おくりびとの日記

数多くの仏様を成仏させた「おくりびと」が、お葬式の出会いを綴ります。終活の参考になれば幸いです。

2022年9月のブログ記事

  • もとの顔に戻して下さい

    お昼前にご遺体引取りの電話が入りました。 向った先は救急救命センターです。集中治療室の端のベッドに、まだ若いおばあちゃんが横になっていました。頭とお顔が包帯でグルグルと撒いてあり、真っ黒なクマに縁どられた眼だけが覗いています。喉には大きな穴が開けられていました。ベッド脇に呆然と立っていた息子さんが... 続きをみる

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  • 自宅で看取られる人には

    葬儀屋の宿命は、愛する人を亡くした直後のご家族に対面することです。お会いする場面のほとんどが病院のベッドの脇か霊安室です。ご家族の皆様の感情は、驚愕、慟哭、呆然、困惑です。ところが、穏やかな感情で、静かに故人の死去に向き合っている家族にお会いできる場面があります。それは、最後まで自宅で家族に看取ら... 続きをみる

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  • 家族葬で最初に悩む事は

    家族葬を行う喪家様が最初に考える事があります。それは参列者をどこまで呼ぶかという判断です。家族葬という名前から、ご家族だけで行なうと決める方は少数です。これからのお付き合いを考えると、親戚一同に連絡をせずにお葬式を行った場合、知れた後の反響を恐れるのです。ですから家族葬と名がついても親族の参列は必... 続きをみる

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  • なぜお寺離れが進んだか

    コロナ禍で火葬だけのお葬式が急速に増えました。お葬式に必ずあったお通夜や葬儀告別式の宗教的儀式を一切行わず、火葬場で短時間の対面をして火葬と収骨を行うものです。「直葬」「無葬」とか「火葬式」と呼ぶ葬儀屋もいます。ご遺族は火葬時の立ち合だけで、ゆっくりとお別れをする時間や読経と焼香などの儀礼は一つも... 続きをみる

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  • 死体の顔は変わるのです

    亡くなった方を病院から搬送してお布団に安置します。お顔やお身体が柔らかい内に出来るだけの処置をします。亡くなると身体の筋肉が固まる死後硬直が始まります。死亡直後から始まる硬直は12時間を過ぎるとピークを迎えます。こうなると手指を胸元で組ませるのがとても困難になります。お顔の硬直は下あごから始まりま... 続きをみる

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  • 貴方は守護霊を信じるか

    突然「葬儀屋さんあなたには良い守護霊がついていますね」と言われて、ビックリしました。皆様は、あの世にいる「あなたの分身」である守護霊を信じますか?その方が言うには、 「人間には一人ひとりに、それぞれ守護霊という存在がついています。守護霊とは先祖の霊などではなく、あの世に残っているあなたの一部であり... 続きをみる

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  • 何故自殺をするのですか

    葬儀の仕事に就いてから知って驚いたことがあります。自殺で亡くなる方がとても多いことです。このブログでも自死遺体の旅立ちを多く綴っています。メディアでは自殺を減らすために心のケアをする活動とか命の大切さを啓蒙する広報が行われていますが、残念ながら、せっかく減少傾向にあった自殺者数の推移がコロナ禍に入... 続きをみる

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  • 手で棺を運んでください

    告別式が進行し出棺の時間になります。「お棺に手をかけ皆様で持ち上げてください」と促します。家族や親族の中から屈強な男性が6人程出てきて、故人が眠っているお棺の四隅と真ん中の底に指をかけて持ち上げます。成人男性が入っている棺桶は100キロ近くになることもあります。指先をかけるだけで不安定で持ちにくく... 続きをみる

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  • どうしてもお別れしたい

    深夜一人で訪れた白髪の老人は、蓋を開けた棺の前でゆっくりと膝を折り正座をしました。そして、こうべを垂れていつまでも動きませんでした。その人が葬儀会館を訪れたのは通夜の準備をしている午後でした。 「〇〇さんのお葬式はこちらでしょうか」前日の喪主様との打ち合わせで、出席は家族だけの家族葬で行なうことが... 続きをみる

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