おくりびとの日記

数多くの仏様を成仏させた「おくりびと」が、お葬式の出会いを綴ります。終活の参考になれば幸いです。

2022年6月のブログ記事

  • 葬式には誰も呼ばないで

    火葬炉に入っていく娘さんの柩を見送るのは父親と私の二人だけでした。これまでも寂しいお葬式は何度か経験があります。行路病死人と呼ぶ身元不詳のホームレスを役所の担当者と見送る時とか、生活保護の世帯で家族がこない場合などは二人だけで立ち会いました。しかし今回は「故人の遺言で立ち合いは、私だけです」と最初... 続きをみる

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  • 開眼供養を行いましたか

    始めてのお葬式はどなたも大変な思いをされます。やっとお葬式が終わると皆様「やれやれ一段落」と思われますが、直ぐに49日法要がせまり、その間も銀行関係や土地家屋の相続の問題が持ち上がります。お葬式後もてんてこ舞いなのです。特に火葬場から持ち帰った骨箱を眺めて、皆様が改めて気がつくのが、仏壇とお墓の用... 続きをみる

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  • 故人の後を追ったペット

    一人暮らしのお婆ちゃんが亡くなりました。可愛がっていた犬が数時間吠え続けていたので、ご近所が見つけました。警察が連絡先を探しましたが、家族親戚が見つかりません。やっと連絡がついた遠い親戚は「関係が無いので役所にまかせます」と突き放しました。借家でお金になる家財も無く、葬儀代の持ち出しになると考え相... 続きをみる

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  • 戒名は無駄と思いますか

    お寺離れが進んでいます。日本人がお寺のお坊様に対していだく、ありがたい気持ちや、安心する要素が無くなってきているように感じます。多くの皆様の納得がいかない理由の一番が、お布施と高価な戒名料です。そもそも戒名とは何のために必要なのでしょうか? 簡単に言うと、戒名とは仏教の修行を終えた人につける呼び名... 続きをみる

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  • 娘を殺しましたと言う父

    「娘を殺しました」お迎えに伺った病院のベッドの脇にたたずむ憔悴した男性の言葉です。一瞬耳を疑いました。「まさか殺人」と頭の隅によぎりましたが、看護師さんが渡してくれた死亡診断書を確認して、父親の言葉を理解しました。死因は「悪性新生物からの多臓器不全」そして、その他の欄に「ターミナルセデーション処置... 続きをみる

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  • ドラマを見る夫婦の別れ

    葬儀屋は連日「夫婦の別れ」「親子の別れ」を目の当たりにする仕事です。毎回その場にはドラマが起こります。夫婦とは、婚姻届けを出した瞬間から、必ずどちらかが相手を見送る宿命を負います。妻を送り出す夫は、喪主と言うプライドもありお葬式の間だけはしっかりとしていますが、その後はボロボロになり壊れていきます... 続きをみる

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  • 名称の理解度を試される

    電話が掛かってきました「ガクフの葬式をしたいのだが」皆様はガクフと言う名称はご存じでしたか?漢字では「岳父(がくふ)」と書きます。わかりやすく言うと、配偶者の父親のことです。夫が妻の父親を指す言い方で舅とか義理の父と言うのが一般的な名称です。 「ご愁傷さまでした。ご尊父様がお亡くなりですね。どちら... 続きをみる

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  • お寺で葬式をしませんか

    近くのご寺院がリニュアールを機会に葬儀会館を建立しました。お寺が葬儀会館を作ってしまうと、葬儀屋にとって商売敵になると考える方もおられるかもしれませんが、逆に有難いことなのです。今までは弊社の会館がお葬式や法事で塞がっている時は、亡くなった人の連絡が入っても、日時を先に伸ばすか、他の葬儀屋に任せる... 続きをみる

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  • お地蔵様にご注意下さい

    街中を歩いてみると、交差点脇とか踏切の傍、そして道路の端に石で作られたお地蔵様を見つけることがあります。見かけた方が手を合わせている光景に遭遇した人もあるでしょう。親しみをこめて「お地蔵様」と呼ばれていますが、正式にはインド生まれの地蔵菩薩と言う仏様です。サンスクリット語ではクシティ・ガルバと言う... 続きをみる

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