おくりびとの日記

数多くの仏様を成仏させた「おくりびと」が、お葬式の出会いを綴ります。終活の参考になれば幸いです。

お葬式の出退席のマナー

コロナ過が一段落したこの頃です。家族だけのお葬式から一般葬と言われる会社関係や、ご友人、ご近所などが参列するお葬式も多くなってきました。特に故人が、まだ現役で亡くなる場合などは、どうしても一般参列者の人数が多くなります。そうなると、気になるのが、開式後に遅れてくる遅刻参列者と、焼香後にサッサと帰る早期退席者の行動です。


お葬式にかかる時間は開式から閉式迄約1時間であることが一番多いです。お通夜が6時の開式、告別式がお昼前後の11時から13時の間の開式時間が設定されます。宗教儀式が長い時とか、参列者が多く見込まれたりすると2時間程のお葬式になることもあります。


葬儀マナーとして、お通夜告別式の参列には開式20分くらい前に来るのが良いと思います。この時には遺族親族が式場に着席していますし、参列者が誘導されるというタイミングです。開式してしまうと遺族と話す機会はほとんどなくなります。もし遺族とお話をしたいと希望する方は開式30分前に到着してください。その時間帯には遺族は、式場の入口付近にいるはずなので話しかけることが出来ます。遺族は大概開式1時間前には式場にいます。


遅刻のリミットは開式後30分位まででしょう。焼香は開式してから大体15分程で始まります。宗派にもよりますが、御経の途中でお坊様が立ち上がって御経をとなえ、又着席したら遺族から焼香を始めるアナウンスが入ることが多いです。御経を唱えるのが早いお坊さんは30分で終わってしまう可能性があるので、30分以上遅刻してしまうと読経の最中に焼香するのは難しくなります。参列者が多い場合は御経の時間の間に焼香を終わらせないといけないので前倒しで焼香を始めます。告別式ではお坊さんが読経を終えて退席すると式場内はお別れの準備に入りますので焼香することが出来なくなります。


告別式では焼香が終わるとそのまま残って閉式まで式場に残るか、すぐに帰ってしまうかという選択肢があります。葬送の儀式に参列したのですから、出来れば出棺まで見送っていただきたいと思います。一般参列者は焼香を終えた後式場の外に案内される場合と会場内の席に戻される場合があります。基本的には参列者が多人数の場合は式場の外に誘導されます。


参列者が少ない時は式場内の自分の席に戻されます。一旦席に座ると帰りたい場合には再度立ち上がって退席をするので結構目立ちます。急いでいる場合は焼香後にそのまま出口に向かうのもひとつの方法です。退席する際に葬儀場のスタッフより会葬御礼の粗供養を渡されます。この時に会社の同僚の御香典を預かった参列者は預かった人数分の返礼品の数を申告してください。たまにお葬式が終わり会計まで済んでいるのに「数日前の返礼品を余計に下さい」と電話が入り困ることもあります。


お坊さんが退席後式場内はお別れの準備が始まります。お別れの準備ができたら遺族が花を受け取って亡くなった人の身体を覆うように棺の中へお花を手向けてお別れをします。この後一般の参列者も「お別れをご希望の方は式場内にお入りください」と案内されることが多くなりました。喪主挨拶が終わると出棺です。出発する霊柩車に手を合わせます。


霊柩車が見えなくなったら解散です。まわりの参列者に一礼をしてから帰路につきます。
忘れ物をしていないか気を付けてください。座席の上に数珠、ハンカチ、持ってきた普段は使わない小さいバッグ、焼香の時に派手に思い、外したイヤリングの忘れ物もありました。

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