おくりびとの日記

数多くの仏様を成仏させた「おくりびと」が、お葬式の出会いを綴ります。終活の参考になれば幸いです。

霊安室の鉢合わせ

 
   「今、病院で亡くなりました」


と、お電話が入りました。
 
すぐに用意をして、お迎えにあがりました。



病院の霊安室に着くと、そこにはストレッチャーを用意している、
白衣を着た男がいます。


周りに遺族と思われる数人が困った顔をしています。


ピンときました。同業者の鉢合わせです


お話を伺うと、亡くなってすぐに、ベッド脇で悲しんでいる娘さんに、
 
看護師さんが  


   「お手伝いしましょうか」  


と、声をかけてきたので、 
 
   「ハイ」  


と、答えたら白衣の男性が入ってきたそうです。
 


そのとき、喪主となる父親は、ロビーで私共に搬送依頼の電話を


掛けていました。


はっきりさせないと、トラブルのもとになります。



 「喪家様、この方も葬儀会社の人です。病院関係者ではありません。
 
  どちらの葬儀屋でお葬式を行なうか決めてください。」



結果は、私共で搬送し、施行しましたが、皆さん気をつけてください。 
 
 
看護師さんが間に入っているので、病院関係者のように見えますし、
 
白衣など着てそれらしく見せていますし、言葉も巧みに誘導します。


しかしこの人たちは、すべて葬儀屋です。 
 
 
そしてトラブルも多くあります。
 
理由は簡単です。金銭が絡んでくるからです。 
 
 
つまり、病院に紹介してもらう為に、葬儀屋は多額のお金を裏金として使います。
 
又白衣を着せて24時間常駐させ、さも病院のスタッフのように装います。


 
そして、その莫大な費用は、葬儀費用に上乗せされ、請求されます。


 
病院のサービスだと思って寝台車の手配を頼んで、
 
後で法外な葬儀費用を取られたと後悔される喪家様が、
 
これ以上は出ないように願います。

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