おくりびとの日記

数多くの仏様を成仏させた「おくりびと」が、お葬式の出会いを綴ります。終活の参考になれば幸いです。

おくりびとの日記の人気ブログ記事

  • ノートの最初のページに

    お葬式の打合せが始まりました。テーブルの上に故人が記入したエンディングノートが出されています。「葬儀屋さん、最初のページを見てください」喪主を務める息子さんが口を開きました。「失礼します」と手に取ります。めくったページには大きな字で「お葬式は〇〇葬儀社で行なう」と記入されていました。 終活ブームが... 続きをみる

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  • 別れた妻に告げるお別れ

    お通夜の開式にはまだ数時間ありました。入り口に喪服を着た初老の男性が立っています。早めに着いたご親族様と思い声をかけました。「まだ、ご家族や皆様はこちらにいらしてません。お家の方に行かれますか?こちらで待たれますか?」 相手は口ごもります。「ご親族様ですか、ご友人かご近所の参列者の方ですか?」やっ... 続きをみる

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  • スマホが活躍の記念撮影

    お葬式は普段あまりお付き合いのない親戚一同が顔を見せ集まるイベントです。めったにない機会ですから告別式の前や、出棺する前、葬儀を終えた後などに親族が集まり記念写真を撮ることが良く行われます。昔はプロのカメラマンを葬儀会場に呼んで、祭壇の前で集合写真を撮る習慣がありました。 集合写真を撮る場合には、... 続きをみる

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  • 緑の葉の名はなんですか

    病院で亡くなったご遺体をご自宅まで搬送します。お布団に寝かせて枕元に小さな祭壇を飾ります。枕飾りです。香炉、燭台、鈴、そして、花瓶に一本の樒(しきみ)を立てます。 この頃は、「その緑の葉っぱは何ですか」と尋ねられることがあります。「しきみ」や「しきび」と呼ばれるこの植物を始めて見る方も多いのです。... 続きをみる

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  • 病院ではこのように死ぬ

    終末期の高齢者が多く入院する病院があります。毎日のように、患者さんが亡くなります。当然、病院のスッタフは葬儀屋と顔見知りになります。 「患者さんが「ステる」ときは周りに誰もいない時が多いのよ」看護師さんが話し始めました。「ステる」の原語はドイツ語のSTERBEN⇒死亡、死亡した、の意味からきていま... 続きをみる

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  • お通夜の夜にわかること

    お通夜の語源は、お釈迦様が入滅した時に弟子たちが師匠の死を悼み、説法を夜通し語り合ったことから「通夜」と言うようになりました。本来は家族と親族が一晩中、棺桶の傍で過ごすことから棺守り、線香番、夜伽(よとぎ)とも呼ばれています。 寝ずの番には「故人が極楽浄土に行けますように」との願いが込められていま... 続きをみる

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  • 納得の葬儀屋を選ぶ為に

    家族の死は突然来ます。ある程度覚悟していたと言われる方も、慌てふためきます。少し周りが見えてきて、やっと頭の中に現れるのが「お葬式」の言葉です。ひと昔前は、町内会や会社の総務課などが手伝ってくれましたが、現在のお葬式はすべてが葬儀屋を介して行われます。お葬式を行うご家庭を全面的にサポートする役割を... 続きをみる

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  • ご臨終の脇で慌てないで

    亡くなる方の9割が病院で息を引き取ります。担当医がベッドに寝ている身体を検査して「ご臨終です」と家族に伝えます。看護師さんがエンゼルセットを持って病室に入ってきます。ご遺体の身体を綺麗にすると「葬儀屋の手配は済ませましたか?早く運び出して下さい」と告げます。夜中だからとか、家族がそろっていないから... 続きをみる

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  • 生きている死体との対面

    「外国で死んだ息子を迎えに行ってくれないか」この電話が最初でした。税関検査の後に棺桶を取り変えるので、新しい棺を積み込み空港へ向かいました。海外からの遺体搬送は航空機を利用します。航空貨物では遺体保存にドライアイスが使用出来ません。遺体はエンバーミングという防腐処置を行ってから搬送します。さらに国... 続きをみる

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  • お葬式を行なう理由とは

    葬儀会館の見学会に訪れる方や、当分自分は死なないけれど終活のために葬儀を知りたいと言う人が増えています。その方々の中には「高いお金をかけてお葬式をする理由が解らない」と質問される方もおられます。 皆様は何故お葬式をするかと聞かれたら何と答えますか。葬儀業界には、葬祭ディレクターという資格試験があり... 続きをみる

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  • お葬式に寺は必要なのか

    南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)の声とチーンと鳴る鐘の音、ポクポクと歌う木魚。お葬式のイメージを質問すると、ほとんどの方がこのように答えます。実際9割が仏式の葬儀で執り行われています。檀家の数を数えると日本人の大多数が仏教徒になります。しかし仏教徒なのに、お葬式でお寺様を呼ばなくなってきています。 ... 続きをみる

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  • バースデーケーキの通夜

    葬儀屋との打ち合わせで最初に行うのが、葬儀の日程を決めることです。それと同時に、遺影写真の原板を選び、死亡届の記入も進めていきます。書類を記入している息子さんが、驚いたような声を上げました。 「今日は親父の誕生日だぞ。死んだ日と生まれた日が一緒だ」 周りの家族と集まった親戚が驚いたように届け出用紙... 続きをみる

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  • サンタは星になりました

    先日、サンタクロースの衣装で納棺をして、天にお送りした仏様のお宅に初七日のご挨拶に伺いました。 少しずつ悲しみから癒えているように見える奥様が、ポツリポツリとお話してくれました。 「毎年、夫がサンタクロースの衣装でプレゼントを届けていた保育園に、行くことが叶わなくなってしまいましたので、今年から止... 続きをみる

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  • 仏様が助けてくれた検問

    病院の霊安室に向かいました。時刻はまもなく日が変わる真夜中です。ご家族は先にご自宅に帰られていて仏様だけが、ポツンとストレッチャーに寝かされていました。警備の方に「○○様のお迎えです」「そこに寝ているよ」「死亡診断書は」「家族が持っていった」 少しだけ嫌な予感がしましたが、問題ないと思い直し、スト... 続きをみる

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  • 喪中はがきが届きました

    ポストに入っている「喪中はがき」を手に取る季節になりました。内容が知人の親の不幸ですと、自分もその年代になったかと思い、これから書く年賀状の宛先リストから削除しようと考えながら家に入ります。本来、喪中はがきとは故人とそれほど深いお付き合いではない方に向けてのお知らせでした。 ですがこの頃は喪中はが... 続きをみる

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  • ノートに何を書きますか

    「葬儀屋さん、エンディングノートの書き方を教えてほしい」初老のご婦人が来社です。エンディングノートとは、自分が亡くなった時に備えて書くノートのことです。終活の勧めで作成される人が多くなりました。忘れたら困る大事な事柄の備忘録と同時に、自身の人生の最期をどう迎えたいかを考えるために書くノートです。 ... 続きをみる

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  • どの死に方が幸せですか

    認知症の患者が多く入院している病院から、お爺さんを引き取りました。葬儀会館に安置して着替えをさせると、両手首に縛った後がありました。手足に拘束の跡があるご遺体は珍しくありません。認知が進みベッドの上で暴れて、手が付けられない状態とか、一日中徘徊して介護が出来ないなどで、最終的に縛り付けられたと思い... 続きをみる

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  • まだ葬儀屋の出番は無い

    「葬儀屋さん、すぐ来てくれないか。どうも死んでいるようだ」慌てた口調の電話です。自宅で亡くなった方を見つけると、気が動転して死人イコール葬儀屋と結びつける家族が多いのです。 「まず、お医者様に見せてください。かかり付け医がいない時は救急車を呼んでください。その時にどうやら死んでいるようだ伝えてくだ... 続きをみる

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  • 水子に父親が出来ること

    前回のブログで死産について取り上げたら、生まれなかった子を送る方法を教えてくださいとの連絡を貰いました。前述したとおり12週以降出産前までに残念ながら育たず死産になった赤ちゃんを送るには、産科医が記入した死産証書を貰い死産届を市役所に提出します。火葬許可書が出るので火葬炉を予約し火葬します。胎児の... 続きをみる

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  • ドライアイスを外してね

    数時間前にお亡くなりになったご遺体を前にして死後の処置に取り掛かります。火葬までに死体を不快な状態にしないために必要な作業です。本音を言うと、ご遺族の皆様には、この死体を裸にして行う行為をあまり見せたくありません。そこで、こう切り出します。 「仏様を綺麗にいたしますのでしばらくお待ちください。この... 続きをみる

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  • 火葬場でなく大学へ行く

    亡くなったので来てほしいとの連絡が入りました。ご自宅へ伺うと、ご家族が布団に寝かせたご遺体のお身体を、温めたタオルで拭いていました。清拭と言う病院で看護師さんがお風呂に入れない患者に行う行為です。 「3時間後に病院からお迎えが来ます。3時間だけのお葬式をお願いします」 こう言って、見せられた紙は「... 続きをみる

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  • 困った供花が届くのです

    お葬式の施工の準備を始めていると、大手の花屋さんのギフト便で供花や花かごが届いたり、電話で喪主様の了解を得ていない供花の注文が入ったりし始めます。じつは、これが葬儀屋にとっても、喪主様とっても、とても迷惑で困る行為なのです。 供花(きょうか)とは故人に供える花のことです。お花で死者の霊を慰める意味... 続きをみる

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  • 四十九日かけて極楽往生

    お葬式を挙げられた喪家様から四十九日の法要の連絡が入ります。仏前のお花を手配して、法要後に不要になった「後祭り段」を引き取りに伺います。四十九日には「満中陰」「忌明け」「七七日」などのさまざまな呼び方があります。亡くなった日を命日として、その日から四十九日目が極楽往生の日です。 仏教では死者の霊は... 続きをみる

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  • ネットで探したお坊さん

    駐車場の入り口に近い一画に「寺院様駐車場」の看板が立ててあります。お葬式のある時はベンツやセンチュリーの高級車が止まる場所です。本日、やって来たお寺様の車はミニバンです。後部はキャンピングカーのように寝起きが出来るようです。 今回の打ち合わせのテーブルについているのは若いご夫婦です。高齢のお爺ちゃ... 続きをみる

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  • お墓参りに行きましたか

    お盆は、サンスクリット語のウラバンナを音読みにした盂蘭盆会(うらぼんえ)からきた仏教用語です。亡くなった先祖や家族を供養する期間になります。ほとんどの方はこの時期にお墓参りに出かけます。亡くなった方が極楽から帰って来るからです。 お墓参りに気を付けてほしいことがあります。持ち物は、生花、線香、ロウ... 続きをみる

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  • 天理教は神式の葬儀です

    お葬式の宗教は9割以上が仏教ですが、それ以外にも神式、キリスト式、創価学会、エホバの会、そして天理教などがあります。天理教は教派神道の一つです。神道に近い宗教でありながら、日本古来の神道の考え方と大きく異なる部分もあります。 もっとも大きな違いは、「死」を「出直す」と捉えることです。天理教では現在... 続きをみる

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  • 貴方の戒名いくらですか

    お葬式のお勤めをお寺様にお願いをします。必ず聞かれるのが「戒名をどのようにいたしましょうか」と言うお尋ねです。ちなみに浄土真宗は法名と言います。 ほとんどの喪家様方はしばらく迷います。お寺様も懐に入る金額が上下する大事な商談ですから、簡単には引き下がりません。 「先代が立派な戒名ですから同じものを... 続きをみる

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  • 娘に捧げたひまわりの花

    火事が起きました。残念ながら若いお嬢さんの人生が無くなりました。早いうちに奥様を亡くし、父親一人で大きく育てた最愛の娘さんが、旅立ちました。 事故死の中でも焼死体は無惨な死体になります。真っ黒に焼け焦げた固まりは、燃えさかる炎を少しでも避けようと、丸く胎児のように縮めた身体です。その黒い物体からは... 続きをみる

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  • ご本尊には友達がいます

    前回、仏壇の中のご本尊の話をブログに書いたところ、数人の読者の皆様から、「家の仏壇に掛け軸が3枚掛かっています。ご本尊の他は誰の絵ですか?」との質問がありました。小さい仏壇ですとご本尊の掛け軸1枚だけの場合もありますが、仏壇の奥には中央の本尊の右側と左側に人の姿の書かれた掛け軸や文字の書かれた掛け... 続きをみる

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  • 町内全員の助け合い葬儀

    ひと昔前までお葬式は自宅で行いました。その時活躍したのは葬儀屋ではありません。 ご近所や町内の皆様です。町の世話役が総力を挙げて、他人である家族のお葬式を執り行いました。お葬式の知識は葬儀屋には負けないと豪語するご隠居もいたようです。 村八分との言葉を聞いたことがあると思います。仲間はずれの意味で... 続きをみる

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  • キリスト教式は素敵です

    キリスト教のご葬儀のお手伝いを終えました。キリスト教にはカトリックとプロテスタントがあります。聖職者の呼び方も、神父様、牧師様と違います。信者の葬儀はミサに通っている教会を使われることが多いのですが、今回は、お付き合いのある教会が遠方とのことで、私共の葬儀会館を使用されました。 キリスト式の葬儀依... 続きをみる

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  • 死出の旅はこんなに苦難

    あなたは亡くなりました。ふと気がつくと独りぼっちで、真っ暗な所にいます。 これより死出の旅へ出発します。極楽の入り口まで約800里。3200キロの旅路を7日間で歩くのですから、1日に約460キロを歩かなければいけません。 最初の難所が死出の山と言う険しい山道です。真っ暗な山道を独りで歩いて行きます... 続きをみる

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  • 葬儀屋は幽霊を見ますか

    「お葬式をしていない時の葬儀会館は不気味ですよね。やっぱり幽霊とか出るのですか」 (又、その質問か) と心の中でつぶやきます。 会館見学をするお客様は、身近に葬儀が迫った方が大部分ですが、なかには興味本位の見学者も来られます。後者の方がよくする質問が、上記です。たしかに死体が毎日運び込まれる場所で... 続きをみる

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  • 火葬にお金がかかります

    火葬炉の前では、ドラマが始まります。静かに手を合わせ見送る方が大部分ですが、参列者の中には、最後まで棺に手をかけ、炉の中に入れたくないと抵抗する方もおられます。それでも、扉が閉まり、中から「ゴォー」と火のつく音が聞こえてくると、参列者全員の顔に、なにか吹っ切れたような表情が浮かびます。 死者を火葬... 続きをみる

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  • 死人の顔が変わりました

    死後から人間の身体は筋肉が固まり始めます。死後硬直です。12時間を過ぎると、硬直は ピークを迎えます。こうなると手指を胸で手ませるのがとても困難になります。 その後、3日程経過すると徐々に硬直は解け始めてきます。 病室にお迎えにあがったとき、お顔には、まだ苦悶の表情が見て取れました。 目は、閉じて... 続きをみる

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  • 息子が11人に増えました

    病院の霊安室から亡くなった方を乗せて寝台車が出発する時でした。車の横に お医者さん、看護師さん、事務の女性など、10名程が見送りに出てきました。 動き出すと全員が深々と頭を下げてきました。このような見送りは初めてです。 通常、病院関係者の見送りは、看護師さん1人だけか、誰も出てこないか、 裏門を戸... 続きをみる

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  • 線香の煙は極楽へのナビ

    葬儀会館には特有の匂いがあります。お線香の香りです。残り香が強く、電車内などで、 喪服の方とすれ違うと、ほのかの匂うこともあります。 この香りは杉の木の匂いです。仏壇に使うお線香の作り方は、杉の葉を乾燥させて粉にした原料に、水と糊を加えて練り棒状にします。杉のヤニにより煙が多く出るため、宗教的な行... 続きをみる

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  • あなたはどの棺桶を選ぶ?

    人生の最後に使用する家具が棺桶です。ご遺体を納めて葬るためのベッドです。 病院から搬送されて自宅のお布団で安置されているときは、まるで眠っているように 感じていたご遺体ですが、いざ棺に納まる姿を見て、 「本当にこの人は亡くなってしまったのだ」 と、皆様が実感するのです。 棺(ひつぎ)柩(ひつぎ)の... 続きをみる

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  • 霊柩車の助手席では

    「これより火葬場へと赴かれます。ご参列、ありがとうございました。」 クラクションが叫び声をあげ、霊柩車がゆっくり走りだします。 関東では霊柩車の助手席に、位牌や遺影写真を持つ喪主様が乗ることが多いのですが、  そのほかの地方では「野辺送り」の主旨から、後ろを続くハイヤーに乗車することが 通例です。... 続きをみる

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  • 総額20万以上が煙になった

    死因は肺がんでした。 入院中も看護師さんの目を盗んでは、煙草を吸いに逃げだして怒られていたそうです。 「愛煙家と言うより、ニコチン中毒と言ったほうあっている」 「死ぬまで煙草を吸っていたから、幸せな大往生かも」 「止めたらと皆が注意しても言うことを聞かない、しょうがない親父だった」 お葬式の前に家... 続きをみる

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  • 台車の骨を綺麗に残しましょう

    火葬炉の扉が開いてお骨が出てくるときは、一瞬緊張が走ります。 もし黒焦げ半生の死体が出てきたら怖いなと思うようですが、ホラー映画ではないので  ご安心ください。 火葬場の職員さんは、とても注意しながら、綺麗な状態に焼き上げてくれます。 理科室にあった骨格標本のように全身が出てくる火葬炉もありますが... 続きをみる

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  • 旅立ちのお弁当は恵方巻

    節分の日に、恵方巻の名前で、太巻き寿司を食べる習慣があります。 関西では、昔からの風習でしたが、いつのまにか全国に広がりました。 大家族のなかで、元気で過ごしていた、おばあちゃんの告別式は 2月3日の節分の日に行われました。 出棺になりました。 10人ほどのお孫さんたちの手で、棺が持ち上げられ、霊... 続きをみる

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  • 認知症の特効薬を見つけました

    家族は悩んでいました。 90歳のおばあちゃんの葬儀の打ち合わせ中です。死因は老衰、大往生でした。   「葬儀屋さん、おじいちゃんの出席をあきらめようと思うのだが」 故人の夫がまだ存命でした。しかし、認知症が進み5年前から介護施設に 入院しているとのこと、  「痴呆が進んで、もう誰の顔もわからない。... 続きをみる

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  • 御通夜の深夜に解かること

    「葬式なんて必要ない。面倒なだけだ。」 「葬式を行う意味が解らない。葬儀屋なんか帰ってもらえ」 打ち合わせの時の喪主様は、けんか腰でした。 それでも周りの家族・親族がたしなめ、多くの参列者で通夜が行われました。 通夜の語源は、釈迦が入滅した時に弟子たちが師匠の死を悼み、お説法を夜通し、 語り合った... 続きをみる

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  • 二人で旅立った葬儀式

    高齢の母親を送る通夜の席が始まろうとしていました。 突然、喪主をつとめている息子さんが、私に相談があると囁いてきました。 「実は、さっき父が入院している病院から連絡があって、今夜が峠だというのだ」 ということは、もしかして、今夜の峠を越えられないとすると、 葬儀が続いて出ることになります。 今夜の... 続きをみる

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  • 賑やかな控え室

    定年を迎え、これからご夫婦で老後を楽しもうと思っていた矢先の、 ご主人の急死でした。 喪家様が60代のご夫婦の場合、お子様や、ご親族は、丁度、結婚して数年の カップルが多く、控え室には、小さいお子様や、赤ちゃんが、数組集ります。    こんな時でないと、めったに顔を会わせない、おじさん、おばさん、... 続きをみる

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  • 母の顔をもどして

      ご遺体の引取り要請の電話が入りました。   向った先は、救急救命センターの集中治療室、ベッドの上に、 まだ、お若いおばあちゃんが、横になっていました。 脳内出血で倒れ、顔面を打ち、呼吸が出来なくなって、 救急車で運ばれたとのこと。 お医者様は、蘇生の為、最善を尽くされたのでしょう。   開頭手... 続きをみる

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