葬儀屋からのアドバイス
葬式の話しなど縁起でもないと言わないで下さい。
どなたも、一生に一回は、ご自分を含めて経験なさるのです。
しかし昨今、核家族化も進み、ご近所とのお付き合いも薄れ、
ご葬儀の知識を持つ方は、非常に少なくなってきました。
先日、親を亡くして、お葬式を無事に済ませた知人は、
「葬儀とは究極の衝動買い」
であると言い切りました。
身近な人の死は突然にやってきます。
心積りをしておいても、いざとなればあわてるものです。
悲しみにくれる間も無く、葬儀社との商談が始まります。
親族からの電話が次々とかかる中、お葬式という買い物は
時間の制約を受けながら、次々と決定されていきます。
出されるパンフレットを比べる余裕はありません。
世間相場も解かりません。
それなのに、祭壇、棺、骨壷など何万、何十万という品物を次々と
選ばなければなりません。
ともすれば、「中の上で」とか「お任せします」となりがちです。
葬儀社への支払いは、17年度調べの全国平均で195万、これに香典返し、仏壇、
お墓などを合わせると300万を超える大金となります。
決して安い買い物ではありません。
葬儀社には、まかせっきりのありがたさはありますが、
6割以上の方が「高かった」と答えています。
残された遺族が大きな散財をしないためにも日頃から、
お葬式について話し合ってみてはいかがでしょうか。
故人がどのような別れを望んでいたのかを知るだけで無駄な出費が省けるのです。
明細を提示して丁寧に説明してくれる良心的な業者も、探しておけば、
納得のいく葬儀が行なえます。
高齢化社会で、故人はもとより、喪主も退職している場合が少なくないこの頃、
参列者の数は減る傾向にあります。
義理で顔を出す職場や取引先の人が少なくなってきているのです。
自らの有終の美をどう飾るかを、「縁起でもない」といわずに、
元気で丈夫なうちに考えてみてはいかがでしょうか。