お布施に領収書が出ない
お布施とは、お葬式や法事でお勤めをして頂いたお礼としてお坊様に渡す金銭です。労働の対価や給料とは違うので金額に明確な決まりはありません。あくまでも「お気持ちで」なのです。ですが、結構な金額を請求されて現金一括で支払います。過去ブログでもお布施を題材とする内容を綴りました。その都度、ムラゴンの皆様からご意見を多数頂いています。大きな支払いに納得のいかない人々は多いのです。
支払い金額は最低が20万円から院号をつけた戒名料を合わせると100万円を超える請求になります。これだけの金額を一時に用意するのは大変です。それでも何とか工面をしてお葬式を無事に済ませ、落ち着いてから相続の問題と向き合うと、支払ったお布施は相続税の控除対象になると気がつくのです。現金一括で支払い、領収書を貰えなかった「お布施」と言う金銭は、相続申告において葬儀費用に分類され、必然的に発生する費用として控除に対象になります。申告の時に必要ですから葬儀屋とお寺の両方から領収書を貰うようにしてください。しかし葬儀屋は必ず領収書を発行しますが、ほとんどのお坊様はもらいっぱなしで領収書は渡しません。
お布施の領収書がもらえない場合は、控除を受けることができないのでしょうか。税務署に控除を受けるために申告するには費用の詳細が確認できる領収書の提出が必要となります。今回は、お寺から領収書をもらう方法と、もらえなかった時の対処法について綴ってみます。
お葬式が終わったらお寺に領収書の発行を依頼してみます。相続の手続きで必要になる旨を伝えれば発行してくれる場合が多いのです。余程の理由がない限りは断られることはないので、安心してお寺やお坊様に依頼してみてください。領収書の発行を依頼したら受け取り方法を確認します。遠方のお寺の場合は郵送による受け取りも可能ですが、お寺側に手間を取らせてしまうので避けたほうが賢明です。葬儀後に貰うか、後日訪問をして受け取り、直接お礼を伝えるのを勧めます。
「うちのお寺として出せない」などと発行を断られた場合は、自分で記録を残しておく方法を取ります。記録する際に記載しておくべき項目は、お寺の名前・お寺の住所と連絡先・支払いの日付・支払いの目的・支払った金額・戒名の内容です。いつ、どこで、誰の葬儀にいくら支払ったのかを記録しておけば、領収書を貰え無くても控除を受けることが出来ますし、税務署の窓口も理解してくれます。
過去ブログではムラゴンの皆様からのご指摘もあり、近頃は税務処理が必要となるお布施や戒名料に係る領収書は「御布施の指針」として必ず渡すように決めている地域の仏教連合会もありますとの事でした。
最近ではお布施の金額を指定するお寺も増えています。その場合「相続申告の為」と話して、お布施の領収書を欲しいと申し出るのもの一つです。昔からお寺がお布施の領収書を発行しないのには、お礼であり寄付として扱われることが理由でした。
それが近年のお寺は対応が変わってきています。大きな金額が動く「お布施」です。領収書の発行を依頼するのは可能だろうかと心配する喪家様も多いのですが、支払い金額が多額ですので互いに気持ちよくやり取りできるような心遣いも必要です。