おくりびとの日記

数多くの仏様を成仏させた「おくりびと」が、お葬式の出会いを綴ります。終活の参考になれば幸いです。

2022年5月のブログ記事

  • 申告すると貰える葬祭費

    お葬式を行うとお金がもらえる話をしましょう。香典の話だと勘違いしないでください。葬祭費と呼ばれる、市町村の役所から葬祭を行った方(通常喪主と呼ばれる人)に、およそ3万円~7万円程のお金が支給されます。しかし理不尽な理由で貰えない場合もあるのです。 申請の受付は、亡くなった故人の住民票があった市町村... 続きをみる

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  • 徘徊老人の最期はこうだ

    耳たぶは、かじられていて無くなっていました。唇も形をとどめていません。眼球も一つほじくられていました。前日の午後から行方不明になっていたお爺ちゃんは、朝方、畑の側溝に横たわっている状態で発見されました。犬の散歩に出た主婦が見つけ腰を抜かして警察に電話したそうです。近頃、野犬の姿はすっかり見なくなり... 続きをみる

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  • 貴方は副葬品に何を選ぶ

    納棺式を始めます。枕元に入れて欲しい品々がずらりと並べてあります。「困ったな」と心の中でつぶやきます。ご遺体を棺桶に収める納棺時に、一緒に入れる品を副葬品といいます。打合せの時に市役所からの「火葬時のおける副葬品の禁止事項」の紙を参考に渡してありますがほとんどの方は気にしません。亡くなった家族にあ... 続きをみる

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  • 前の人の真似をする焼香

    仏式のお葬式には必ずご焼香が行われます。焼香には線香に火をつけて香炉に立てるやり方と、このブログのプロフィール画像に使われている香炉の上の炭に、抹香をくべて煙をあげる方法があります。どちらもその香気によって仏前を清める為に行います。抹香の香りで故人の魂を静め、立ち上る煙で極楽への道標を示し、迷わず... 続きをみる

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  • 自宅逝去で一番大事な事

    終活セミナーとか葬儀相談を請け負うと「最後は自宅で死にたい」と望む人が多いことがわかります。しかし、この望みをかなえることが出来る人は、とても少ないのが現実です。1950年代までは亡くなった人の8割以上が自宅で最期を迎えていました。ところが、それ以降は病院医療が格段に進み、それに応じて自宅での逝去... 続きをみる

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  • 父と娘のカーネーション

    抑えた音楽が流れる中、父と娘の二人は、真っ赤なカーネーションを、一つ一つお顔の周りに置いていきました。通常、お棺に入った仏様の顔周りには、白い菊の花が置かれます。お顔周りを、真っ赤なカーネーションに飾られた、目を閉じた母親は、輝いて見えました。 母の日はアメリカから伝わった風習です。1905年5月... 続きをみる

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  • 自宅から担架が出ません

    昔は家を建てる時には、必ず葬儀が出来るように設計されたと聞いています。確かに古民家等は玄関がやたらと広く、奥の部屋までの導線にゆとりがあります。襖を外すと式場になる広間が広がります。現在の家にはこの考え方がありません。終末期医療が進んだ近頃はご自宅で逝去なさる方も増えつつあります。亡くなった後で、... 続きをみる

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  • 差し出されたランドセル

    お手伝いが辛いお葬式があります。逆縁(ぎゃくえん)と呼ばれる親が子供を送る葬儀です。特にまだ小さい子が急に亡くなるお葬式は気が重い施行です。しかし、ご縁で繋がった仏様ですからしっかりと送ってあげようと取り掛かります。逆縁のお葬式には、たとえ喪主でも親が火葬場に行ってはいけないという風習があります。... 続きをみる

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  • 家族葬で悩んだら一日葬

    ほとんどが家族葬になりました。しかし家族葬を選ぶご遺族が一番頭を悩ますのが、出席をお願いする参列者の選別なのです。家族葬の特徴は出席者を限定する点ですが、喪主が自由に参列者を決められる分、どなたまでに連絡して参加をお願いするかの線引きがとても難しいのです。中には家族葬の文字通り、同居している家族だ... 続きをみる

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