何故、お葬式の連絡は突然来るのでしょうか?何気なく出た電話口の連絡が、親戚からの死去の連絡とか、ご遺族や友人からの故人の急な訃報などで、驚いた経験をどなたもお持ちだと思います。ほとんどの方はそのような時に、どのような挨拶を返そうかと悩んでしまうのです。 心の準備の無いまま訃報の連絡は突然入ってきま... 続きをみる
エンディングノートのブログ記事
エンディングノート(ムラゴンブログ全体)-
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前回、書ききれなかった各地の風習を綴ります、少しでも参考になれば嬉しいです。 徳島県、後火葬が多いです。お通夜では一般会葬者へ向けた通夜ぶるまいが行われます。 香川県、後火葬が多いです。香典の表書きにはお通夜は「御悔」、葬儀は「御香典」と書くのが一般的です。 愛媛県、後火葬が多いです。通夜振る舞い... 続きをみる
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高齢のお婆ちゃんのお葬式を行っています。喪主様は珍しいことに「ご長男のお嫁さん」です。棺桶の中のお婆ちゃんとは「血」の繋がりがありません。お婆ちゃんの配偶者はとっくに亡くなり、ご長男もずいぶん昔に他界されていました。結果として嫁ぎ先の「姑」である義理のお母さんと残されたご長男のお嫁さんだけが残され... 続きをみる
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前回、書ききれなかった各地の風習を綴ります、少しでも参考になれば嬉しいです。 石川県、後火葬が主流です。浄土真宗が浸透している地域なので、香典は「御仏前」と書きます。 富山県、一般会葬は告別式に参列することが多いです。浄土真宗が浸透している地域なので、香典は「御霊前」ではなく「御仏前」と書きこんで... 続きをみる
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抑えた音楽が流れる中、父と娘の二人は、真っ赤なカーネーションを、一つ一つお顔の周りに置いていきました。通常、お棺に入った仏様の顔周りには、白い菊の花が置かれます。お顔周りを、真っ赤なカーネーションに飾られた、目を閉じた母親は、輝いて見えました。 母の日はアメリカから伝わった風習です。1905年5月... 続きをみる
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北海道、受け付けに芳名帳の用意が無い場合が多いです。記名をしません。受付で香典袋の中身を確認し、領収書を発行するのが通例です。 青森県、お葬式の前に火葬する前火葬が一般的です。雪国の風習から来ています。 秋田県、前火葬が主流です。お通夜をせずに火葬後に告別式を行う一日葬が多いです。 岩手県、前火葬... 続きをみる
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65歳以上の人数が全人口に対して7%を超えると「高齢化社会」そして21%を超えると「超高齢社会」と呼ばれます。日本は2010年に23%を超えて超高齢社会に入りました。我が国は80歳を越えても生き続ける超高齢者がとても多い国なのです。皆様のご近所さんにも超高齢者を見ませんか?超高齢者は少しずつ身体が... 続きをみる
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お葬式の規模が小さくなりました。そして一般参列者からの香典を受け取る習慣も廃れてきています。ほとんどのお葬式で、受付に「故人の遺志によりお香典はご辞退いたします」との案内を出します。お葬式という急な出費を周りが金銭で支えることから始まった香典文化ですが、ご近状や地域のコミュニティの絆も薄れる現在で... 続きをみる
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火葬炉に入っていく娘さんの柩を見送るのは、父親と私の二人だけでした。これまでも寂しいお葬式は何度か経験があります。行路病死人と呼ぶ身元不詳のホームレスを役所の担当者と見送る時とか、生活保護の世帯で家族がこない場合などは二人だけで立ち会いました。しかし今回は「故人の遺言で立ち合いは、私だけです」と最... 続きをみる
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家族葬を行っている葬儀会館での出来事です。入り口に1人の女性がやってきました。「〇〇さんのお葬式はこちらでしょうか?」「はい、ただいまホールで行なっております。ご案内いたしましょうか?」「いいえ、家族葬だと伺いましたので、参列はご遠慮させていただきます。ですが、この手紙だけ喪主様にお渡し願いますか... 続きをみる
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お斎(おとき)とは、お通夜、告別式、法事などの仏事の後に行われる食事会を指す言葉です。地域によっては「出立ちの膳」と言って出棺前に振舞う食事を言います。通夜振る舞いや法要後の精進落としも「お清め」と呼ばれるお斎に含まれます。一般的には「おとき」と読みますが地域によっては「おとぎ」と濁って言います。... 続きをみる
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初めてのお葬式を無事に済ませ、四十九日の法要が近づく頃、喪主様とご家族を悩ます問題に気がつく方も多いのです。それは「このご遺骨をどうしたらよいか」です。先祖代々のお墓があるので、そこに納骨をすると決まっている方は幸せです。核家族化が進み「お墓が無い」と嘆く喪家様が多く出てきました。ご遺骨を前にする... 続きをみる
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火葬場から帰ったご遺族が玄関先で渡された塩を肩に振り、死の穢れを落とします。洗面所の水で手を洗い、まだ暖かい骨箱を後祭り段にそっと安置します。線香と蝋燭の火を灯して全員で手を合わせます。ご主人を送ったばかりのお婆ちゃんが急に立ち上がりました。 「たいへん、たいへん、お水を忘れていた、おじいちゃん、... 続きをみる
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同業者が集まる会合で話し合いに出る題材があります。それは「理不尽な文句を言うクレーマーが増えている」です。カスタマーハラスメントと言う言葉もマスコミが取り上げています。無事にお葬式が終わりご挨拶と共に恐る恐る請求書を渡します。合計金額を確認した喪主様から、問題なくすんなりと現金が出てくるまでが葬儀... 続きをみる
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病院からご自宅に搬送を頼まれた時は「ご自宅の一階に仏様を安置するお布団を敷いておいてください」とお願いします。お家にご家族がいる場合なら、これから帰ってくるご遺体を安置する寝具の用意をはじめます。もちろん清潔な寝具の使用を望みますが、生前故人が使っていたお布団をそのまま使用しても構いません。納棺式... 続きをみる
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先日、お葬式を済まされた喪家様宅へ葬儀代金の集金に伺っています。請求書を確認した喪主様から「葬儀屋さん、忙しい時に悪いが少し待ってくれ、手元にある現金が足りないので、これから近くのATMに行って亡くなったオヤジの預金から下ろしてくるから」「解りました、お気をつけて行ってきてください」と答えました。... 続きをみる
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霊柩車を先頭に並んだ車列が火葬場に到着します。いくら公共の施設だと言っても、火葬場は初めて来る方が大多数です。当然皆様興味津々です。「どんなところだろう。記念に一枚」とスマホをポケットから出し始めます。火葬場は撮影禁止です。 ある程度の年齢の方は、常識として火葬場では写真を撮らないと知っていますが... 続きをみる
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葬儀業界アンケートの結果で、お葬式を終えて後悔しているご家族は全体の4割近くいると発表されています。家族の死は突然にやってきます。ほとんどの皆様は、慌てふためきネットで探し当てた業者の言うなりに「あれよあれよ」と言う間に高額の買い物を始めます。その結果「なんだか腑に落ちない」と感じながら、高額の金... 続きをみる
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半年程前にご主人を亡くされたお婆ちゃんのご自宅へ納骨の相談に伺っています。公営墓地に購入したお墓があります。まず墓石に戒名と死亡日を彫刻してもらうために墓碑銘の掘り込みを石材店に手配します。そして納骨当日に墓石の移動とカロートの開閉を行うように連絡をします。カロートとは墓石の下の地面を掘り地下室に... 続きをみる
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仏式でお葬式を挙げると、お寺のご住職が御経を唱えてお勤めをされる場面は、結構な回数になることに気がつきます。亡くなって直ぐに、安置された枕元で挙げる「枕経」、お通夜の式場で行なう「通夜経」、葬儀式で読み上げる「阿弥陀経」「無量寿経」「正信偈」「法華経」などの宗派で異なる御経、火葬炉前で読み上げる「... 続きをみる
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お葬式は大切な人との別れの場です。愛する人が亡くなった時、ほとんどの皆様は人の死に対してパニックになります。この状況を簡単に受け止められないのです。もう「この世に大事な人が居ない」と悟るショックや喪失感から涙やため息が止まらなくなり強い後悔を感じる人も出てきます。さらに死因や状況によっては故人の死... 続きをみる
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ご家族と親戚が集まる20名程のお葬式での出来事です。お寺様が退席した後に親戚の父親が「おい、やって見せろ」と声をかけました。祭壇の前に出てきたのは小学4年生の男の子です。先ほどまで、お坊様が読経をされていた場所に座ると、おもむろに鈴を三回鳴らし、朗々と「般若心経」を唱え始めました。もちろん暗唱です... 続きをみる
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「亡くなりました」と連絡が入ると病院へお迎えに行きます。ほとんどが真夜中か明け方の時間帯です。「夜が明けるまで待ってください」と望む家族の希望は、大概はかなえられません。「一刻も早く運び出してください」とプレッシャーをかける病院の対応が多いのです。翌朝になると周りの患者も起き出してくるし、なにより... 続きをみる
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本日は雛祭りです。この日が近づくと思い出す仏様がおります。お婆ちゃんは老人会の人気者でした。お葬式はほとんどの皆様が避ける「友引の日」に行われました。喪主様の仕事関係と親戚が揃う日程がその日にしか無く、やむなく友引になってしまったのです。友引は葬儀を行うのが嫌われます。理由は友人達を冥途に連れてい... 続きをみる
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小さな棺に収まった男の子は、まだ小学校に入る年齢までも届いていませんでした。突然の事故でした。救急搬送されてから一ヶ月、病院ではスタッフが懸命な治療を行いました。しかし、頭蓋骨の半分が無くなるという事態では存命は難しかったのです。包帯でグルグル巻きにされた頭は、お母さんが手作りした毛糸の帽子で包ん... 続きをみる
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「近頃霊柩車を見かけましたか」と質問します。ほとんどの方が「この頃は見ていないなあ」と答えます。少し前まで、霊柩車は直ぐに気付きました。宮型霊柩車は、その特徴的な外観から遠くからでも解りました。車の上に金色の家が建っている豪華な装飾が施されている車両は離れていても簡単に見つけられるほど派手でした。... 続きをみる
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納棺式をすすめています。ご主人を亡くされたお婆ちゃんが憔悴した様子で棺桶の傍に座っています。安置されているお布団の横に並べられた副葬品を順番に納めながら「他に何か入れてあげたいお品はありますか?」と尋ねます。お婆ちゃんから、握っていた掌を開いて「これを持たせてください」と差し出された品がありました... 続きをみる
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納棺を始める前に亡くなった人には死装束(しにしょうぞく)に着替えてもらいます。この装束は死者が身につける着物です。この衣装に召しかえるのは、これからの旅立ちに必要と言われるからです。元々は経帷子(きょうかたびら)と呼ばれていました。現在でも四国の巡礼者や修行僧は着ています。装束の他にも様々な物を持... 続きをみる
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明日はマスコミが騒ぐバレンタインデーです。皆様、この日は神父様の亡くなった日だと知っていましたか?バレンタインデーの起源は、ローマ帝国時代に司祭ウァレンティヌスが2月14日に処刑された事に由来しています。当時のローマ皇帝クラウディウス2世は「若者が戦争へ行きたがらないのは、故郷に残る家族や恋人と離... 続きをみる
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家族葬が多くなりました。それでも、ご近所の皆様方や故人と親しくしていたご友人方がどうしてもと参列されるお葬式も見受けます。そしてその際にはお香典を持参されます。香典辞退の家族葬と決めていても、嫁いだ娘家族や親戚関係などはやはりお香典を持ち寄ります。少しでも、お葬式費用に充てて欲しいとの気持ちの表れ... 続きをみる
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お葬式の打合せ中です。「今回の家族葬はご家族とご親戚だけに連絡をして参列をお願いするのですね。そう致しますと全員で何人程の出席予定になりますか?」と質問をします。出席人数により使用する葬儀会館のホールの大きさが決まります。この質問の答えがスムーズに出てくれば、まったく問題が無いのですが、往々にして... 続きをみる
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この仕事は「究極のサービス業」と言われます。葬祭業に興味を持つ若者が増えるのは嬉しいことです。特に、これからの多死社会に進む日本では葬儀屋は未来がある業種かも知れません。しかし世間の印象が良い職業とは言えない状況もあります。葬儀屋に対して良いイメージを持っている人は少ないのです。周りから「人の死を... 続きをみる
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今年は2月2日が節分になります。恵方は西南西です。チラシに恵方巻の宣伝が載るようになると思い出すお葬式があります。お顔の両側に、太く真っ黒な巻き寿司を置いたお婆ちゃんは、ゆっくりと火葬炉に入っていきました。恵方巻きの起源については諸説あります。大正時代に大阪の花街で節分に海苔巻きを食べて縁起を担い... 続きをみる
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お葬式にお坊様を呼ばない「お寺離れ」がすすんでいるとマスコミ等では言われています。それでも実際は、親戚や参列者の手前、お寺の読経が無いお葬式は考えられないと思う方も多いのです。仏教は信じていなくても御経を唱えてくれるお坊様を呼ぶことでお葬式への安心感と達成感が味わえます。やはり満足感を味わうお葬式... 続きをみる
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病院の霊安室からまだ暖かいご遺体をストレッチャーに乗せ換えて、搬送車をご自宅へ走らせます。葬儀屋は地場産業ですから地域内の家々の位置は頭に入っています。それでも大半のご家庭に上がり込むのは初めての場合が多いのです。ご自宅のお布団に安置してご遺体を綺麗な状態にした後でお打ち合わせを開始します。その時... 続きをみる
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警察から「ご遺体引き取り」の連絡が入ります。搬送車を警察署の裏手にある遺体安置室に横付けしてストレッチャーを引き出します。解剖台の上に全裸で横たわる死体が乗っています。病院で亡くなられてエンゼルケアを済ませた綺麗な状態の死体に対面することは出来ません。たいがいは目を背けたくなるような損傷や腐敗が進... 続きをみる
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ムラゴンの皆様は、ご両親を送られたお葬式の時に故人が左手の薬指にはめていた結婚指輪をどうされたか覚えていますか?葬儀屋は納棺時に火葬場からの注意事項を説明します。「金属類はご遺骨に色がつきますから、入れられません」そうなるとメガネ、ネックレス、ピアス等は外します。結婚指輪も金属ですから外すのが決ま... 続きをみる
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このブログを読まれている貴方がもし明日突然亡くなったと仮定します。現在、使用しているスマホ、パソコン、その中に入っている数々のデーターや写真、そしてネットバンク口座や、サブスクの契約、たとえば、このムラゴンのブログはどうなってしまうのか?を考えたことはありますか。 そもそも、皆様がこの世から突然い... 続きをみる
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身近な人との別れは急に来ます。残された家族は死去を悲しむ間もなくお葬式の準備に追われます。最初に考える問題が費用です。お葬式にはある程度のお金がかかることは知っていますが、実際にどのくらいの出費になるかは見当もつかないと言う人が多いのです。株式会社NEXERが調査した「葬儀の費用」のアンケート結果... 続きをみる
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厚生労働省の2023年人口動態統計で、自宅において不慮の事故で亡くなった人の数は16050人と発表されました。 2023年に交通事故で亡くなった人は3573人、約4.5倍の人が家庭内事故で亡くなったことになります。家庭内事故死で最も多かった死因は溺死です。そして死者の9割以上が65歳以上の高齢者で... 続きをみる
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24時間365日休み無しが葬儀屋の仕事です。年末年始もゆっくりは出来ません。市町村にある火葬場は公営施設です。当然、年末から三が日にかけて休業します。その期間は火葬炉が使えません。ですが、亡くなる人は待ってはくれません。 都市伝説に病院では火葬場が休業しているお正月は死期が近づいている患者さんに強... 続きをみる
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このブログをご覧の皆様方、いつも開いて頂きありがとうございます。始めた時は葬儀屋の書くブログなどは、縁起でもないお葬式の話ばかりだから、誰も興味が無いだろうと思っていました。それでも終活ブームのこの頃ですから何方かの参考になれば幸いですし、お葬式を考えるお手伝いになればと思い直し綴り始めました。 ... 続きをみる
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お葬式を行う喪主様が戸惑われて、なおかつ、解りづらいのがお坊様に支払うお布施です。金額をお寺に直接伺うと、大概は「お気持ちで」との答えが返ってきます。この返答で支払い金額が解かる人は1人もいません。一万円札を一枚入れて「気持ちです」と渡したりしていたら、その後葬儀屋が呼ばれ「喪主にキチンと説明する... 続きをみる
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周りの景色がクリスマスの色に染まると思い出すお葬式があります。この「おくりびとの日記」を書くきっかけになった出会いでした。クリスマスまでは生きたいと願いながら旅立った、仏様がいましたと、皆様にもう一度お伝えしたくなり、再掲載させて頂きます。 打ち合わせの時に「納棺式で納めたい服や持たせたい品物があ... 続きをみる
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「やれやれ、やっと死んでくれた」火葬炉に入っていく棺を見送った奥様がポツリと呟いた一言でした。当然、周りの人には聞こえないように小さな声の囁きでしたが、一番傍に居た葬儀屋の私の耳には、届いてしまいました。炉の中に吸い込まれていく棺桶の中には長期の寝たきり生活を送った「姑」が眠っていました。死去迄の... 続きをみる
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ワイドショーが「墓じまい」を取り上げていました。そして取り出した、先祖のご遺骨を、なんと海にまく海洋散骨を勧めています。お墓を処分すると、どうしても出てくる、多くの遺骨の行き先に悩みます。ほとんどの方は、新しく納骨堂を探して永代供養の形で納骨をするか、合祀墓と呼ぶ、大きなお墓の下で複数の遺骨をまと... 続きをみる
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「俺の葬式には、坊主を呼ばなくていい。御経もなくていい。祭壇もいらない」「ローソクもいらない、線香もいらない。ただ、お前たちが手を合わせてくれれば良い」「家族で一言『さよなら』と言ってくれれば満足」と話をされていたそうです。遺言のような言葉のひとつ一つに故人様の強い遺志を感じました。故人のお考えを... 続きをみる
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お葬式には「涙」が付き物です。先日、韓国の方のお葬式をおこないました。参列者の皆様が故人を悼み激しく泣きました。遺族よりも激しく号泣する「泣き女」という職業もあるそうです。お葬式の時に大げさに泣き叫ぶのが仕事だそうです。弔問客として参列し、告別式や出棺の際に率先して号泣することで、他の参列者がつら... 続きをみる
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喪主様に渡した葬儀代金の請求書の金額欄には「1万円」と記入しました。過去最低料金の請求額です。私自身、ビックリしましたし困惑した記憶が残っています。 「葬儀屋さん、自分一人で親父の葬式をやっているのだが、病院から一人で運んだし、棺桶も買ってある。火葬場に行くだけ手伝ってほしい」 とんでもない電話が... 続きをみる
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お葬式を行うには、様々な係を決める必要があります。一番大事で最初に決める必要があるのは喪主様です。この方が決まらないと、お葬式の内容の決定が出来ません。家族以外の方が弔問に来られるお葬式ならば、受付を手伝う係の人が必要です。家族葬でも親戚が来るとかご近所が来るかもしれないと予想される場合は受付を設... 続きをみる
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参列者が焼香を捧げている祭壇には棺桶がありません。通常なら告別式の後は出棺になり、火葬場に向かうのですが今回は火葬炉の予約はしていません。そもそも棺桶に入れる死体が無いのです。「遺体が無い」状態でお葬式を行うのが可能なのかと疑問を持たれる方もいると思います。お葬式は死体が無くても出来るのです。 亡... 続きをみる
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都市部で火葬場の混雑が深刻化しているとマスコミが報道しました。それに伴い、ご遺体を長期の日数の間、火葬できない「火葬待ち」が問題になり始めました。通常であれば亡くなった翌日がお通夜式で、その次の日が告別式と火葬へ進む流れです。ところが火葬場の混雑が顕著になり、待たされる日数が最低でも一週間以上が現... 続きをみる
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実家に里帰りしたスタッフがしみじみと話し始めました。「久しぶりに母に会ったら、めっきり年老いていたのに驚いてしまった」話を聞いてみると、外出する機会も減り家に閉じこもり、趣味などに対しての欲も無くなり、元気も気力も失くしているように見うけられたとの事です。「いろいろと聞いていたらすごく切なく淋しく... 続きをみる
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ポストに入っている「喪中はがき」を手に取る季節になりました。内容が知人の親の不幸ですと、自分もその年代になったかと思い、これから書く年賀状の宛先リストから削除しようと考えながら家に入ります。本来、喪中はがきが届くケースは、故人とそれほど深いお付き合いではない方に向けてのお知らせでした。 ですが、こ... 続きをみる
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喪主様が「どうしても、勘弁してやってください」とお願いをしてきました。「亡くなった妻は閉所恐怖症でした。お願いだから棺桶には入れないでください」これは難しいお願いです。正直「どうしようか」と困惑しました。閉所恐怖症とは、狭い空間や密閉された場所に置かれると強い恐怖感を抱く不安障害の一種です。エレベ... 続きをみる
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このブログを見つけて頂いたムラゴンの皆様の中には、ご家族のお葬式を経験された方も多いと思います。お葬式を無事に終えた時に、何を感じましたか?「無事に送り出した」と安心された感情を想い出された方が多いと思います。皆様のお声を聴くと、死後の世界とか、あの世の事とか、来世の場所について考えた方も、多くい... 続きをみる
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先日、お勤めに来られたご住職の出来事です。大変なご高齢で周りの皆様からは「もう引退してもらおう」との声も上がっていると聞きました。ところが本人の頭には「引退」の一文字も考えにありません。檀家のお葬式の為ならば「這ってでもお勤めをする」と断言しているようです。本日のお通夜式にも、アチコチぶつけたよう... 続きをみる
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ほとんどのお葬式が家族葬の形になり始めました。ご存じの通り、参列者の少ない、ご家族と親戚だけで行なう、近しい身内のみのお葬式の形式です。昔はお葬式と言えば、ご近所、友人、会社関係と多くの弔問客が訪れる「人生で一大のイベント」とも名付けられる一般葬が多数派でした。それが、核家族世帯が増えて、ご近所の... 続きをみる
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外国人から見ると日本人の宗教に対する考え方は理解が出来ないと感じるようです。世界からは宗教に無頓着な国民と言われていると聞きました。日本人の人生は、小さい頃から神社のお祭りを楽しみ、結婚式は教会で行い、安産祈願は神社で祈祷し、大晦日は除夜の鐘、お正月は初詣、2月はバレンタイン、春と秋のお彼岸にはお... 続きをみる
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お葬式の連絡を受けても事情があり、どうしてもお通夜や告別式に出席不可能な場合も出てきます。そのような時は、すみやかに弔電を送りご遺族にお悔やみの気持ちを伝えます。しかし弔電はあくまでも略式の方法です。出来るなら後日に改めての弔問が良いでしょう。 始めて弔電を送る方は115番に電話をかけてNTTを利... 続きをみる
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その連絡は突然来ます。身内の死去を目の当たりにすれば、どなたも動転するのは当然です。少し落ち着くと「そうだ、お葬式だ」と我にかえります。いままでこのような経験の無い方は、葬儀屋探しをスマホやパソコンで探し始めます。「葬式」と打ち込むと検索欄のトップに出てくるのは「小さなお葬式」の広告です。このブロ... 続きをみる
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ムラゴンの皆様はそれぞれにお仕事をお持ちだと思います。リタイアされて悠々自適の日々と言われる方も、何十年と働いた上での現在があります。「食べるためにやむなく働いている」と言う人もおられるでしょうが、ほとんどの方は、自分の仕事が好きだからとか、働き甲斐を見いだせるとか、働く仲間と過ごす時間が楽しいな... 続きをみる
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ムラゴンの皆様の中で、目の前で「看取り」を経験された方はどのくらいおられるのでしょうか?看取りとは、無理な延命治療などは行わず、弱った方が自然に亡くなられるまでの過程を見守ることです。「看」という漢字には「よく見る」「見守る」という意味があります。人が亡くなる瞬間まで傍で立ち会うことを「看取る」と... 続きをみる
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旅立った家族の四十九日法要を済ませたご遺族からこんなお話しを伺いました。「先日、墓地購入のために見学に行った。しかしお墓の向きが気に入らないのだ」ムラゴンの皆様は、新しくお墓を建てる時にお墓の向きを気にかけた記憶がありますか?大概の人は、隣のお墓と同じに方向で建てたので気にしなかったと言われます。... 続きをみる
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皆様は火葬場に行った経験がありますか。ご家族や親戚のお葬式に参列された方は出棺の後に火葬場に同行して、棺を火葬炉に納め、お骨になるまで待機し、炉から出た白骨を全員で収骨した流れを想い出したはずです。火葬場は公共の施設です。地域によっては、古びて黴臭い施設もあり、最新式のピカピカの建物もあります。 ... 続きをみる
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あなたは亡くなりました。三途の川を渡りきるとそこが閻魔大王の居る裁判所です。閻魔大王は地獄を作った神様で、死者の魂を裁く裁判官として知られています。閻魔の名前は古代インドの神様「ヤマ」からきています。ヒンズー教ではヤマは人間として最初に死んだ人で、その後死人の国の王様になりました。閻魔大王は仏教で... 続きをみる
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仲良く老後を楽しんでいた高齢者夫婦の奥様が急性心不全を起こして突然亡くなりました。喪主を務めるご主人が「祭壇に飾る花を、妻の好きだった彼岸花でお願いします」と頼んできました。彼岸花(ひがんばな)はお彼岸を待っていたかのように咲く花です。長い茎が伸びた先に赤や白のカールした細い花がつきます。とても可... 続きをみる
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弊社と同じ市内に新しい葬儀会館がオープンしました。少子高齢化社会がすさまじい勢いで進み、多死社会と言われる現在です。火葬場は予約が取れない程混みあい、亡くなっても数日間は火葬が出来ない状況になりつつあります。こうなると葬儀屋や葬儀会館が新しく開業するのは、住民にとってサービス向上につながりますし、... 続きをみる
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誰もが納得をするご高齢で、死因が老衰で眠るように亡くなるお葬式があります。送るご家族の雰囲気は悲しみの中「ここまでお世話が出来た」の満足感が漂います。その反面、お子様が亡くなるとか、故人がとても若くて、亡くなるとは思いもつかない年齢での旅立ちは、喪家様の悲しみと嘆きも大きくなります。寿命の短い旅立... 続きをみる
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お葬式に参列したことがある方は静まりかえったホールに流れるナレーションを聞いた記憶があると思います。お通夜や告別式の開式前に司会者から弔問の皆様に故人様を思い出す文面を語りかけます。弔問に来られた皆様の意識を、これから始まるイベントに気持ちを集中させるための目的がナレーションにはあります。 心を打... 続きをみる
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終活を考え始めると大部分の人は最初にエンディングノートを購入して記入する作業を考えます。終活セミナーでもエンディングノートを書いてみたいという相談が増えています。終活という言葉が生まれ、マスコミが周知に披露して、自分の最期や自身のお葬式を考える人が多くなりました。その結果、エンディングノートが考え... 続きをみる
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葬儀会館のホールを掃除しています。必ずと言っていいほど「お数珠の珠」を拾います。弔問の参列者の中で、持って来た数珠の紐が切れて球をホールの床にバラ撒く人の名残です。周りの方が手伝って拾ってくれますが見落とされた一つが寂しく残っています。久しぶりのお葬式にタンスの奥から年代物のお数珠を持ってくる時は... 続きをみる
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貴方は「今日が最期の食事になります」と言われた時に何を食べたいですか?今回の仏様は、棺桶の中に「食べたかったラーメン」を入れてもらい、火葬前に味わいながら極楽へ向かったお爺ちゃんです。地元で美味しいと評判の中華屋さんのラーメンでした。そのお店のラーメンが大好きなお二人は、お元気な時はご夫婦で週に一... 続きをみる
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葬儀屋は地場産業です。新しい会館がオープンするとか、老舗の葬儀屋が店を閉めた等の地域の動静が気になります。たまにネットで「小さなお葬式」を検索します。紹介先に地元の葬儀屋が掲載されているかを調べます。過去ブログでも触れているように「小さなお葬式」は葬儀屋ではありません。葬儀屋の紹介斡旋業なのです。... 続きをみる
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前回「葬儀屋で働いてみたい人」への応援ブログをアップしたところ「参考になった」等の感想を頂きました。少しでもこの業界が盛り上がれば嬉しいと思い書き込んだ内容です。今まで弊社も沢山の方を面接して採用してきました。本人の努力で一人前になって仕事を任せられるようになった従業員も多くいます。しかし、中には... 続きをみる
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若者が働きたい職種に葬儀屋が取り上げられていました。この仕事は「究極のサービス業」と言われます。冠婚葬祭に興味を持つ若者が増えるのは嬉しいことです。特にこれから多死社会に進む日本では葬儀屋は未来がある業種かも知れません。しかし世間の印象が良い職業とは言えない状況もあります。葬儀屋に対して良いイメー... 続きをみる
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怖い話を好きな方がいます。葬儀会館も魔訶不思議な現象が起こる場所と言われます。「葬儀屋さんは幽霊を見ますか」と真顔で質問されたこともあります。おかしな噂が出ては困りますから即座に否定しました。それでも「何かが居るかもしれない」と思いあたる事はあります。参列者が帰り誰もいなくなったお通夜の深夜です。... 続きをみる
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お布施とは、お葬式や法事でお勤めをして頂いたお礼としてお坊様に渡す金銭です。労働の対価や給料とは違うので金額に明確な決まりはありません。あくまでも「お気持ちで」なのです。ですが、結構な金額を請求されて現金一括で支払います。過去ブログでもお布施を題材とする内容を綴りました。その都度、ムラゴンの皆様か... 続きをみる
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納棺式が終わり、皆様が棺桶を覗き込みます。「綺麗になったね」「美しいお顔で旅立ちだね」「今までで一番、美人さんになった」いろいろな感想が聞こえます。死に化粧をお手伝いした「おくりびと」にとって、一番働き甲斐を感じる瞬間です。 死に化粧とは、ご遺体の表情、髪、身だしなみを整えて化粧を施すことです。生... 続きをみる
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一般弔問客が多く参列するお葬式の受付で慌てる人が次々と出る場面があります。キリスト教のお葬式と、神式のお葬式です。会社関係などで訪れた弔問客の中には故人の宗派などには関心を持たずに葬儀会館に来られます。いつもと同じ仏教のお葬式だと思いこむのです。受付に来て初めて「本日のお式はキリスト教です」とか「... 続きをみる
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お盆の正式名称は盂蘭盆会(うらぼんえ)又は盂蘭盆(うらぼん)です。この呼び方は「盂蘭盆経」(うらぼんきょう)という御経の名前が由来です。旧暦と新暦の違いと地域によってお盆の時期は異なります。関東は7月15日が多いのですが、農業が盛んだった地方部では7月の農繁期にお盆の行事をおこなうことが難しく、そ... 続きをみる
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葬儀組合の会合で話題になる項目があります。それが「火葬まで待たされる日数が増えてきている」です。少し前までは、亡くなったら病院からご自宅に搬送し、その日にご自宅での仮通夜を行いました。翌日が葬儀会場でのお通夜式、そして次の日が葬儀式及び告別式と進行して、火葬場に向かい火葬になりました。亡くなってか... 続きをみる
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いつもの「いらっしゃいませ」が聞こえてくるような雰囲気でした。しかし、カウンターの内側で働くご主人の定位置に安置されていたのは白い骨壺でした。そして、皆さんに微笑んでいるのは、もう何も言わなくなった遺影写真でした。それでも、参列者の皆様は、いつもの席で、いつものように飲んで、いつものように好みのお... 続きをみる
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この頃、心が痛む新聞記事を見つけることが多くなりました。自宅で亡くなった高齢の親の遺体を放置したとして、同居する中高年の子が死体遺棄容疑で逮捕される事件です。80代の親が、ひきこもり状態などにある50代の子を養う「8050問題」が背景にあるとみられます。近頃ではこれが「9060問題」に移行していま... 続きをみる
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終活セミナーでよく聞く言葉があります「私の葬式は、しなくていいから」です。お葬式をしなければならないと定めた決まりはありません。お葬式をしなくても法律上は問題ないのです。ただし亡くなった人に気がついたら、ご遺体を速やかにかつ適切に処理しなければいけません。さもないと故意に放置したとして死体遺棄罪に... 続きをみる
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葬儀屋との打ち合わせで半分パニックの時に「すぐ用意してください」と言われて必死であちこち探し回るのが、遺影写真を作るための故人の顔写真です。高齢になると一人の写真は20年以上撮ったことが無いと言われる場面にも出くわします。その結果50年以上も前の結婚式の写真とか、殺人犯みたいな顔で写っている免許証... 続きをみる
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遺影写真にはお祭りの法被をいなせに着込んだ写真が使われました。晩年は町内のお祭りごとの責任者として活躍した日々でした。町内会の役員を始め、消防団の団長を務め、祭りの台車の引き回しには運営委員長として欠かせない人材でした。花火とお祭りが大好きだった一人のお爺ちゃんが皆様の涙で送られたお葬式です。 花... 続きをみる
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テレビ番組が怪談話や心霊特番を取り上げる季節になりました。この時期になると幽霊とか怪奇現象の話題を好む方が増えるように感じています。見学者からよく受ける質問があります。「葬儀会館の雰囲気は、なにか不気味ですよね。やっぱり幽霊が出るのですか?」 (又その質問か)と心の中でつぶやきます。たしかに亡くな... 続きをみる
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先ほどまでポツポツと降っていた雨がお通夜の開式時間が近づくと止みました。まるで会葬者の皆様が濡れないように心を配ったと感じました。お通夜が終わり家族だけが棺の周りを囲むころまた強く降り出しました。最後のお別れを惜しむ故人の涙のようです。翌日の告別式の日も、どんよりとした今にも一雨来そうなお天気でし... 続きをみる
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お葬式には、さまざまな出費がかかります。初めて、お葬式を行う喪主様が一番戸惑われて、なおかつ一番解りづらいのが「お布施の金額」です。ご存じのようにお布施とは葬儀や法事の時にお寺様に手渡す謝礼金のことです。金額をお寺様に直接伺うと、大概は「お気持ちで」と答えが返ってきます。この答えで中身をいくら用意... 続きをみる
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先月、ご葬儀を終えた喪家宅に後祭り祭壇の引き上げにうかがいました。飾り段の上に、故人のお骨の入った大きな骨壺と、その横に一回り小さい骨壺が並んで置いてありました。喪主様が話し始めました。 「葬儀屋さん、この小さいほうの骨壺は可愛がっていた犬のお骨なのです。故人と一緒に埋葬してあげようと思い、今、墓... 続きをみる
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お葬式の後に「ドッと疲れが出て寝込んでしまった」というお話を聞くことが多くなりました。送り出す家族の高齢化が進んでいるのも原因の一つだと思います。お葬式を済ませた後は、年齢の若い方でも疲労困憊になる方が大部分です。弔事は急に訪れます。思いもよらぬ出来事に精神や肉体がついていかないのです。 特に事故... 続きをみる
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その日はいつもと変わらない日常でした。母親が部屋の隅で遊んでいた女の子に目をむけると倒れて意識がないのに気が付きました。すぐに救急車が呼ばれ救急搬送されて集中治療室へ入院、懸命な延命治療が行われましたが、そのまま一度も目を開けることはありませんでした。原因不明の心不全と診断された突然の別れでした。... 続きをみる
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孤独死と聞くと、どんなイメージを抱きますか?ほとんどの方が孤独死だけは避けたいと願います。その理由の大きい部分を占めるのが、死んだ後の身体が長く発見されない恐怖があります。腐って見つかるのだけは絶対に避けたいと望むのです。独りぼっちで死ぬことよりも恐れるのが、周りに気づかれずに身体がグジュグジュに... 続きをみる
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「四十九日の法要が終わりました」との連絡を頂きました。後祭り祭壇を引き取り片付けるのでご自宅へ向かいます。飾り壇の上にまだ遺影写真と骨壺が置いてありました。通常四十九日が終わり、しばらくするとお墓に納骨をする喪家様がほとんどです。何気なく「お墓に納めるのはいつ頃ですか」と尋ねてしまいました。田舎の... 続きをみる
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仏式でお葬式や法要を行う際に一番お世話になるのがお坊様です。しかし日頃から面識やお付き合いがある方は、ほとんどおりません。お葬式で初めての対面も多いのです。誰もが出来れば失礼の無い対応をしたいと思います。そこで質問されるのが 「呼ぶときは『お坊さん』で良いですか?なにか敬称とか名称とかあるのですか... 続きをみる
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火葬炉に飲み込まれていく棺桶を見送るのは、葬儀屋の私とヘルパーさんの二人だけでした。亡くなったお爺ちゃんは長期間生活保護を受けていました。独居の生活保護の方が死去すると役所は戸籍を辿り関係者を、とことん探しだします。お葬式と相続をさせるのです。しかし苦労して見つけ出し連絡を取ってみても、ほとんど全... 続きをみる
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葬儀会館で一番使われる言葉があります。それは「ご愁傷様」です。亡くなった方のご遺族に対してお悔やみの気持ちを伝える時に用います。通夜式や告別式の場で対面する基本的な挨拶言葉として最も多用されています。「ご愁傷様」の「愁」は憂いの心情を「傷」は痛みを表しています。続けて使う「愁傷」とは心の傷を憂いて... 続きをみる
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本日のお坊様の宗派は臨済宗です。このお坊様が御経を読む時に、葬儀屋の私がひそかに楽しむ場面があります。ご参列の皆様が悲しみのどん底にある時に葬儀屋が「楽しみ」などと言うのは極めて不謹慎な考えだと責めないでください。決してお葬式の施工を楽しんでいる訳ではありません。しいて弁解するなら、自分だけが知っ... 続きをみる
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火葬炉の扉がゆっくりと開きます。待合室に連絡が入り集まったご遺族の皆様が凝視するなかで静かに白骨が姿をあらわします。炉からお骨が出てくる瞬間は、全員に一瞬緊張が走ります。もし黒焦げ半生の死体が出てきたらどうしようと思うようですが、ホラー映画ではないのでご安心ください。火葬場の職員さんは、絶えず小窓... 続きをみる