おくりびとの日記

数多くの仏様を成仏させた「おくりびと」が、お葬式の出会いを綴ります。終活の参考になれば幸いです。

おくりびとの日記の新着ブログ記事

  • 町内全員の助け合い葬儀

    ひと昔前までお葬式は自宅で行いました。その時活躍したのは葬儀屋ではありません。 ご近所や町内の皆様です。町の世話役が総力を挙げて、他人である家族のお葬式を執り行いました。お葬式の知識は葬儀屋には負けないと豪語するご隠居もいたようです。 村八分との言葉を聞いたことがあると思います。仲間はずれの意味で... 続きをみる

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  • 極楽浄土を見学してみる

    あなたは生前に、殺生を一回もしませんでした。夜中にプーンと飛んできた蚊や地面を這っていた蟻も殺したことがありません。嘘は一回もつきませんでした。自販機の下に落ちていた10円も拾いませんでした。配偶者以外との行為を経験しませんでした。お酒は一滴も口にしませんでした。この人が亡くなると枕元に阿弥陀如来... 続きをみる

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  • この挨拶文で御礼は完璧

    出棺前の霊柩車の横に喪主様がマイクを持って立ちました。始めての葬儀の経験でした。 マイクを持つ手がプルプルと震えています。悲しみと緊張が伝わります。 「本日はご会葬を賜りましてありがとうございました。おかげさまで通夜、葬儀を、滞りなく済ますことができました。生前はご交誼にあずかり、本日は最後までお... 続きをみる

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  • 一度地獄を見学してみる

    人間の時に5つの戒律を破ると地獄行です。生き物を殺さない、嘘をつかない、盗みをしない、享楽に溺れない、酒を飲まない、どれか1つでも破った人への閻魔大王の判決は決まっています。となると、ほとんどの人間は地獄に落ちる可能性があるのです。 どうせ行くなら見学をしましょう。冥界には八個の地獄があることはご... 続きをみる

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  • 連絡を受けたら慌てない

    皆様方は、亡くなるとすぐに親戚中に連絡をし始めます。しかし東京等の大都市ですと火葬炉の予約が混んでいて1週間近く待たされることは日常です。火葬場の休日の友引を挟むと、最低3日以上葬儀の日が伸びることもあります。 亡くなった直後に連絡を受けたご親戚は、車や飛行機に飛び乗り、すぐにやってきます。 しか... 続きをみる

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  • 閻魔大王の裁判の受ける

    あなたは亡くなりました。三途の川を渡りきると、そこが閻魔大王の裁判所です。 閻魔大王は、地獄を作った神様で、死者の魂を裁く裁判官として知られています。 閻魔の名前は、古代インドの神様「ヤマ」からきています。ヒンズー教ではヤマは人間として最初に死んだ人で、死人の国の王となった神様です。 インド思想に... 続きをみる

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  • 火葬場へ行く前の出来事

    霊柩車の窓から見える歩道に一列に並んだ人波は、どこまでも続いていました。 故人の思い出の場所を通ってから、火葬場に行ってほしいとの希望は、たまにあります。 火葬炉に入れる時間が予約で決まっていますから、大回りで時間をかける余裕は、ほとんどありませんが、道順の途中でしたら、なるべく寄ってあげようと努... 続きをみる

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  • キリスト教式は素敵です

    キリスト教のご葬儀のお手伝いを終えました。キリスト教にはカトリックとプロテスタントがあります。聖職者の呼び方も、神父様、牧師様と違います。信者の葬儀はミサに通っている教会を使われることが多いのですが、今回は、お付き合いのある教会が遠方とのことで、私共の葬儀会館を使用されました。 キリスト式の葬儀依... 続きをみる

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  • 死出の旅はこんなに苦難

    あなたは亡くなりました。ふと気がつくと独りぼっちで、真っ暗な所にいます。 これより死出の旅へ出発します。極楽の入り口まで約800里。3200キロの旅路を7日間で歩くのですから、1日に約460キロを歩かなければいけません。 最初の難所が死出の山と言う険しい山道です。真っ暗な山道を独りで歩いて行きます... 続きをみる

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  • 身内の葬儀をする気持ち

    今回は私事を綴ります。このブログに目を通してくださるムラゴンの皆様方には、終活等の参考にはならない内容をお詫びいたします。 早朝に電話が鳴り、身内に不幸が発生したことを知りました。連絡をくれた家族は私が葬儀屋なのを知っていますので助けを求める内容でした。直ぐに仕度を済ませ車で向いました。 到着する... 続きをみる

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  • 白装束の旅支度で極楽へ

    病院から帰宅したご遺体は、まだ入院の時のパジャマか浴衣が着せられています。 このままでは可哀そうですから、白装束と呼ばれる仏衣に着替えさせます。白装束とは仏の弟子になるための衣装です。白装束の変わりに故人の希望だからとスーツやドレス、振袖などを出されることもあります。やむなく着せますが本音は避けた... 続きをみる

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  • 気に入りの遺影で残そう

    葬儀屋との打ち合わせで半分パニックの時に「すぐ用意してください」と言われて必死で あちこち探し回るのが、遺影を作る顔写真です。特に高齢になると写真は20年以上も撮ったことが無いと言われることも多く、50年以上も前の結婚式の写真とか、殺人犯みたいな顔で写っている免許証の写真を出される事態も起こります... 続きをみる

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  • 自殺者の葬儀は苦手です

    何故、自殺をするのでしょう? 動物の世界で、自殺をするのは人間だけだと言います。 葬儀の仕事を始めて、驚いたのは、自殺で亡くなる方が多くいるのを知った時でした。 日本では毎年2万人以上が自殺をしています。一日に60人以上が自分で命を絶っているのです。年代別死因では第一位になることもあります。 男女... 続きをみる

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  • 火葬炉の前には二人だけ

    行旅死亡人(こうりょしぼうにん)と言う言葉をご存じでしょうか?亡くなった方の、氏名本籍地 住所などが判明せず、かつ遺体の引き取り先が見つからない死亡者を指します。 例えば、ホームレスが路上で亡くなったとか、独居老人が孤独死で身元が分からない場合等です。親族が判明しても引き取りを拒否するケースもあり... 続きをみる

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  • 幸せをつかむのは難しい

    「他の人に比べて、私はなんて不幸なのだ」と嘆く方がおられます。 仏教では幸せになれない理由は、悪い行いをしているせいだと説いています。 不幸や悪い結果を生み出す、やってはいけない行動が10種類も我々にはあるのです。 まず身体から出てくる3種類の悪があります。次に口から出てくる4種類の悪もあります。... 続きをみる

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  • 自宅安置の方法教えます

    病院に伺い、ストレッチャーにご遺体を乗せて、最初にする質問があります。 葬儀会館へ運ぶか、ご自宅へ安置するか、の選択です。 自宅がアパートやマンションなどで搬入が難しいとか、周りの住民に知られたくない等の 理由で、葬儀屋の冷蔵庫に運んでくれと懇願される方も多いのです。 しかし、大半の家族は長期の入... 続きをみる

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  • 葬儀屋は幽霊を見ますか

    「お葬式をしていない時の葬儀会館は不気味ですよね。やっぱり幽霊とか出るのですか」 (又、その質問か) と心の中でつぶやきます。 会館見学をするお客様は、身近に葬儀が迫った方が大部分ですが、なかには興味本位の見学者も来られます。後者の方がよくする質問が、上記です。たしかに死体が毎日運び込まれる場所で... 続きをみる

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  • あなたの死に方はどちら

    さて、皆さんに質問です。 人の死に方には 二つの方法があります。さあ 何と何の死に方でしょうか? 考えてみてください。 ベッドで死ぬのと、畳の上で死ぬの、の二通り? 癌で死ぬのと、それ以外の病気で死ぬの、の二通り? 病院で死ぬのと、自宅で死ぬの、の二通り? 残念ですが、すべて違います。 ここで言う... 続きをみる

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  • 貴方の死ぬ時を教えます

    日の出までには、まだ数時間あります。深夜3時過ぎは、人通りが一番少なくなると言われています。この時間になると何故か電話が鳴るのです。 「亡くなったので、お葬式をお願いします。すぐに病院に迎えに来てください」 ほとんどの方は病院で亡くなります。お医者様が死亡を確認すると、その後看護師さんが エンゼル... 続きをみる

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  • 火葬にお金がかかります

    火葬炉の前では、ドラマが始まります。静かに手を合わせ見送る方が大部分ですが、参列者の中には、最後まで棺に手をかけ、炉の中に入れたくないと抵抗する方もおられます。それでも、扉が閉まり、中から「ゴォー」と火のつく音が聞こえてくると、参列者全員の顔に、なにか吹っ切れたような表情が浮かびます。 死者を火葬... 続きをみる

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  • 死人の顔が変わりました

    死後から人間の身体は筋肉が固まり始めます。死後硬直です。12時間を過ぎると、硬直は ピークを迎えます。こうなると手指を胸で手ませるのがとても困難になります。 その後、3日程経過すると徐々に硬直は解け始めてきます。 病室にお迎えにあがったとき、お顔には、まだ苦悶の表情が見て取れました。 目は、閉じて... 続きをみる

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  • 発声は乾杯ではなく献杯

    「それでは故人を偲んでグラスを掲げたいと思います。献杯」 喪主様の発声があり、お斎(おとき)の席が始まります。お斎とはお葬式が終わった後の 会食のことを言います。由来は、斎食(さいじき)という仏教用語で、戒律に従った食事 の意味です。 地方によってはこの会食を「仕上げ膳」とか「直会」(なおらい)な... 続きをみる

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  • 息子が11人に増えました

    病院の霊安室から亡くなった方を乗せて寝台車が出発する時でした。車の横に お医者さん、看護師さん、事務の女性など、10名程が見送りに出てきました。 動き出すと全員が深々と頭を下げてきました。このような見送りは初めてです。 通常、病院関係者の見送りは、看護師さん1人だけか、誰も出てこないか、 裏門を戸... 続きをみる

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  • 線香の煙は極楽へのナビ

    葬儀会館には特有の匂いがあります。お線香の香りです。残り香が強く、電車内などで、 喪服の方とすれ違うと、ほのかの匂うこともあります。 この香りは杉の木の匂いです。仏壇に使うお線香の作り方は、杉の葉を乾燥させて粉にした原料に、水と糊を加えて練り棒状にします。杉のヤニにより煙が多く出るため、宗教的な行... 続きをみる

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  • 一人足りない家族の食事

    必ず死は訪れます。大切な人を失った時は、どなたも大きなショックを受けます。 突然の死や、病気と闘った末の死や、天寿を全うした死でも、受ける衝撃に変わりません。死と言う永遠の別れには、どなたも心の準備が出来ていないのです。 打合せをするリビングのテーブルには6枚のテーブルマットが置いてありました。 ... 続きをみる

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  • お焼香は初めてなのです

    「これより、ご参列の皆様のご焼香をお願いいたします」 司会者の案内とともに、ご参列の皆様が、遺影が見下ろす焼香台へと歩み始めます。 焼香台の上には香炉が載っています。このブログのイメージ写真が香炉です。 この香炉を始めて見る方が結構おられます。皆様が知っている仏壇の香炉は、棒状の線香の先をローソク... 続きをみる

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  • お爺ちゃんの死因は縊死

    65歳以上の人口が、全人口に対して7%を超えると「高齢化社会」、21%を超えると「超高齢社会」と呼ばれます。日本は25年前から高齢社会になり、2010年に23%を超えて超高齢社会に入ったと言われています。80歳を越えてもまだまだ元気な超高齢者は、この日本には、 とても多くいらっしゃいます。 それで... 続きをみる

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  • お坊様はミュージシャン

    お葬式でお坊様が御経を読むときに、傍らで音を出しているのが、鐘(かね)と木魚(もくぎょ)です。鐘は合図を知らせる鳴り物として、木魚は御経を読むときのリズムを整える鳴り物 として使われる仏具です。 ホールに響く、張りのある声で読まれる御経にかぶさるように聞こえてくる木魚のポクポクの音色で、故人を偲ぶ... 続きをみる

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  • 娘から母へ、真紅の花を

    母の日のルーツは、アメリカの女性が亡き母を追悼するため、教会でカーネーション を配ったのが始まりのようです。日本では最初は3月6日を「母の日」としました。 昭和6年に結成された大日本連合婦人会が当時の皇后(香淳皇后)の誕生日の日を 母の日にしたのです。 享年40歳 仏様は若い母親でした。 立礼で、... 続きをみる

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  • 綺麗にチーンと鳴らしてね

    お葬式でお坊様が御経を読むときに、傍らで音を出しているのが、鐘(かね)と木魚(もくぎょ)です。鐘は合図を知らせる鳴り物として、木魚は御経を読むときに、リズムを整える鳴り物として、使われる代表的なものです。 鐘はお家に置いてある方も多いと思います。お仏壇の前に置いている、丸いお椀のような形をしている... 続きをみる

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  • 背中の親父は軽かったです

    昔は、家を建てる時には、必ず葬儀が出来るように考量されたと聞いています。 確かに古民家等は、玄関がやたらと広く奥までの導線にゆとりがあり、襖を外すと 大広間が広がります。 この頃、病院からストレッチャーに乗せてご自宅へ向かい、安置をするのに苦労する お家が増えてきています。 玄関が狭く、苦労して入... 続きをみる

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  • 一番の宗派はどこでしょう

    日本の仏教には、天台宗、浄土宗、浄土真宗、禅宗、時宗、真言宗、日蓮宗、 細かく分けると数え切れないほどの宗派が出てきます。 この中で、お寺の数が一番多いのが浄土真宗です。 お葬式に呼ばれるお寺様の割合も一番です。ほかの宗派は品格が高く、お布施も高価ですが、この浄土真宗は、お布施が庶民的なのも檀家が... 続きをみる

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  • あなたはどの棺桶を選ぶ?

    人生の最後に使用する家具が棺桶です。ご遺体を納めて葬るためのベッドです。 病院から搬送されて自宅のお布団で安置されているときは、まるで眠っているように 感じていたご遺体ですが、いざ棺に納まる姿を見て、 「本当にこの人は亡くなってしまったのだ」 と、皆様が実感するのです。 棺(ひつぎ)柩(ひつぎ)の... 続きをみる

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  • 13人の殉死者に囲まれて

    老人会で人気者のおばあちゃんのお葬式は友引の日に行われました。 友引は葬儀を行うのが嫌われます。 理由は、過去ブログの「友引は火葬炉が空いています」をご参照ください。 今回も出来るなら変更したかったのですが、喪主の仕事の関係と親戚の集まれる日が その日しかなく、やむなく友引の日が葬儀日となりました... 続きをみる

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  • 私の夫は風になっています

    少し前に「千の風になって」が大ヒットした頃、我々葬儀関係者は心配しました。 特に墓地販売、墓石販売、霊園関係者は死活問題だと大騒ぎになったと聞いています。 「私のお墓の前で 泣かないでください  そこに私はいません 眠ってなんかいません  千の風になって あの大きな空を 吹きわたっています」 これ... 続きをみる

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  • 霊柩車の助手席では

    「これより火葬場へと赴かれます。ご参列、ありがとうございました。」 クラクションが叫び声をあげ、霊柩車がゆっくり走りだします。 関東では霊柩車の助手席に、位牌や遺影写真を持つ喪主様が乗ることが多いのですが、  そのほかの地方では「野辺送り」の主旨から、後ろを続くハイヤーに乗車することが 通例です。... 続きをみる

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  • 総額20万以上が煙になった

    死因は肺がんでした。 入院中も看護師さんの目を盗んでは、煙草を吸いに逃げだして怒られていたそうです。 「愛煙家と言うより、ニコチン中毒と言ったほうあっている」 「死ぬまで煙草を吸っていたから、幸せな大往生かも」 「止めたらと皆が注意しても言うことを聞かない、しょうがない親父だった」 お葬式の前に家... 続きをみる

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  • ネットの業者は葬儀屋なの?

    いざというときに葬儀をしなければいけない場面で、皆様はどうしますか? 「まずインターネットを開き、葬儀屋を探す」と答える方が大部分です。 ネットの検索で「葬儀」を開いてみると、広告と検索上位に次々と並んで出てくるのが 全国展開をうたっている大手業者です。 でも、この葬祭業者が葬儀屋ではないことはご... 続きをみる

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  • 棺桶に入ったチョコレート

    未明に、病院にお迎えに伺いました。   お腹には、まだ、栄養チューブが、突き刺さっていました。 食べ物を、口から摂れなくなって数か月の、闘病生活でした。 「お酒が飲めないせいか、スイーツが大好きでした。もっと  ケーキやアイスクリームを食べさせてあげたかった」 砂糖水を凍らし、小さくした氷のかけら... 続きをみる

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  • 忌引き休暇を取りましたか?

    ご葬儀を出す家の玄関に忌中札を張り出す光景を前はよく見かけました。 忌中札とは家人が亡くなったことを知らせるために、門や玄関などに貼る札のことです。 この忌中札に、通夜・葬儀の日時と場所を明記します。 忌中は「死は穢れである」という考えから生まれた言葉です。けがれが他人に移らないように、自宅にこも... 続きをみる

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  • 台車の骨を綺麗に残しましょう

    火葬炉の扉が開いてお骨が出てくるときは、一瞬緊張が走ります。 もし黒焦げ半生の死体が出てきたら怖いなと思うようですが、ホラー映画ではないので  ご安心ください。 火葬場の職員さんは、とても注意しながら、綺麗な状態に焼き上げてくれます。 理科室にあった骨格標本のように全身が出てくる火葬炉もありますが... 続きをみる

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  • 旅立ちのお弁当は恵方巻

    節分の日に、恵方巻の名前で、太巻き寿司を食べる習慣があります。 関西では、昔からの風習でしたが、いつのまにか全国に広がりました。 大家族のなかで、元気で過ごしていた、おばあちゃんの告別式は 2月3日の節分の日に行われました。 出棺になりました。 10人ほどのお孫さんたちの手で、棺が持ち上げられ、霊... 続きをみる

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  • 友引は火葬炉が空いています

    葬儀の当日が友引に当たると、縁起が悪いので、翌日にずらす習慣があります。 また友引を火葬場の休業日にする地域も多くあります。 気にしない方が増えていると言いながら、友引で葬儀日をずらす喪家様は まだまだ多くおられます。 「六曜」と言う古代中国で生まれた日時や方位などで、吉凶や運勢についての考え方か... 続きをみる

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  • 霊柩車をあおらないでください

    「霊柩車を見かけたら親指を隠せ」 と、言われませんでしたか? 理由は亡くなって間もない魂は、まだ成仏していないので、その魂が親指の爪の間から 入り込むと考えられていた迷信からです。 親の死に目に会えなくなるからと言う地方もあります。 霊柩車と聞いて皆様がイメージされるのが神輿の装飾を載せている「宮... 続きをみる

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  • あなたは死んだ後かなり忙しい

    仏教では、人が亡くなると、死後49日間は、魂が迷っていると言われています。 そのため死後7日ごとに法要を行います。 7日ごとに7人のお釈迦様に出会い、教えを受けて勉強をして、それぞれに合格して から、初めて極楽に行けるのです。 7日かける7人で49日。やっと満中陰となり、仏様として極楽で暮らせます... 続きをみる

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  • いくらならと怒鳴る電話口

    葬儀屋にかかってくる電話には、当然 「亡くなったのでお葬式の申し込みを」 と言う連絡のほかに、葬儀の相談の電話も、毎日多くかかってきます。 まだ亡くなってはいないが、準備をしておきたいなどの内容には 丁寧にお答えしますが、この頃特に多くなってきたのが、 「いくらなら出来る」 と、開口一番に尋ねる方... 続きをみる

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  • 認知症の特効薬を見つけました

    家族は悩んでいました。 90歳のおばあちゃんの葬儀の打ち合わせ中です。死因は老衰、大往生でした。   「葬儀屋さん、おじいちゃんの出席をあきらめようと思うのだが」 故人の夫がまだ存命でした。しかし、認知症が進み5年前から介護施設に 入院しているとのこと、  「痴呆が進んで、もう誰の顔もわからない。... 続きをみる

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  • 葬儀の後は相続トラブル

    皆さんは、お通夜、告別式と一連のお葬式のイベントが終わると、 やれやれ一段落とお思いでしょうが、実は、その後が結構大変です。   葬儀屋もお葬式が終われば一件落着とはならず、その後煩雑に相談事に追われます。 簡単に数えてみても、仏壇の購入から、お葬式の時の白木の位牌から塗りの位牌への交換墓地の購入... 続きをみる

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  • 夫婦の別れはドラマです

    葬儀屋とは、連日、「夫婦の別れ」「親子の別れ」を目の当たりにする仕事です。 夫婦とは婚姻届けを出した瞬間から、必ずどちらかが相手を見送る宿命を負います。 妻を送り出す夫は、プライドもあり葬儀の間はしっかりと喪主をつとめますが、その後は ボロボロになり、壊れていきます。 男は弱い生き物なのです。 反... 続きをみる

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  • 死者に捧げる花に囲まれて

    百合子 と言う名前の仏様でした。 まだ二十代、なぜこんなに若い方が、棺に入らなければ、ならないのでしょうか。   会葬御礼が始まりました。 「娘が生まれたとき、窓から庭一面に咲いている、ユリの花が見えました。百合子   と名付けました。  娘はユリの花が大好きでした。こんなに沢山の友人達に送っても... 続きをみる

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  • 年賀状の宛先は極楽行き

    大晦日を迎えようとしている年の瀬に命の灯が消えました。   「お正月なので」  と、 ご子息の意向で、ご家族のみの、簡素なご葬儀になりました。 火葬場の正月休み明けの、一番窯での出棺で極楽に送ります。   「おやじは無宗教なので」   「華やかなことは無駄だと言っていましたので」   「煩わしい人... 続きをみる

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  • 黄色くなった大事な半紙

    棺に入った小柄のおばあちゃんは、微笑んでいました。 喪主をつとめるのは、故人のお孫さんにあたる、白髪頭の初老の老人です。  「葬儀屋さん、この半紙を必ず入れてください。おばあちゃんがとても大事に   していました。なんだか、これを持って行くと、会いたい全員に、   必ず会えると、何回も言っていまし... 続きをみる

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  • 星になったサンタ 

             サンタクロースの旅立ち 追記 先日、サンタクロースの衣装で納棺をして、天にお送りした仏様のお宅に 初七日のご挨拶に伺いました。 少しずつ悲しみから癒えているように見える奥様が、ポツリ、ポツリと お話してくれました。 「毎年、夫がサンタクロースの衣装でプレゼントを届けていた保育園に... 続きをみる

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  • サンタクロースの旅立ち

     「この衣装を、棺に一緒に入れてください」 こう言って奥様が差し出してきた衣装は、真っ赤な服に白い縁取りのジャケットと ズボン、太いベルト、ボンボンのついた帽子、長靴、そしてフサフサの白く長い 付け髭、そう本格的なサンタクロースの衣装です。 いままで、いろいろな品物を仏様に持たせてきましたが、さす... 続きをみる

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  • 御通夜の深夜に解かること

    「葬式なんて必要ない。面倒なだけだ。」 「葬式を行う意味が解らない。葬儀屋なんか帰ってもらえ」 打ち合わせの時の喪主様は、けんか腰でした。 それでも周りの家族・親族がたしなめ、多くの参列者で通夜が行われました。 通夜の語源は、釈迦が入滅した時に弟子たちが師匠の死を悼み、お説法を夜通し、 語り合った... 続きをみる

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  • お家の宗派を知っていますか?

    葬儀屋が、初めてお葬式を出すご家庭にお寺の宗派を尋ねても、答えられなくて、実家や本家、親戚などに電話を掛けまくり、聞いてまわるケースは結構あります。 お寺とお付き合いがあり、自分の先祖からの宗教を知り、お葬式の時は頼むところが 決まっていると言う方はとても少なくなりました。   仏教には大きく分け... 続きをみる

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  • 二人で旅立った葬儀式

    高齢の母親を送る通夜の席が始まろうとしていました。 突然、喪主をつとめている息子さんが、私に相談があると囁いてきました。 「実は、さっき父が入院している病院から連絡があって、今夜が峠だというのだ」 ということは、もしかして、今夜の峠を越えられないとすると、 葬儀が続いて出ることになります。 今夜の... 続きをみる

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  • 後を追ったペット

    先月にご葬儀を終えた喪家宅に、後祭り祭壇の引き上げにうかがいました。   火葬場から持ち帰ったお骨と、白木位牌を飾って置き、満中陰まで置いておく 祭壇を、後祭壇とか、後飾壇と言います。 関西地方では中陰壇とも言います。 満中陰とは、亡くなった日から、7日ごとに7人のお釈迦様や菩薩様に会い 教えを受... 続きをみる

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  • 入浴中の旅立ち

    今朝の新聞に高齢者のお風呂の事故についての記事がありました。 入浴中の死亡事故は、交通事故の件数より多いそうです。   特に、高齢者では顕著に数字が跳ね上がります。 ヒートショックに、弱っている心臓が耐えられないからです。   検死が終わったので引き取りに来てくれと、警察から連絡が入りました。 お... 続きをみる

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  • 仏様が作った花祭壇

    お宅は、路地奥の小綺麗な一軒家でした。 入口の小道から庭一面に植木鉢が並び、 かわいいお花が、それぞれの植木鉢に咲いていました。 毎日、一つ一つのお花を、かわいがり丁寧に手入れをするのが日課だったそうです。 倒れた当日も、植木鉢の水やりの最中でした。 お花が大好きだった奥様が、今回の仏様です。 祭... 続きをみる

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  • インフルが奪ったランドセル

    テレビのニュースで、インフルエンザ流行のニュース聞くたびに、 記憶がよみがえる、お葬式があります。    仏さまは、6歳でした。小学校1年生になったばかりです。   命を奪ったのは、インフルエンザ脳症という病名です。 インフルエンザウィルスが急速に神経障害・意識障害を伴い 急性壊死性脳症を起こす怖... 続きをみる

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  • 葬儀のマナーは何所に行った?

    「この頃の若い者は」を、言い始めると、年を取った証拠だと言われます。 葬儀式への参列は老若男女が集いますから、 ハプニングも多々起こります。 20代から30代の若者の言動に違和感を抱くことが、何回かありました。 ① 茶髪の若者数人が会社の先輩の通夜式に、参列しました。   故人とは、あまり面識が無... 続きをみる

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  • 賑やかな控え室

    定年を迎え、これからご夫婦で老後を楽しもうと思っていた矢先の、 ご主人の急死でした。 喪家様が60代のご夫婦の場合、お子様や、ご親族は、丁度、結婚して数年の カップルが多く、控え室には、小さいお子様や、赤ちゃんが、数組集ります。    こんな時でないと、めったに顔を会わせない、おじさん、おばさん、... 続きをみる

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  • お布施は、いくら払いますか?

    お葬式には、さまざまな出費がかかります。初めて、お葬式を行う喪主様が、  一番戸惑われて、なおかつ一番わかりづらいのがお布施の金額です。   ご存じのように、お布施とは葬儀や法事の時にお寺様に手渡す謝礼のことです。   金額をお寺様に直接伺うと、大概は「お気持ちで」と答えるのですが、 この答えでは... 続きをみる

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  • この子は生まれ変わりです

    遺影写真のおじいちゃんは、微笑んでいました。 故人には、赤ん坊の時から面倒を見てきた、お孫さんがおります。 数年前の結婚式に参列できたのを、とても喜んでいたそうです。 納棺式、通夜式と、彼女は大きいお腹を、かかえて参列しました。 葬儀に、妊婦の参列は、あまり良くないと言う言い伝えがあります。   ... 続きをみる

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  • 映画よりすごいですね

    数年前に「おくりびと」という映画が評判になりました。  アカデミー賞を受賞していますので、多くの方々の記憶に残っています。   整った顔立ちのお婆ちゃんが、今日の仏様です。       「これより、納棺式を始めます」   興味津々で見守る集団の中から、ささやき声が聞こえてきます。       「お... 続きをみる

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  • 望み通りの死に方

    先月、ご主人を送った喪家様より、満中陰(49日忌)の法要が、 無事に終わりましたと、連絡が入りました。 満中陰まで飾っておいた、後祭り祭壇の片付けに、伺いました。  「お葬式では、お世話になりました。やっと、気持ちの整理がついてきました。   あっと言う間の別れでしたが、本人は望み通りの死に方だっ... 続きをみる

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  • 間に合った遺影写真

    昨日まで元気でしたが、急に亡くなりました。家族思いの父親でした。 突然死でしたので、皆、慌てました。    お寺や葬儀日程のお話は、進みましたが、遺影写真を作る、故人の顔写真が、 お家の何処を探しても、ありません。 写真はすべて父親が撮っていて本人は写っていません。    「写真を撮られるのが、嫌... 続きをみる

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  • 棺桶に入れて欲しいものは?

      ご遺体を棺桶に収める納棺時に、一緒に入れる品々を副葬品といいます。   市役所の斎場受付から各葬儀会社へ副葬品への指導通達が送られました。 内容は棺の中の副葬品は、火葬炉を傷める原因となり、排煙も多くなり 環境にも悪く、火葬時間の延長になるのでやめるようにという指導です。 確かにその通りですが... 続きをみる

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  • 霊安室の鉢合わせ

         「今、病院で亡くなりました」 と、お電話が入りました。   すぐに用意をして、お迎えにあがりました。 病院の霊安室に着くと、そこにはストレッチャーを用意している、 白衣を着た男がいます。 周りに遺族と思われる数人が困った顔をしています。 ピンときました。同業者の鉢合わせです お話を伺うと... 続きをみる

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  • 末期の味噌汁

      末期の水とは、ご自宅に、ご遺体を安置した時に、 ご遺体の口元へ、水で濡らした綿棒等で、軽く唇を湿らせる儀式です。    死に際の人が、最期に水を求めることから行われた習わしとか、 仏教の儀式で死んでいく者に対する、最期の花牟家(はなむけ)などと言われています。 ご遺体は、まだ30代の若者でした... 続きをみる

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  • 手作りの小さい棺桶

         「小さい棺桶をください」   事務所の入り口に立っていたのは、若いご夫婦です。   女性は、ふわふわの産着を着せた赤ちゃんを抱いています。    その赤ちゃんは泣き声をあげませんでした。       死産用の棺桶は1尺(約30センチ)からありますが、たまたまその時は 子供用の3尺の棺桶し... 続きをみる

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  • これは息子の骨です

      バイクと大型ダンプとの衝突交通事故がおきました。   一人の若者が、旅立ってしまいました。 ご遺体の損傷がひどく、特にお顔部分が傷ついていましたので、   納体袋という黒いビニールの袋に全身を入れ、お棺に納めました。 警察の霊安室での本人確認は、お兄さんが行いました。        「ご遺体が... 続きをみる

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  • 家族葬は薦めません

    ご葬儀の打ち合わせで、ほとんどの方が、   「家族葬で行いたい」 と言われます。   しかし、打ち合わせを進めると、最初は家族葬で行うと言いながら、 親戚は呼んであり、ご近所、ご友人、介護でお世話になった方々などが、 参列する、通常の葬儀スタイルになります。   他の人を排除する家族だけの家族葬は... 続きをみる

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  • 大往生を望む方へ

      90歳近いご老人が、自宅のベッドの上で静かに息を引き取られました。   食事も出来ていましたし、昨夜までお話もしていたので、 家族も急に亡くなるとは、思いもしませんでした。 朝になり、起きてこないので、見に行ったら、息をしていなく、冷たく なりかけていました、動顚した家族は、葬儀屋に電話を入れ... 続きをみる

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  • 母の顔をもどして

      ご遺体の引取り要請の電話が入りました。   向った先は、救急救命センターの集中治療室、ベッドの上に、 まだ、お若いおばあちゃんが、横になっていました。 脳内出血で倒れ、顔面を打ち、呼吸が出来なくなって、 救急車で運ばれたとのこと。 お医者様は、蘇生の為、最善を尽くされたのでしょう。   開頭手... 続きをみる

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  • 来世でも夫婦ですか

      ご依頼の電話が鳴りました。   故人の苗字に聞き覚えがありました。  「先月、お世話になりました○○です。父が亡くなりました」 一月前に奥様を亡くし、落胆していた喪主様のお顔を思い出しながら、   病院へ、お迎えの寝台車を走らせました。 やつれてはいましたが、ホッとしているようなお顔のご遺体で... 続きをみる

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  • 葬儀屋からのアドバイス

    葬式の話しなど縁起でもないと言わないで下さい。 どなたも、一生に一回は、ご自分を含めて経験なさるのです。 しかし昨今、核家族化も進み、ご近所とのお付き合いも薄れ、 ご葬儀の知識を持つ方は、非常に少なくなってきました。 先日、親を亡くして、お葬式を無事に済ませた知人は、 「葬儀とは究極の衝動買い」 ... 続きをみる

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