おくりびとの日記

数多くの仏様を成仏させた「おくりびと」が、お葬式の出会いを綴ります。終活の参考になれば幸いです。

エンディングノートは嫌

終活を考え始めると大部分の人は最初にエンディングノートを購入して記入する作業を考えます。終活セミナーでもエンディングノートを書いてみたいという相談が増えています。終活という言葉が生まれ、マスコミが周知に披露して、自分の最期や自身のお葬式を考える人が多くなりました。その結果、エンディングノートが考え出されました。以前は遺言書とか、人生の覚え書きと言われた書類が、誰でも書きやすいように進化したのです。ところが、いざ書こうと決心しても立派な表紙や細かく分かれた項目に二の足を踏み、なかなかペンが進まない方も出てきます。その人々の中には、始めたが途中で考えるのが嫌になって書き込みを中断する人も多いのです。


書き進められない理由は何でしょうか?エンディングノートには考えたくない嫌な項目が最初から目につきます。例えば終末期医療です。生きるために身体に管を刺す穴を開けたり、口に呼吸チューブを咥えたりなどは想像したくありません。痴呆と認知症、寝たきり介護、孤独死、尊厳死、安楽死など必ずくるその日を考えることは楽しい作業ではありません。財産や相続の話も、有り余るお金があるならともかく、自身が生きるだけでカツカツの生活では馬鹿馬鹿しくて考えが及びません。


この際、エンディングノートを手作りしてみませんか?項目は自由に決められますし、形式や書き方も貴方次第です。表紙や使用するノートも自由に選べ、最終的には世界に1冊のオリジナルエンディングノートが作成できるのです。ノート形式ですと、書き間違いや書き換えが難しくなるのでお勧めはバインダーです。書きたい項目から一枚ずつ書いていき最終的に一冊にまとめることが出来ます。


手始めに記入する内容は以下の項目です。名前、住所、電話番号、生年月日、本籍地、血液型、勤務先などの自身に関することを書き出してみます。次に自分のお金について、預貯金、毎月引き落としされる項目、不動産や証券、借り入れやローンの残高、保険、年金について書きます。銀行カードやクレジットカードの暗証番号も必要ですが、もし泥棒が見たら困ると考えた方は、番号は誰それの誕生日とか、夫婦の結婚記念日ですとか、家族だけが解かる様に書いておく方もおられます。自分が死んだ時の連絡先、親族の連絡先、友人や知人の連絡先も記入します。どんなお葬式を望むか、誰を呼んでほしいか、墓の所在地や墓の希望、そして墓の管理先を誰に頼むかなども必要です。ペットに関することも忘れずに記入してください。


家族に向けたメッセージなどを書く方も多いと聞いています。忘れてはいけないことが、デジタルの遺産です。スマホやパソコンの個人データです。火葬後に故人のスマホが指紋認証だったので開けなくなったと聞きました。パソコンでのネット取引や自動引き落としが永遠に続くことも止めなければいけません。


自分だけで項目を書くのが不安な方は家族と相談しながら内容をまとめる事もお勧めです。自分の個人情報を家族は知らない事が解かります。逆に家族が知っていても自分が知らない情報もあります。記入後家族に保管場所を伝えることも重要です。


今日は手始めに自分の死後にこのムラゴンのブログをどうするかを考えて見て下さい。ムラゴンを開くためにログインIDとパスワードを書きます。そして、亡くなった後に遺産として家族に見てもらいずっと残してもらうか、見ないで削除してもらい、ムラゴンから退会する手続きを取ってもらうか、貴方はどうしますか?

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