おくりびとの日記

数多くの仏様を成仏させた「おくりびと」が、お葬式の出会いを綴ります。終活の参考になれば幸いです。

2020年11月のブログ記事

  • 清めの塩をかけましたか

    お葬式に参列すると会葬御礼の挨拶状と一緒に小さな袋に詰められた「お清め塩」が配られることがあります。帰ってから茹で卵につけて食べようとは考えないでください。食用ではありませんと記入されています。中身は食塩ですから舐めても問題は無いのですが食品工場で作られていないので食用扱いになりません。社葬などの... 続きをみる

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  • DIYで葬儀を行います

    「葬儀屋さん、自分一人で親父の葬式をやっているのだが、病院から一人で運んだし、棺桶も買ってある。火葬場だけ手伝ってほしい」とんでもない電話がかかってきました。オイオイそれでは葬儀屋はいらないじゃないか、と突っ込むところですが、一応お話を伺いに、電話先のご自宅に向かいました。リビングに綺麗に背広を着... 続きをみる

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  • ノートに何を書きますか

    「葬儀屋さん、エンディングノートの書き方を教えてほしい」初老のご婦人が来社です。エンディングノートとは、自分が亡くなった時に備えて書くノートのことです。終活の勧めで作成される人が多くなりました。忘れたら困る大事な事柄の備忘録と同時に、自身の人生の最期をどう迎えたいかを考えるために書くノートです。 ... 続きをみる

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  • この宗教を誤解していた

    「エホバの証人の家族ですが、そちらでお葬式が出来ますか」電話先が聞いてきました。お葬式が行われる宗教は8割以上が仏式です。それ以外は神式、キリスト式、創価学会、天理教そして新興宗教と言われる幸福の科学や今回お話をするエホバ証人などがあります。 エホバ(ヤハウェ)とは全知全能の神のことです。イエスキ... 続きをみる

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  • 香典返しは何が良いのか

    一般参列者が集まるお葬式の受付では、ほとんどの方が「香典辞退」の案内を出します。家族葬はお身内だけの参列ですから、家族や親族の間では香典のやり取りが残っています。身内の絆を確かめるためと金銭的相互扶助の考えで、まだ習慣として香典があるのです。 お通夜や告別式の時に渡す品物が香典返しだと思われている... 続きをみる

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  • お葬式の時泣きましたか

    韓国の方が亡くなりました。韓国は儒教の国で、故人に最大限の敬意を表します。葬儀では日本式のお焼香を行いますが、その後で「クンジョル」と呼ばれる、膝を床に着けた深いお辞儀をします。参列者は焼香を終えると遺影に向かって膝をついて深く2礼をします。その後起立してもう一度1礼をします。また通夜式は弔問の時... 続きをみる

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  • 貴方が最後に食べるのは

    ご自宅に安置されたご遺体の枕元に一膳飯(いちぜんめし)が置かれます。一膳飯というのは亡くなった人にお供えするご飯のことです。お茶碗に大きく盛りつけて、真ん中に箸を立てます。一杯飯(いっぱいめし)とか枕飯(まくらめし)とも呼ばれます。山盛りの白米ごはんを出すのは、この世に別れを告げて、あの世へと旅立... 続きをみる

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  • どの死に方が幸せですか

    認知症の患者が多く入院している病院から、お爺さんを引き取りました。葬儀会館に安置して着替えをさせると、両手首に縛った後がありました。手足に拘束の跡があるご遺体は珍しくありません。認知が進みベッドの上で暴れて、手が付けられない状態とか、一日中徘徊して介護が出来ないなどで、最終的に縛り付けられたと思い... 続きをみる

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  • 安らかに眠るはおかしい

    お葬式の場では棺の中で横たわる故人やご遺族に参列者からお悔やみ言葉が掛けられます。 「この度はまことにご愁傷様でございます。心からお悔やみ申し上げご冥福をお祈りいたします。突然のことでさぞやお力を落とされていることと存じます。お疲れが出ませんようどうぞご自愛ください。」 ここまで丁寧には言いません... 続きをみる

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