おくりびとの日記

数多くの仏様を成仏させた「おくりびと」が、お葬式の出会いを綴ります。終活の参考になれば幸いです。

死ぬまでにやりたいこと

終活ブームと言われています。本屋の店頭には老後生活に関する「ハウツー本」が並んでいます。「エンディングノート」も選ぶのに苦労するほど多種多様な品があります。「自分史」を書く人も多くなったようです。超高齢化社会の日本では、暇を持て余している高齢者に、あの手この手で売りつける商品が考え出されるのです。


旅立つ前に自分のエンディングや人生について考えたり振り返ったりするのがブームになっていますが、皆様は「バケットリスト」という言葉はご存じでしたか?


バケットリストとは、自分が「死ぬまでにやりたい100のこと」を書き出したリストです。なぜ100個も必要なのか?という質問の答えは見つかりませんでした。絶対に100個書かなくてはいけない訳でも100個以上書いてはいけない訳でもないです。あくまでも目安の数字で思いつく事を次々と書き出すのが目的のようです。


バケットは英語でbucketと書いて水を汲むバケツのことです。英語の慣用句で kick the bucket 「バケツを蹴る」というと「死ぬ」の意味のスラングになります。首をつって自殺する人が踏み台としてバケツや桶を伏せた上に立ち、それを蹴って死ぬところから「バケツを蹴る」のが「死」の意味になったとの説があります。


2007年に公開されたジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンが主演の映画「最高の人生の見つけ方」の元のタイトルは、まさに「The Bucket List」です。残された人生を充実したものにする方法として話題になりました。邦画も作られました。吉永小百合と天海祐希が共演され、ご覧になった方もおられると思います。


さて、バケットリストを作るのにルールはありません。先ずは自分の希望をずらりと書き出してみる事から始めます。映画では超お金持が次々と欲望をかなえますが、我々庶民は、先立つ物が無いので金額が張る願いは無理です。それでも、絶対出来ないことも書いてみるのも面白いです。できるかできないかは問題ではないのです。


これから残された人生が楽しくなるにはどうしたら良いのかを基準にリストに書き出してみましょう。100個書き出そうと思うと、結構些細な願いも書けるのです。
テーマを設けて個別に書き出すのも一つです。「やりたいこと」「趣味」「人間関係」「欲しいもの」などジャンル分けで、考えると結構たくさん書き出せます。


一度書いたものを定期的に見返して増やしていきます。見返してみると、その時の自分がやりたい事と今やりたいことが変わっている場合があります。そうなったら、書き足したりしながら更新していきます。幸運にも達成した項目は、チェックを入れ消します。ちなみに高齢者全員がリストの一番に書き込むのは「旅行」です。


このブログを見つけた大半の方は終活を考える年代になっていると思います。しかし、まだまだこれからの人生も長いはずです。今後のご自身の年代別にやりたい事を書き出してみると、この後の人生計画の参考になるかもしれません。


それではバケットリストを作ってみましょう。そして、来たる人生をより充実してみてはいかがですか?さて皆様はどんなことを書き出しますか?

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