棺に入った小柄のおばあちゃんは、微笑んでいました。 喪主をつとめるのは、故人のお孫さんにあたる、白髪頭の初老の老人です。 「葬儀屋さん、この半紙を必ず入れてください。おばあちゃんがとても大事に していました。なんだか、これを持って行くと、会いたい全員に、 必ず会えると、何回も言っていまし... 続きをみる
2019年12月のブログ記事
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「この衣装を、棺に一緒に入れてください」 こう言って奥様が差し出してきた衣装は、真っ赤な服に白い縁取りのジャケットと ズボン、太いベルト、ボンボンのついた帽子、長靴、そしてフサフサの白く長い 付け髭、そう本格的なサンタクロースの衣装です。 いままで、いろいろな品物を仏様に持たせてきましたが、さす... 続きをみる
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「葬式なんて必要ない。面倒なだけだ。」 「葬式を行う意味が解らない。葬儀屋なんか帰ってもらえ」 打ち合わせの時の喪主様は、けんか腰でした。 それでも周りの家族・親族がたしなめ、多くの参列者で通夜が行われました。 通夜の語源は、釈迦が入滅した時に弟子たちが師匠の死を悼み、お説法を夜通し、 語り合った... 続きをみる
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葬儀屋が、初めてお葬式を出すご家庭にお寺の宗派を尋ねても、答えられなくて、実家や本家、親戚などに電話を掛けまくり、聞いてまわるケースは結構あります。 お寺とお付き合いがあり、自分の先祖からの宗教を知り、お葬式の時は頼むところが 決まっていると言う方はとても少なくなりました。 仏教には大きく分け... 続きをみる
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高齢の母親を送る通夜の席が始まろうとしていました。 突然、喪主をつとめている息子さんが、私に相談があると囁いてきました。 「実は、さっき父が入院している病院から連絡があって、今夜が峠だというのだ」 ということは、もしかして、今夜の峠を越えられないとすると、 葬儀が続いて出ることになります。 今夜の... 続きをみる
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