忌引き休暇を取りましたか?
ご葬儀を出す家の玄関に忌中札を張り出す光景を前はよく見かけました。
忌中札とは家人が亡くなったことを知らせるために、門や玄関などに貼る札のことです。 この忌中札に、通夜・葬儀の日時と場所を明記します。
忌中は「死は穢れである」という考えから生まれた言葉です。けがれが他人に移らないように、自宅にこもって故人のために祈り過ごす期間が忌中です。
この時間を、他の人との接触を避けるために、忌引きの休暇が取れるようになりました。
身近な方が亡くなったときに取得する忌引き休暇を、喪主は葬儀を行うために、ほかの人は喪に服し故人を偲ぶ時間を過ごすために、休むことになります。
忌引き休暇は、ほかの休暇に比べて、皆から、「休んで当然」、「無理に出てこない」、「気にしないでゆっくり休んで」、などの、イメージがあります。
学生の時には、病気でもないのに急に学校に行かなくてもよいと言われて、少し、うれしくなった記憶や、社会人になってからは、有給休暇を使い果たしたときに、身近な親戚の誰かを殺して、「忌引き休暇」の申請をされた不謹慎な方もいらしたのではないでしょうか。
本来は「喪に服す」意味ですから自重してください。
忌中の間は、飲食に気を付け、贅沢はせず、遊興は出来ません。
葬儀用語にはもう一つ、喪中という言い方があります。
忌中と喪中の違いが判りますか?
仏式では忌中は四十九日までを言います。四十九日(満中陰)法要を「忌明け法要」と呼びますし、香典返しや満中陰志を「忌明け返し」と呼ぶのは忌が終わったのを他の人々に宣言するからです。
喪中は一周忌までと言われます。一年間ですからお正月にかかり喪中はがきが必要になるわけです。
忌中と喪中との言葉を作り、それぞれに意味や過ごし方をしてきた日本人です。
どちらも残された家族が大切な人を失った悲しみと向き合い、これまで通りの生活を取り戻すために必要な時間です。