おくりびとの日記

数多くの仏様を成仏させた「おくりびと」が、お葬式の出会いを綴ります。終活の参考になれば幸いです。

葬式費用は高いと思う人

コロナ過前は一般葬の平均費用は187万円かかると言われていました。100名以上が参列する大型葬になると費用は最低でも300万円以上に跳ね上がります。この頃の主流となった30名程の小規模な家族葬の場合でも平均費用は112万円とのデータが出ています。地域によって多少の前後はありますが、通常の家族葬の目安は100万円のお金がかかると考えてください。この金額は葬儀代金の他に、お布施の金額と、お食事や返礼品の合計も入っている目安です。


どうしてお葬式費用は100万円もかかるのでしょうか?確かに家族葬は一般葬に比べて数十万円程安く抑えられます。それでも思った以上のお金がかかります。お葬式に必要な費用の内訳を見てみましょう。基本的にかかる金額は3項目に分けられます。


まず必要なのが葬儀費用と呼ばれる葬儀屋が一番初めに説明して提示する金額です。中身は、祭壇、葬祭備品一式、お迎えの寝台車や霊柩車、遺影写真作成と額縁、棺桶と納棺備品、位牌、骨壺、後飾り祭壇、スタッフ人件費と各種手続き代行費など、お葬式を行う上で最低限必要な備品の購入やレンタル費用になります。


次が施設利用料、供花を含む生花代金、参列者への返礼品代金、タクシーやマイクロバスの車代金、お通夜の夜と告別式後の「お斎」と称する料理代金などケースによって金額が変動する請求です。お葬式の規模や内容によっては、削減できることもある費用です。


そして結構大きい金額がお寺に払うお布施です。特に二人以上のお坊様の読経や院号を含む戒名をお願いした場合は、葬儀費用以上の金額が請求されることもあります。


お葬式の費用を安くするのに一番簡単なのはお寺を頼まないことです。お布施や戒名料は葬儀費用の三分の一以上を占めます。ですが簡単にはいきません。家族の気持ちの中には「極楽往生の為にお坊様の読経は必要」と思う方や、親戚の中には「お寺がいないお葬式など考えられない」などと、簡単に無くせない問題なのです、お墓が旦那寺の境内にあり葬式にお寺を呼ばないと納骨が出来ない等の深刻な問題がある喪家様もまだ多いのです。費用削減のために宗教行事を無くするのは、一旦諦めてそのほかの方法を考えみましょう。


施設使用料金を安くする方法があります。葬儀会館の使用料より公営斎場の施設が安いことがあります。公営斎場に火葬場が併設されていれば車の移動費用が削減できます。難点をあげると自治体の公営施設は数が少ないことで人気が上がると予約が取りにくい事です。


参加人数を減らして飲食費をおさえるのも一つの方法です。お通夜の「通夜振る舞い」や告別式後の「精進落とし」など飲食にかかる費用は結構な金額です。一万円の会席膳が30名で30万円かかります。参列を家族だけにして5千円のお膳8人分で4万円に抑えます。
家族のみの家族葬の中には「食事なし」を選択することもできます。近頃は会館内の飲食をせず喪家様が外出され外で食事をされるという方も出てきています。


お葬式にどんな費用がかかるのかは実際に経験してみて始めてわかることが多いのです。最期に葬祭費の補助制度を利用するのを忘れずに行ってください。故人が国民健康保険や社会保険、共済組合などに加入していると5万円ほど受け取れます。申請できる期限はお葬式を行った日の翌日から2年以内ですから、忘れずに申請して費用の足しにしましょう。

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