葬儀のマナーは何所に行った?
「この頃の若い者は」を、言い始めると、年を取った証拠だと言われます。
葬儀式への参列は老若男女が集いますから、
ハプニングも多々起こります。
20代から30代の若者の言動に違和感を抱くことが、何回かありました。
①
茶髪の若者数人が会社の先輩の通夜式に、参列しました。
故人とは、あまり面識が無いようです。
式場中央の焼香台へ列を作り進んだ迄は、良かったのですが、
数珠を1人しか持っていなかったので、次々と手渡をして合掌を、し始めます。
周りの参列者から
「数珠ぐらいもってこいや」
の小声があがりました。
式場を出て、彼らはホッとしたのでしょう。
何か面白いことを言ったのでしょうか。爆笑と言える笑い声が、
読経のみが聞こえるホールに響き渡りました。
さすがに、
「式中ですので」
と、声をかけさせてもらいました。
②
ご親族の参列者に、若い母親がいることがあります。
赤ちゃんを抱っこしていて、読経の最中に大声で泣き出しても、
そのまま着席を続けています。ちょっと退席して泣き止むまで、
あやしたらいいのにと、思うことがあります。
歩くようになった小さいお子さんを連れている若い母親も、
意外と、お子さんの走り回りには、無頓着です。
読経中に走り回り、大きな鈴台にぶつかりそうになった時は、
私が、あわてて抱き上げに走りました。
③
通夜式が終り弔問客、ご親族もあらかた帰り、お線香守りの、
親族の若者が数人、棺の周りにいました。
なにか、騒がしいなと思い、式場を覗きますと、
棺桶の蓋が外されて開いています。
そして、スマフォを代わる代わる差し出して、ご遺体と一緒の記念撮影です。
半分呆れながら、やんわりと声をかけました。
「仏様を、静かに、休ませて上げてください」
葬儀式のなかでの常識が、伝えられない世の中に、
いつからなったのでしょうか。