おくりびとの日記

数多くの仏様を成仏させた「おくりびと」が、お葬式の出会いを綴ります。終活の参考になれば幸いです。

これからの葬儀サービス

フューネラル

変化を好まない葬儀業界ですが、近年ではご利用者様の考えで、ずいぶん様変わりしてきました。特に家族葬と呼ぶ少人数のお葬式が全盛になってからは、様々なサービスが考え出されて、その新サービスを売り物にする葬儀屋も増えてきています。同業他社のパンフレットでは「当社は形式的なお葬式はいたしません。お打合せでその人らしさを伺い、ご家族のご意向に合わせたプランニングをご提案いたします」と新しいサービスを全面的に打ち出す戦略の葬儀屋も増えてきています。


葬儀施設の内部も多数の参列者が集う大きな会場を潰して、プライバシーを大切にした空間に変わりました。少人数の部屋にリニューアルした会館が増えています。特に他のお葬式に参列する方と顔を合わす心配を無くした貸し切りを宣伝する業者も増えました。ご遺族の生活時間を崩さないように24時間の面会可能な安置室を用意するとか、豪華に飾り立てた貴殯室なども売り出しています。

「最後は畳の上で眠りたい」という日本人ならではの願望を叶える為に安置のベッドを畳敷きにした特別注文ベッドを用意した葬儀屋もあります。

どうしても必要になったのは、高齢化が進むご遺族とご参列者の為のバリアフリーと椅子で参列する会場です。昔は、ご住職の読経の間、畳の上で長時間の正座を強いられてイザ焼香の時によろける方を多く見受けました。畳の会場がある葬儀会館では座椅子や椅子を用意してありますから、膝が痛くて座れない方は声をかけてください。


遺影写真の作成もAIシステムが導入されて随分変化しています。この業界では前から写真原版の背景を変更するとか、顔だけ切り取ってスーツや和服などの衣類の着せ替えが行なわれてきました。昔の遺影写真を見ると首の部分に、どうも違和感がある写真が多かったのは技術が未熟だった為です。今では、着せ替えが解らないようにつないだ部分をAIが調節します。今のAIは故人のお顔が真顔で少し怖く見えても、にこやかに微笑む自然な笑顔に作り替える技術もあります。作成した遺影写真をLINEで事前にご家族に送りご確認いただけることも始めています。


生花祭壇も昔は白い菊だけでしたが洋花も多用され「大切な人の好きな花で送りたい」等のご要望にもお応えできます。


会葬者が持ち帰る返礼品も、チョイスシステムで数種類の返礼品から選べるサービスもあります。お茶やタオルと決まっていた返礼品ですが今では当日に会葬者がお好きな物をお持ち帰りいただけるようです。


お葬式後の相続関連のお手続きやお手伝い、それに加えて名義変更や不動産売却の相談も葬儀屋が承る時代です。もちろん年忌法要のお手伝いやご会食、墓地や墓石、仏壇や仏具の販売も取り扱います。


最期は食事です。昔からお葬式の食事は、お通夜は寿司桶、告別式は冷たい会席弁当が定番でした。近頃の葬儀屋の中にはホテルのシェフが提供するフランス料理を提出するとかビュッフェ形式の食事もあり、中には目の前で職人が寿司を握り、天ぷらを揚げ、出来立て熱々の料理でおもてなしするのを売り物にする会館も出てきています。


葬儀屋もサービス業です。進化を続けます。しかしあえてお話しします。どのサービスもお金が結構かかるのです。少人数のお葬式が増えて儲かりにくくなった葬儀屋が考え出した背景を知って下さい。新サービスの値段は高いですよ。

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