おくりびとの日記

数多くの仏様を成仏させた「おくりびと」が、お葬式の出会いを綴ります。終活の参考になれば幸いです。

2023年5月のブログ記事

  • 葬式費用は高いと思う人

    コロナ過前は一般葬の平均費用は187万円かかると言われていました。100名以上が参列する大型葬になると費用は最低でも300万円以上に跳ね上がります。この頃の主流となった30名程の小規模な家族葬の場合でも平均費用は112万円とのデータが出ています。地域によって多少の前後はありますが、通常の家族葬の目... 続きをみる

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  • 認知症の爺ちゃんの奇跡

    85歳以上で4人に1人が発症する脳の病気があります。認知症です。脳の細胞の働きが悪くなる病気です。家族の顔がわからなくなり、過去の記憶が無くなり、自分の居場所を忘れ、手足の運動に障害が出ます。食事や排泄も難しくなり、日常生活に支障が出て、周りの家族はとても苦労をします。打合せを始めた喪家様ご家族は... 続きをみる

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  • 家族葬とはどう進めるの

    家族葬といってもお葬式の流れは一般の葬儀と変わりません。それでも利点を上げれば、家族だけの少人数で行いますから、形式的な部分を省略できるということだと思います。例えば服装です。家族以外の一般の参列者が多く来るお葬式では、どうしても正式の喪服が欠かせません。家族葬ではブラックスーツや略喪服の着用で済... 続きをみる

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  • 館内に流れたハワイアン

    納棺式の時に「これを一緒に入れてください」と家族から差し出されたのは、鮮やかな色調のパームツリー(ヤシの木)模様のアロハシャツでした。後で聞いたのですが、ハワイではヤシの木を葉・幹・実の全てを使う大事な植物と言うそうです。そのため命を守る木として、パームツリーの模様のアロハは守護神や家族愛の象徴と... 続きをみる

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  • 良い葬儀屋の条件は何か

    「どの様なお葬式を行うのが良い葬儀屋なの」このような質問を受けて一言で答えることが出来る同業者はいないと思います。とても難しい質問です。理由は考え方の違いでそれぞれのお葬式のスタイルがあり、そのお葬式を行った人は、価値観や感じ方が千差万別だからです。しかし皆様は「頼むなら出来る限り良い葬儀屋を選び... 続きをみる

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  • お一人様が遺言した葬儀

    故人は70代後半の女性のお一人様でした。教職に就いていたと聞きました。生涯独身を貫きました。両親や家族そして親戚関係もすべて亡くなっていて一人の旅立ちになることは覚悟されていました。一軒家にお住みでしたので、それなりに資産はあったようです。高齢で身体の衰えを感じた時、しっかりとした準備を進めて私共... 続きをみる

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  • 感情が見えない人が多い

    日本では約15人に一人がうつ病になると言われており、身近な病気になっています。うつ病を発症する人の多くは、感情を表わす事が無くなり病状が進むようです。この頃のお葬式で気になることがあります。強い悲しみを身体中から表現し、声をあげて泣く家族をほとんど見なくなったのです。昔から日本人のお葬式は厳粛な雰... 続きをみる

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  • 棺桶が二つ並んだお葬式

    葬儀屋は長年連れ添った配偶者との永遠の別れを、毎日のように目の当たりにします。一人残された者には深い悲しみや苦悩そして安堵など、夫婦の数だけ異なる別れがあります。夫婦とは他人同士の女と男が、なぜか一緒になり「妻」と「夫」という名前に変わります。そして相手を見送る立場になるのです。最期までお互いを愛... 続きをみる

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  • お一人様の旅立ちの方法

    家族や親戚などの身寄りのいない「お一人様」と呼ばれる人が増えています。結婚にご縁がなく独身で過ごされたとか、結婚していても子供に恵まれず配偶者も亡くなってしまい、親戚関係も交流が無いなど、いろいろなご事情がある様です。終活の相談でも「自分の葬式で知り合いの手を煩わせたくない」との理由で一人の旅立ち... 続きをみる

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