おくりびとの日記

数多くの仏様を成仏させた「おくりびと」が、お葬式の出会いを綴ります。終活の参考になれば幸いです。

2023年4月のブログ記事

  • 火葬炉の前の時間は大切

    スロープで横づけが出来る火葬場の玄関に霊柩車が着きます。火葬場職員さんが台車を用意して待っています。棺を移し火葬炉の前まで運びます。炉に入れる前に5分~10分程の時間があります。同行したお坊様が「炉前勤行」と呼ぶ御経を唱え、参列者が「一回焼香」と呼ばれるお香の儀式を行います。一人が一回なのは、香炉... 続きをみる

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  • 老老世帯が増えています

    少し前までは、お迎え時の対面やお葬式の打合せでお話をする時に、ご家族4~5人が待たれていてお会いするのが普通でした。それが、この頃はお迎えに行っても残された配偶者だけが待っている霊安室や、打合せを行う場が喪主となる配偶者のお一人だけで対応するなどの、老老世帯が非常に多くなりました。お子様がいても離... 続きをみる

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  • 死者に向き合い感じます

    皆様はお葬式に参列した事がありますか?棺の中で眠る故人に対面しましたか?そのお葬式で亡くなった方と自分との関係はどうでしたか?最愛の家族、あまり親しくなかった親戚、大好きだった友人、義理で出席していた会社関係、自分より年下又は年上でしたか?死因は知りましたか?老衰、病気、事故、自死、死に至る経緯も... 続きをみる

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  • 極楽へ転向された一年生

    お迎えに行く車から登校の列が見えます。身体に比べて大きく見えるピカピカのランドセルを背負った一年生が列の中央にいます。どうしても思い出す辛いお葬式があります。逆縁(ぎゃくえん)と呼ばれる親が子供を送る葬儀です。特にまだ小さい子が急に亡くなるお葬式は気が重い施行です。しかし、ご縁で繋がった仏様ですか... 続きをみる

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  • 妻に先立たれ壊れる生活

    夕方「胸が苦しい」と訴えた奥様は救急車の中で息を引き取りました。親戚付き合いが苦手でしたのでお葬式は家族だけで行われました。遠方に居住する一人息子さんのご家族が参列されます。憔悴した喪主様に息子さんが「オヤジ一人で生きていけるのか」と声をかけます。「大丈夫だ」と答える姿がカラ元気に見えました。葬儀... 続きをみる

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  • 法要をする人がいません

    お葬式が無事に終わり皆様ホッとなされます。その後、これから何に取り掛かろうかを考えます。近頃はエンディングノートの記入とか終活のアドバイス、相続の相談や断捨離などの情報が、テレビ、ネット、書籍で大量に流れています。残された家族はこれらの知識で死後の手続きに取り掛かります。ところがお葬式後に行う大事... 続きをみる

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  • 家族葬で大事なのは連絡

    ほとんどのお葬式が少人数で行われる家族葬になりました。参列者は家族と一部の親戚だけで行います。お葬式に来てもらう人選は喪主様の考えで決まります。血縁で繋がる親族と結婚で生まれた姻族の親戚から、どこまでの範囲で呼ぶかの選抜を皆様迷われます。結局先を考えて判断します。連絡先をこれからもお付き合いが続く... 続きをみる

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  • ラインでお悔やみは疑問

    喪主様と打ち合わせの最中です。先ほどから喪主様のスマホが鳴りやみません。特にLINEの通知音が「ライン」とか「ピロローン」とか、投稿が来るたびに叫びます。電話の着信も多く、結構大きめの音量でドキドキするような曲調の調べが、打ち合わせを中断します。突然の死去と言う通常ではない状況の中での打ち合わせで... 続きをみる

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