おくりびとの日記

数多くの仏様を成仏させた「おくりびと」が、お葬式の出会いを綴ります。終活の参考になれば幸いです。

2023年9月のブログ記事

  • 彼岸花が好きな妻でした

    仲良く老後を楽しんでいた高齢者夫婦の奥様が急性心不全を起こし亡くなりました。喪主を務めるご主人がどうしてもお願いしたいと話されたのが「祭壇に飾る花を妻の好きだった彼岸花でお願いします」との一言でした。彼岸花(ひがんばな)はお彼岸を待っていたかのように咲く花です。長い茎がスッと伸びた先に赤や白のカー... 続きをみる

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  • 地域で違うお葬式の風習

    仏教には13宗56派あります。また神道やキリスト教などの宗教が混在している我が国です。江戸時代の幕藩体制では266藩がそれぞれに統治を行っていました。そして南北に長く山岳地域と沿岸地域や農村部と都市部と環境も変わります。こうした宗教、政治、地理的環境などから、お葬式というセレモニーは地域ごとで異な... 続きをみる

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  • お彼岸を知っていますか

    スーパーの棚に落雁(らくがん)などの供養菓子が並ぶとお彼岸の時期です。「彼岸」とは亡くなった後に住むと言われる極楽浄土の事です。いま我々が住んでいるこの世は「此岸」(しがん)と呼びます。迷いや悩みの多い世界です。亡くなった後、修行をしてたどり着く「彼岸」と呼ぶあの世には幸せな日々が待っているそうで... 続きをみる

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  • 葬式仏教は何故始まった

    宗教離れが進んでいると言われています。それでも約9割のお葬式がお坊様を呼んで読経を行い参列者全員で焼香をする「仏教の形式」で行われています。日本人の気持ちの中に根付くお葬式と仏教の関わりは、とても深いものだと感じます。 日本人がお葬式と仏教を結びつけたのは、歴史上のどの時代からなのでしょうか?鎌倉... 続きをみる

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  • 大人数が参列した納棺式

    少し前までのコロナ過時はいろいろな制約が起こりました。大人数が集まる「お葬式」も開催を控えるようにと通達が出ました。寂しい雰囲気の中で、送り出した仏様も随分おられます。参列者の人数でお葬式の内容を評価するわけではありませんが、その人の人生に関わった人達が多く集まり、感謝の気持ちで送りだす儀式のお手... 続きをみる

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  • 墓を持たない人が増える

    お寺の境内からお墓が無くなってきています。檀家を止めて先祖代々のお墓を「墓じまい」される方も多くなってきました。公営の管理墓地の募集広告も見なくなりました。これ以上の敷地が開拓できなくなり空いている墓地が無いそうです。遺骨になってからの終生の住み家である「墓石を立てたお墓」を整地して増やすことが難... 続きをみる

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  • お葬式トラブルあれこれ

    受注したお葬式が無事に終わると心の底から安心します。冠婚葬祭は何事もなく済んで当たり前の世界です。ところが仏教宗派の違いや、地域による異なる風習、お葬式特有のマナーや決まりごと、そして各人の考え方の違いもあり、結構事件簿に記載したくなるような出来事も多いのです。故人との別れを惜しみ、しめやかに執り... 続きをみる

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  • お通夜と葬儀式と告別式

    お葬式と聞くと「お通夜はいつなの」「告別式は何時からなの」と質問が出ます。お通夜とか告別式という言葉を知っている人は多いのですが、具体的にそれぞれの儀式の内容について詳しく知っている人は少ないのです。本来は告別式の前に葬儀式と名のつく大事な儀式があります。 まずは「お通夜」について知ってください。... 続きをみる

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