ささやき声が聞こえてきます。       「お... 続きをみる

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  • 望み通りの死に方

    先月、ご主人を送った喪家様より、満中陰(49日忌)の法要が、 無事に終わりましたと、連絡が入りました。 満中陰まで飾っておいた、後祭り祭壇の片付けに、伺いました。  「お葬式では、お世話になりました。やっと、気持ちの整理がついてきました。   あっと言う間の別れでしたが、本人は望み通りの死に方だっ... 続きをみる

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  • 棺桶に入れて欲しいものは?

      ご遺体を棺桶に収める納棺時に、一緒に入れる品々を副葬品といいます。   市役所の斎場受付から各葬儀会社へ副葬品への指導通達が送られました。 内容は棺の中の副葬品は、火葬炉を傷める原因となり、排煙も多くなり 環境にも悪く、火葬時間の延長になるのでやめるようにという指導です。 確かにその通りですが... 続きをみる

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  • 末期の味噌汁

      末期の水とは、ご自宅に、ご遺体を安置した時に、 ご遺体の口元へ、水で濡らした綿棒等で、軽く唇を湿らせる儀式です。    死に際の人が、最期に水を求めることから行われた習わしとか、 仏教の儀式で死んでいく者に対する、最期の花牟家(はなむけ)などと言われています。 ご遺体は、まだ30代の若者でした... 続きをみる

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  • 手作りの小さい棺桶

         「小さい棺桶をください」   事務所の入り口に立っていたのは、若いご夫婦です。   女性は、ふわふわの産着を着せた赤ちゃんを抱いています。    その赤ちゃんは泣き声をあげませんでした。       死産用の棺桶は1尺(約30センチ)からありますが、たまたまその時は 子供用の3尺の棺桶し... 続きをみる

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  • これは息子の骨です

      バイクと大型ダンプとの衝突交通事故がおきました。   一人の若者が、旅立ってしまいました。 ご遺体の損傷がひどく、特にお顔部分が傷ついていましたので、   納体袋という黒いビニールの袋に全身を入れ、お棺に納めました。 警察の霊安室での本人確認は、お兄さんが行いました。        「ご遺体が... 続きをみる

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  • 家族葬は薦めません

    ご葬儀の打ち合わせで、ほとんどの方が、   「家族葬で行いたい」 と言われます。   しかし、打ち合わせを進めると、最初は家族葬で行うと言いながら、 親戚は呼んであり、ご近所、ご友人、介護でお世話になった方々などが、 参列する、通常の葬儀スタイルになります。   他の人を排除する家族だけの家族葬は... 続きをみる

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  • 大往生を望む方へ

      90歳近いご老人が、自宅のベッドの上で静かに息を引き取られました。   食事も出来ていましたし、昨夜までお話もしていたので、 家族も急に亡くなるとは、思いもしませんでした。 朝になり、起きてこないので、見に行ったら、息をしていなく、冷たく なりかけていました、動顚した家族は、葬儀屋に電話を入れ... 続きをみる

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  • 母の顔をもどして

      ご遺体の引取り要請の電話が入りました。   向った先は、救急救命センターの集中治療室、ベッドの上に、 まだ、お若いおばあちゃんが、横になっていました。 脳内出血で倒れ、顔面を打ち、呼吸が出来なくなって、 救急車で運ばれたとのこと。 お医者様は、蘇生の為、最善を尽くされたのでしょう。   開頭手... 続きをみる

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  • 来世でも夫婦ですか

      ご依頼の電話が鳴りました。   故人の苗字に聞き覚えがありました。  「先月、お世話になりました○○です。父が亡くなりました」 一月前に奥様を亡くし、落胆していた喪主様のお顔を思い出しながら、   病院へ、お迎えの寝台車を走らせました。 やつれてはいましたが、ホッとしているようなお顔のご遺体で... 続きをみる

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