家族が亡くなります。初めてのお葬式をしなければならない時に、皆様はどうしますか？ほとんどの方が、パソコンを開き葬儀屋を探しますと答えます。インターネットで「葬儀」を検索すると、広告と検索上位に次々と出てくるのが、全国展開をうたう大手業者です。しかしここに並んでいる業者は葬儀屋ではないことはご存じでしたか？

この会社は葬儀屋斡旋紹介業です。全国からお葬式の注文を受けて 各地に登録している葬儀屋に仕事を振り分けるだけなのです。ネットの「小さなお葬式」「よりそうお葬式」「イオンのお葬式」がこのシステムです。格安、定額をうたい文句にするこの葬儀社紹介サイトには欠点があります。それは電話を受けたコールセンターは自社に登録してある葬儀屋だけを選んで派遣するのです。お葬式を頼む喪家様はどの葬儀屋に任せるかの選択の決定権がありません。当然何十万の買い物をする業者のハズレくじを引く可能性があるのです。

ネット業者から紹介されて来る葬儀屋には共通の欠点があります。ダメ葬儀屋は葬儀の質問に答えられません。風習や内容そして技術的な質問を受け付けません。どのお葬式でも同じ内容で同じ流れで行なうので、それ以外の知識は必要ないのです。紹介業者の売り物は「定額葬儀のサイト」であることです。お葬式のすべてを最安値の品で、決められ通りに行うから、定額制のサービスが出来るのです。定額が一番の売り物ですから、お葬式の内容が固定されます。業者は毎回同じプランを提案し同じ作業の繰り返しだけを行います。

喪家様から「故人の希望でこうしたい」などと質問されると「それは出来ません、無理です」と答え「それでもどうしてもお願いする」と頼むと「花祭壇の打ち合わせ」とか「料理の打ち合わせ」とか「香典返しの打ち合わせ」とか、全部担当者以外の別の人が来たりします。打合せだけで数日間もかかり、その間の安置料がすごい金額になったと聞きました。

このクレームにコールセンターは「各部門のプロフェッショナルを派遣したから」と言い換えたそうです。もし、あなたがネットで検索した業者を呼び、どうも打合せの内容と受け答えに納得がいかないようでしたら、出された見積書にはサインをしないで「他の業者の見積もりも取りたい」と一旦断わった方が、後悔しないお葬式をあげられると思います。

それでも我慢してお葬式をあげた結果、良く聞くクレームがあります。担当した葬儀屋が他の市から来た業者で、葬儀会場や火葬場が地元から離れた場所を指定され、とても不便を感じたそうです。定額プランで内容が決まっているので、故人の望みや、残された家族の要望を伝えても、聞き入れてもらえなかったそうです。火葬プランを選択したらご遺体をすぐに葬儀社の冷蔵庫に持っていかれ、翌日に直接火葬場に運ばれ、自宅での看取りや、ゆっくりご遺体の傍で過ごす機会を奪われたと後悔されたそうです。火葬炉の前で骨壺だけ渡され、終わっていないのに清算を急がせられ、その後逃げるように帰ってしまったと聞いたこともあります。

ネットで探す定額葬儀紹介サイトで呼ばれた葬儀屋を否定はしません。内容はどうでもよく金額だけを最小限にしたいと考えるお葬式をするならばお勧めします。ですが総額が安いうえに紹介料を引かれるのですから、人件費と利益を出すために引き受けた葬儀屋は、最低価格の商品を使用し手間とサービスをかけない流れ作業を行います。

旅立つ家族を思いやる心を持つならば、地元で良心的な老舗葬儀屋を探してみませんか？