おくりびとの日記

数多くの仏様を成仏させた「おくりびと」が、お葬式の出会いを綴ります。終活の参考になれば幸いです。

病院紹介の葬儀屋は高い

フューネラル

病院のベッドに寝かされているお顔には白い布がかけられています。周りを囲んだご家族に看護師さんが冷たい言葉を告げます。「すぐに葬儀屋さんに連絡してください。なるべく早く運び出してください」ご家族にとっては、はじめて経験です。どの葬儀屋にするかなどの葬儀屋選びなど、したことがありません。当然悩み、顔を見合わせて考え込みます。すると、看護師さんが優しく囁きます。「もしお悩みなら、病院で懇意にしている葬儀屋さんを、ご紹介しますよ」これは渡りに船です。いままでお世話になっている看護師さんから声をかけられると、迷いもなくそのまま依頼してしますケースが多いのです。これで、ボッタクリに引っかかります。


いままでの経験からお伝えすると、病院紹介の葬儀屋に搬送を任せた後の、ほとんどの喪家様は終わった後から「調べてみたらもっと安くできたのでは」「もしかしたら言い値で支払ってしまい、随分損をしたかも」と感じる人が多いのです。 病院から紹介される葬儀屋の搬送料金は何故高価になるのでしょうか?


理由と仕組みを説明します。多くの病院には提携している葬儀屋があります。看護師から「葬儀屋はお決まりですか」と尋ねられ決まっていないと伝えれば懇意の葬儀社を紹介されます。ご遺族が葬儀屋を探す手間を省き、死体をベッドに置いていても一銭の売る上げにならない故人を速やかに搬送して欲しい病院側の配慮によるものです。


しかし、看護師さんは地域内の全ての葬儀屋を平等に紹介するわけではありません。当然利益関係が生まれます。病院理事長や先生方への定期的な金銭の付け届けやナースステーションへのお菓子の差し入れ、そして紹介してくれた看護師さんへの直接のお礼などが随時行なわれています。直ぐに病室へ向かえるよう、病院内に常駐の部屋を借りるために月数十万円の部屋代を支払うのです。この金銭がすべて最終的に葬儀費用に上乗せされます。葬儀屋も確実に集客できる方法として、こうしたコストを払います。そして元を取るために価格に積み上げるのです。


二つ目の理由は価格競争が働かないという点です。ご遺族は大切な方を亡くした直後で、精神的に大きなショックを受けています。突然の死去で複数の葬儀社から見積もりを取って冷静に比較検討することは、時間的にも精神的にも非常に困難です。そのため、看護師さんから最初に紹介された葬儀屋の言いなりの金額をそのまま受け入れます。こうなる状況を知っている葬儀屋も適正価格で施工する必要がありません。


良く言われているのが、病院紹介の葬儀屋に遺体の搬送だけを依頼し、お通夜や告別式といった儀式については改めて別の葬儀屋を探すとの選択肢です。しかし、これも「搬送だけお願いします」と言われた場合は「通常料金の三倍を吹っ掛ける」と言い切った葬儀屋がいました。お葬式まで請け負えると見込んでの搬送ですから、目論見が外れると、これ以上この喪家とは縁がないので、ボッタクリに出るのです。


白衣を着て病院スタッフに似せて病院霊安室に向かう葬儀屋もいます。当然莫大な病院運営への協力金と言う名目で金銭が払われています。病院で紹介された葬儀屋に依頼すると必ず搬送費用が割高になるのです。


イザという時に後悔しないためには、少しでも時間と心に余裕のあるうちに、インターネットなどで複数の葬儀屋のプランを比較するなどの情報収集を始めてみてください。

×

非ログインユーザーとして返信する