おくりびとの日記

数多くの仏様を成仏させた「おくりびと」が、お葬式の出会いを綴ります。終活の参考になれば幸いです。

2022年11月のブログ記事

  • なぜ死ぬかと疑問の方へ

    毎日のように、人の死と向き合っていると、単純な疑問が湧きあがってきます。人は、なぜ死んでいくのかと言う問題です。お葬式の現場では、よく「寿命だから」と言われます。医学や科学の進歩で寿命は止められないのでしょうか?厚生労働省の発表によると2020年の日本人の平均寿命は男性81.41歳、女性87.45... 続きをみる

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  • 印鑑が不要になったのに

    世の中、キャッシュレスが驚くほどのスピードで進んでいます。スーパーなどのレジでも「クレジットで」「ペイペイで」「スマホタッチで」と声が続き、たまに高齢者が財布からモタモタと現金を出そうとすると、後ろに並んでいる人から、舌打ちが聞こえる有様です。 キャッシュレスと共に進んだのが書類の捺印不要の流れで... 続きをみる

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  • 喪中はがきが届くこの頃

    喪中はがきがポストに入る季節になりました。家族だけで見送る家族葬が多くなり、親戚の死去を一枚のはがきで知る人も多くなりました。本来、喪中はがきとは故人とそれほど深いお付き合いではない方に向けてのお知らせでした。ですが、この頃は親しい人の死去を、このはがきで突然に知るのです。お葬式を家族のみで済ませ... 続きをみる

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  • 家族で奏でる葬送の調べ

    ご自宅のリビングの壁には小さな時からの発表会の写真やコンクール入賞の賞状が一面に飾られていました。故人のお葬式の内容で、ご家族が提案してきたのは「小さい時から応援してくれたお婆ちゃんを私達の演奏で送ってあげたい」「母との別れは御経でなく音楽でお別れをしたい」「お婆ちゃんの大好きだったメロディ―や思... 続きをみる

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  • 育てた花に囲まれた仏様

    皆様がイメージをするお葬式の式場とは、正面に白木祭壇が置かれ、両側に名札を立てた供花を飾って彩りを添える会場だと思います。しかし、この頃は仏式でも祭壇を無くしてしまうとか、小さな掛け軸を飾るだけの省略化が進んでいます。白木祭壇にかわり人気が出たのが花祭壇です。中でも生花をふんだんに使ったものは生花... 続きをみる

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  • 亡者が参列していました

    「信じるか信じないかはあなた次第です」このフレーズはオカルト特集や恐怖映像の番組でよく使われます。葬儀会館も魔訶不思議な現象が起こる場所と言われ、参列者の中には気味の悪い場所と感じる方も多いのです。過去にも「葬儀屋さんは幽霊を見ますか」と真顔で質問されたこともあります。おかしな噂が出ては困りますか... 続きをみる

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  • 神道はハレ仏教はケガレ

    寝台車を走らせていると窓から着飾った親子が見えました。この時期は七五三のお参りを見かけます。お宮参りや七五三の前に、新たな命を感謝しお腹の子が無事生まれてくることを願う水天宮での安産祈祷もあります。考えてみると、我々の生活には、結構神道の行事が多いのに気がつきます。神社にはあまり関心が無いし、神様... 続きをみる

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  • 故人の住民登録はどちら

    電話口のお客様は迷われていました。「先ほど、母親がお世話になっている介護施設から、亡くなったと連絡がありました。我々は少し離れた地方に住んでいるのでこれから向かうのですが、介護施設のあるところでお葬式をした方が良いのか、連れて帰って私の住むところでお葬式をした方が良いのか、事情が解かりません。葬儀... 続きをみる

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