おくりびとの日記

数多くの仏様を成仏させた「おくりびと」が、お葬式の出会いを綴ります。終活の参考になれば幸いです。

連絡を受けたら慌てない

皆様方は、亡くなるとすぐに親戚中に連絡をし始めます。しかし東京等の大都市ですと火葬炉の予約が混んでいて1週間近く待たされることは日常です。火葬場の休日の友引を挟むと、最低3日以上葬儀の日が伸びることもあります。
亡くなった直後に連絡を受けたご親戚は、車や飛行機に飛び乗り、すぐにやってきます。 しかし、お葬式は1週間も先だと聞くと、文句を言いながらまた帰ることになります。


亡くなると急いで葬儀参列者の連絡を考えますが、少し落ち着いてください。
慌てて親戚中に連絡をせず、打合せが一段落して、葬儀の日時が確定してからのほうが、 スムーズに事が運びます。         


皆様は家族や親族の死亡の連絡がきたらどう対処していきますか?
当然、故人や遺族とのおつきあいにより弔問の時期や方法が異なります。家族や近い親戚の場合は出来るだけ早く駆けつけるのが良いでしょう。身内はパニックになっていることが多いので、家事のお手伝いに行くのも喜ばれます。しかし、一つだけ注意したいのは、お葬式の内容については、口を出さないほうが良いのです。
親戚が早くから集まり一番困るのが、「金は出さないが、口は出す」のパターンです。
葬儀のお金の面倒を見ないなら、喪主様のご意向で話を進めてください。


ご近所や故人と親しかったご友人が、搬送してきた葬儀社の車を見掛けたり、葬儀屋が出入りしているのを見つけて、これ一大事と駆けつけようとしますが、本音は少し待ってくれたほうがありがたいのです。ご遺体を綺麗にして、お布団に安置する時間や、打合せが一段落してからのほうが、ご家族が対応しやすいのです。


それでもすぐに駆けつける場合の時は、派手な服装でなければ、地味な普段着やそのままの服装でかまいません。もちろん、まだ香典などは持参しません。
「何かお手伝いできることはありませんか」と申し出てもよいでしょう。長居はしないようにし、お悔やみを述べたら、あらためて出直すことを伝えて帰るのがよいでしょう。
「このたびは突然のことで、お悔やみを申し上げます」
と、玄関先で述べて、すぐに失礼するようにします。


遺族に強くすすめられたらあがってお線香をあげます。ご遺体との対面を促された場合、「お別れをさせていただきます」と答えます。
気持ちが悪いからと考え、強く遠慮される方も見受けますが、基本的には断らないのが、 マナーです。顔にかけた白布は遺族がはずすので、勝手にとらないようにしましょう。白布をはずしたら顔を見てあげ、手を合わせて冥福を祈ります。長居はしないようにし、お悔やみを述べたら、あらためて出直すことを伝えて帰るようにします。


遠い親族、友人、知人、会社関係の場合は、お葬式の日まで待って、通夜式以降に弔問する方が良いでしょう。連絡を受けたらお悔やみを述べるとともに、通夜告別式の日時、場所、宗教を確認することを忘れないで下さい。香典は通夜または葬儀のどちらかに持参します。
通夜または葬儀に参列が難しい場合や、勤務先などの仕事関係者は弔電を打ちます。弔電を打つ場合の宛先は葬儀会館気付けで、喪主宛または「故○○○○様ご遺族様」となります。


亡くなった方はどこにも行きません。送り出す方々は落ち着いて行動してください。

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