おくりびとの日記

数多くの仏様を成仏させた「おくりびと」が、お葬式の出会いを綴ります。終活の参考になれば幸いです。

エンディングノートのブログ記事

エンディングノート(ムラゴンブログ全体)
  • スマホが活躍の記念撮影

    お葬式は普段あまりお付き合いのない親戚一同が顔を見せ集まるイベントです。めったにない機会ですから告別式の前や、出棺する前、葬儀を終えた後などに親族が集まり記念写真を撮ることが良く行われます。昔はプロのカメラマンを葬儀会場に呼んで、祭壇の前で集合写真を撮る習慣がありました。 集合写真を撮る場合には、... 続きをみる

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  • 緑の葉の名はなんですか

    病院で亡くなったご遺体をご自宅まで搬送します。お布団に寝かせて枕元に小さな祭壇を飾ります。枕飾りです。香炉、燭台、鈴、そして、花瓶に一本の樒(しきみ)を立てます。 この頃は、「その緑の葉っぱは何ですか」と尋ねられることがあります。「しきみ」や「しきび」と呼ばれるこの植物を始めて見る方も多いのです。... 続きをみる

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  • 病院ではこのように死ぬ

    終末期の高齢者が多く入院する病院があります。毎日のように、患者さんが亡くなります。当然、病院のスッタフは葬儀屋と顔見知りになります。 「患者さんが「ステる」ときは周りに誰もいない時が多いのよ」看護師さんが話し始めました。「ステる」の原語はドイツ語のSTERBEN⇒死亡、死亡した、の意味からきていま... 続きをみる

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  • 家のお寺はどの宗派なの

    お葬式にお坊様を呼ばない「お寺離れ」がすすんでいるとマスコミ等では言われています。しかし実際は、親戚や参列者の手前、お寺の読経が無いお葬式は考えられないと思う方も多いのです。仏教は信じていなくても、御経を唱えてくれるお坊さんを呼ぶことで葬儀の安心感と達成感が出てくるのです。やはり、お葬式に読経と線... 続きをみる

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  • お通夜の夜にわかること

    お通夜の語源は、お釈迦様が入滅した時に弟子たちが師匠の死を悼み、説法を夜通し語り合ったことから「通夜」と言うようになりました。本来は家族と親族が一晩中、棺桶の傍で過ごすことから棺守り、線香番、夜伽(よとぎ)とも呼ばれています。 寝ずの番には「故人が極楽浄土に行けますように」との願いが込められていま... 続きをみる

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  • お斎の作法をお話します

    葬儀会館ではお葬式だけでなく法事も行われます。法事では菩提寺のお寺様を呼んで読経を行い、参列者は焼香と合掌で故人を供養します。その後、お斎(おとき)と呼ばれる会食を行ないながら故人を偲ぶ時間が流れていきます。 お寺様が読経と焼香を行なう儀式のことを「法要」と呼び、法要の後の会食までを含めたイベント... 続きをみる

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  • なぜ死体はこんなに重い

    ほとんどの方が出棺の時に棺桶を持ちあげると、「エッ」というお顔をされます。指先にかかる棺桶の重さにビックリされるのです。たいして大きくないお婆ちゃんやお爺ちゃんでも、ご遺体になり棺桶に横たわると、結構な重さを感じるのです。 人は生気が無くなると体重がいっぺんに増えるように感じるのは何故でしょうか。... 続きをみる

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  • 納得の葬儀屋を選ぶ為に

    家族の死は突然来ます。ある程度覚悟していたと言われる方も、慌てふためきます。少し周りが見えてきて、やっと頭の中に現れるのが「お葬式」の言葉です。ひと昔前は、町内会や会社の総務課などが手伝ってくれましたが、現在のお葬式はすべてが葬儀屋を介して行われます。お葬式を行うご家庭を全面的にサポートする役割を... 続きをみる

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  • 挨拶は阿弥陀籤で決める

    高齢で施設暮らしの長かったお婆ちゃんには息子が4人いました。全員が独立して家庭を持ち、社会的地位もしっかり確立しています。当然、親戚関係も広がりますから、家族と親戚だけで行うお葬式も、結構大人数が集まることになりました。 長男が一応形ばかりの喪主をすることになりましたが、参列者を前にして挨拶をする... 続きをみる

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  • 秘密を守る公正証書遺言

    葬儀屋の窓口は、悩んでいる方の相談を受ける場所でもあります。終活ブームのこの頃では、自分の死んだ後に隠している秘密をどうやったら家族に伝えられるかを相談する人も出てきます。生きている今は、内緒にしておきたいのだが、死んだ時に暴かれて、家族が大騒ぎする前にしっかりと伝えておきたいなどの深刻な相談もあ... 続きをみる

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  • 最期のお布団は川の字で

    享年40歳、仏様は若い母親でした。去年の夏の終わりに全身の癌が見つかり余命3ヶ月を宣告されました。クリスマスまで頑張ろう、お正月まで頑張ろう、節分まで頑張ろう、ひな祭りまで頑張ろうと本人は闘ってきました。今度は母の日まで頑張ると言っていましたが、ついに力が尽きてしまいました。 立礼で喪主のご主人の... 続きをみる

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  • 準備は書類記入で始まる

    病室で臨終を宣告した担当医がしばらくすると一枚の紙を手渡してきます死亡診断書です。この死亡の事実を証明する書類が無いと火葬許可証の取得が出来ません。この書類一枚からお葬式の諸手続きが始まります。受け取った死亡診断書はA3の用紙の右半分に記入してあります。広げると左半分が空白になっていて、空白部分を... 続きをみる

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  • 婆ちゃんが願う俱会一処

    皆様今見ているタイトルは読めましたか?高齢のお婆ちゃんがこの文字を書いた半紙を大事に胸に抱えて棺桶に入り旅立った理由は解りますか? 「くえいっしょ」と読みます。 佛説阿弥陀経の中の言葉です。「倶会一処」は「倶に一つの処で会う」と読み解きます。倶に(ともに)一つの処(ところ)で会うという意味です。亡... 続きをみる

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  • ご臨終の脇で慌てないで

    亡くなる方の9割が病院で息を引き取ります。担当医がベッドに寝ている身体を検査して「ご臨終です」と家族に伝えます。看護師さんがエンゼルセットを持って病室に入ってきます。ご遺体の身体を綺麗にすると「葬儀屋の手配は済ませましたか?早く運び出して下さい」と告げます。夜中だからとか、家族がそろっていないから... 続きをみる

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  • 褒められる白骨になるぞ

    「まもなくお骨上げのお時間です」火葬場職員が収骨の案内を始めます。控室で待っていた家族と親戚が少しドキドキしながら火葬炉前に集まります。炉の扉が開き、中から綺麗に焼けた白骨が出てくると、皆様の口からため息のような吐息が出ます。悲しみで溢れたお葬式から、何か吹っ切れたような雰囲気になるのが、この骨上... 続きをみる

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  • お葬式は今日も雨だった

    先ほどまで、ポツポツと降っていた雨がお通夜の開式時間が近づくとやみました。まるで会葬者の皆様が濡れないように配慮したように感じました。お通夜が終わり家族だけが棺の周りを囲むころ、雨がまた強く降り出しました。最後のお別れを惜しむ故人の涙のようです。 翌日の告別式の日も、どんよりとした今にも一雨来そう... 続きをみる

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  • 火葬炉は怖いと思う方へ

    火葬炉の前でお寺様が炉前勤行を行い職員が棺の乗った台車を炉内に押し込み始めます。ぽっかりと開いた炉内を全員が興味津々で覗き込みます。耐火煉瓦で出来た小さいトンネルの中は真っ暗です。炉の扉が閉まります。しばらくするとボッと着火音が響き、火葬炉全体がゴーゴーとうなり始めます。今、貴方は身体中を1200... 続きをみる

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  • 娘の携帯で見つけた遺影

    「遺影写真を作る故人のお写真の探していただけますか」と打ち合わせの時に伺います。この頃は皆様、片手でスマホのアルバムを開き指先で探し始める場面が多くなりました。つい先日までは、遺影写真の原板を尋ねると、埃臭い厚手のアルバムを押し入れから引っ張り出して、全員で時間をかけて探し始めていたのです。 いざ... 続きをみる

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  • 愛猫を追ったお婆ちゃん

    保健福祉課から電話が入りました。身寄りの見つからない孤独死の連絡です。火葬するだけのお葬式に市役所の係員が1人だけ確認のために立ち会いました。訪問介護士が訪れた時には、お婆ちゃんは可愛らしい猫の写真の前で息が絶えていました。 「部屋がゴミ屋敷で片づけが大変なんです。猫のオシッコで部屋中が臭いんです... 続きをみる

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  • なぜ自殺をするのですか

    火葬手続きのために死亡届を受け取ります。右側の死因が記入されている場所に目を留めます。外因死の「自殺」にチェックがついているのを確認し納得します。打合せの時の家族の様子が、どうも、よそよそしく感じた原因が理解できたのです。 喪家様との話し合いは、老衰や病死などで亡くなった場合とは、まったく違う対応... 続きをみる

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  • 最後の風呂は家族の手で

    骨折から寝たきりになって数か月、温泉とお風呂が大好きなお婆ちゃんは、自宅の帰宅を最後まで望んでいました。残念ながら家には帰れず病院で息が絶えました。ベッドで看護師さんから清拭は受けていましたが、口がきける時は「温泉に行きたい」とせがんでいたそうです。 喪主様から湯灌の要望があり、オプションの湯灌専... 続きをみる

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  • 奥様に尋ねてみませんか

    横になっているお顔は微笑んでいました。初めてのデートの時に、待ち合わせの場所に相手が待っているのを見つけたときに、思わず出てくる微笑みです。見覚えのあるお顔に、そっと囁きました。「来世で奥様に再会できましたか」 最初の電話は「先月お世話になりました○○です。父も亡くなりました」でした。ひと月前に奥... 続きをみる

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  • 生きている死体との対面

    「外国で死んだ息子を迎えに行ってくれないか」この電話が最初でした。税関検査の後に棺桶を取り変えるので、新しい棺を積み込み空港へ向かいました。海外からの遺体搬送は航空機を利用します。航空貨物では遺体保存にドライアイスが使用出来ません。遺体はエンバーミングという防腐処置を行ってから搬送します。さらに国... 続きをみる

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  • たまには仏壇のお掃除を

    亡くなったばかりの仏様を病院からご自宅に帰します。安置は仏壇がある部屋になることが多いのです。葬儀屋は仏壇をチェックしています。打合せの時に、お寺を伺いますが、その前に仏壇を覗いておくだけで、お家の宗派が解かるのです。 「仏壇の扉は閉めるほうが良いのでしょうか」と聞かれることがあります。神棚は穢れ... 続きをみる

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  • 火葬場で聞いたおめでた

    貴方は生まれ変わりを信じますか?仏教の死生観は輪廻転生(りんねてんしょう)で成り立ちます。輪廻転生とは死後、生まれ変わることです。初めての土地なのに、前に尋ねた記憶がよみがえる人がいます。小さい子供が生まれる前の記憶を話す事があります。又夫婦で可愛がっていたペットが奥さんの妊娠が解かると元気がなく... 続きをみる

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  • 近頃霊柩車に気がついた

    皆様に質問します。近頃街中で霊柩車を見ましたか?ほとんどの方がこの頃見ていないなと答えるはずです。昔は霊柩車をよく見かけました。宮型霊柩車はその特徴的な外観から、遠くからでもすぐに分かりました。しかし現在は宮型霊柩車がすべて無くなり、代わりに目立たない外観の霊柩車が主流になりました。ひと目では気が... 続きをみる

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  • お墓の中を開けませんか

    お寺の境内にあるお墓の納骨に立ち会いました。通常、骨壺のご遺骨をお墓に納める納骨のお手伝いは葬儀屋の仕事にはありません。今回は先日の新仏様のご縁や、急な納骨袋の納品や、不要な骨壺を引き取って欲しいなどのお願いが重なり、急遽、立ち会うことになりました。お墓の中を覗くのは、私も久しぶりの経験です。 お... 続きをみる

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  • お雛様が周りを守る仏様

    雛祭りが近づくと思い出す仏様がいます。そのお婆ちゃんは老人会の人気者でした。お葬式は喪主の仕事の関係と親戚の集まれる日がその日しかなく、やむなく友引に行われました。友引は葬儀を行うのが嫌われます。理由は友人を冥途に連れていくとの迷信からです。出来るなら変更したかったのですが日程が合いませんでした。... 続きをみる

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  • 小さな遺族の微笑みの時

    葬儀並びに告別式の閉式が告げられ、しばらく出棺前のお別れの時間が持たれます。お別れを告げる家族や親族の中には、小学校入学前のお子様が混じる喪家様も多くおられます。高齢の故人になると、ひ孫の参列も珍しくありません。これらの一番、かわいい年代の小さな参列者が、出棺前にハプニングのひと時を作り出すのです... 続きをみる

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  • お葬式を行なう理由とは

    葬儀会館の見学会に訪れる方や、当分自分は死なないけれど終活のために葬儀を知りたいと言う人が増えています。その方々の中には「高いお金をかけてお葬式をする理由が解らない」と質問される方もおられます。 皆様は何故お葬式をするかと聞かれたら何と答えますか。葬儀業界には、葬祭ディレクターという資格試験があり... 続きをみる

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  • 仏様はそんなに持てない

    納棺に伺いました。枕元に入れて欲しい品々がずらりと並べてあります。「困ったな」と心の中でつぶやきます。ご遺体を棺桶に収める納棺時に、一緒に入れる品を副葬品といいます。打合せの時に市役所からの「火葬時における副葬品の禁止事項」の紙を参考に渡してありますがほとんどの方は気にしません。亡くなった家族にあ... 続きをみる

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  • お葬式に寺は必要なのか

    南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)の声とチーンと鳴る鐘の音、ポクポクと歌う木魚。お葬式のイメージを質問すると、ほとんどの方がこのように答えます。実際9割が仏式の葬儀で執り行われています。檀家の数を数えると日本人の大多数が仏教徒になります。しかし仏教徒なのに、お葬式でお寺様を呼ばなくなってきています。 ... 続きをみる

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  • ひ孫からの最後の贈り物

    葬儀並びに告別式の閉式が告げられると、出棺前のお別れの時間が始まります。故人が横たわっている棺の蓋が開けられ、家族や親戚が最後の対面を行うのです。お別れを告げる集団の中には、小学校入学前のお子様が混じる喪家様も多くおられます。高齢の故人になると、ひ孫の参列も珍しくありません。これらの一番、かわいい... 続きをみる

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  • 喪服はお嬢様のあこがれ

    女性が一生に一度着てみたい服があります。一つはウエディングドレス。もう一つが和装の喪服だそうです。男性がドキリとする服装が喪服の未亡人とも言われます。着物姿の女性は成人の日以外は、ほとんど見なくなったと言われるかもしれません。ですが、葬儀会館では和装喪服が結構人気なのです。 少し前までは、着物の喪... 続きをみる

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  • 同業が霊安室で鉢合わせ

    「今、病院で亡くなりました」と連絡が入りました。準備をしてお迎えにあがりました。病院の霊安室に着くと、そこにはストレッチャーを用意している白衣を着た男性がいます。周りに遺族と思われる数人が困惑顔をして立っています。 ピンときました。同業者の鉢合わせです。[死体を奪い合う葬儀屋バトル]との題名が付き... 続きをみる

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  • 袱紗を使うのは上級国民

    先日、顔なじみのお坊様と世間話をしていたところ、ご住職からこんな話が出ました。 「お布施を袱紗に包んで出してくるお家をすっかり見なくなった。先日の喪家様が袱紗で包まれたのし袋を出されたときに、このお宅は常識と品格があるなあと感じて、お勤めをいつもよりしっかりとあげた」 オイオイ袱紗一枚で御経が変わ... 続きをみる

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  • 修羅場になった親族控室

    お通夜や告別式が終わり、一般参列者がお帰りになると、家族と親戚が残ります。控室へ案内して、故人の思い出を話し合う親族団らんの時間が始まる予定でした。ご存じの通り親戚には、血縁で結ばれた親族と、結婚することでお付き合いが始まる姻族があります。結婚式で初めて両家の親戚が出会い、年賀状のやり取りしかない... 続きをみる

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  • 葬儀式と告別式は異なる

    「これをもって故〇〇様の葬儀式と告別式を閉式とさせていただきます」会場にスタッフの案内が流れて出棺に移ります。あえて葬儀式と告別式を分けて案内をするのには意味があります。皆様は葬儀式と告別式は内容が大きく違うものだと、ご存じでしたか? 簡単に言うと葬儀式は死者を送り出す荘厳な儀式で、告別式は故人と... 続きをみる

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  • 介護士が望んだ死にざま

    施設の裏の入り口からストレッチャーを押して館内に入りました。途端に気がつくのが、特有の臭いです。プーンと臭います。ウンチの匂いです。認知症の進んでいる高齢者で、各部屋のベッドが占められています。ほとんどの患者が寝たきりで死を待つ、この特別養護老人ホームには、目を背けるような光景があります。 入院し... 続きをみる

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  • お坊様の衣装を教えます

    葬儀式の30分程前になると、本日の導師を務めるお寺様が来館します。御導師控室に案内し、お茶とお菓子の接待をして、喪主を呼び、お布施のやり取りを確認します。本日のお寺様も、しっかりと金銭を受け取ると、立派な服装にお着替えの時間です。 お坊様が着用している衣服を袈裟(けさ)や法衣(ほうえ)と呼びます。... 続きをみる

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  • バースデーケーキの通夜

    葬儀屋との打ち合わせで最初に行うのが、葬儀の日程を決めることです。それと同時に、遺影写真の原板を選び、死亡届の記入も進めていきます。書類を記入している息子さんが、驚いたような声を上げました。 「今日は親父の誕生日だぞ。死んだ日と生まれた日が一緒だ」 周りの家族と集まった親戚が驚いたように届け出用紙... 続きをみる

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  • 来世でも夫婦でいるため

    生まれた時も、小さい時も、学生時代も知らない赤の他人同士の男と女が、なぜか一緒になり「妻」と「夫」という名前に変わります。不思議な運命で夫婦になるのです。最後までお互いを愛する存在でありたいと願いますが、なかなか難しいのが現実です。 火葬場から持ち帰ったご主人の骨壺を、後飾り段に飾ろうとした時に、... 続きをみる

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  • 仏様と一緒に迎える正月

    24時間365日休み無しが葬儀屋の仕事です。年末年始もゆっくりは出来ません。前回でお話しましたが、火葬場は公営施設です。年末から三が日にかけてはお休みになります。その期間は火葬が行えません。ですが亡くなる人は待ってくれません。 都市伝説に病院では火葬場が休業しているお正月は、死期が近づいている患者... 続きをみる

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  • この年賀状の宛先は極楽

    除夜の鐘が聞こえている時間に命の灯が消えました。「お正月なので」と、ご子息の意向で息子夫婦だけが見送るご葬儀に決まりました。火葬場は公営なので年末から三が日は休業になります。正月休み明けの一番窯での出棺を予約しました。 「おやじは無宗教なので」 「華やかなことは無駄だと言っていましたので」 「煩わ... 続きをみる

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  • このブログをご覧の方へ

    葬儀屋の書くブログで、お葬式の話なんて縁起でもないから、誰も見ないだろうと思っていました。それでも終活ブームのこの頃ですから、参考になったと思う方が1人でもいれば良いかなと思いなおし書き始めました。 Niceのスタンプやアクセス履歴を見ると、多数の方に閲覧していただき、中には何回も訪れてくれる方々... 続きをみる

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  • サンタクロースの旅立ち

    町中がクリスマスの色に染まると、思い出すお葬式があります。昨年書いた記事ですが、皆様にこんな仏様がいましたと、もう一度お伝えしたく、リブログします。 納棺にうかがいました。仏様の枕元に一緒に納める品が置いてあります。 「この衣装を入れてください」 こう言って奥様が差し出した衣装は、真っ赤な服に白い... 続きをみる

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  • 家族葬には欠点があるが

    少人数のお葬式が大半になりましたが家族だけで行う家族葬には、大きな欠点があります。亡くなった方の人生は家族だけのものではありません。その人がお付き合いしてきた親戚、友人、知人、恩師、仕事仲間、お世話になった方たちなどの多くの人とのつながりで一生を送ってきたのです。お葬式とはこの世を去るにあたりその... 続きをみる

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  • 仏様が助けてくれた検問

    病院の霊安室に向かいました。時刻はまもなく日が変わる真夜中です。ご家族は先にご自宅に帰られていて仏様だけが、ポツンとストレッチャーに寝かされていました。警備の方に「○○様のお迎えです」「そこに寝ているよ」「死亡診断書は」「家族が持っていった」 少しだけ嫌な予感がしましたが、問題ないと思い直し、スト... 続きをみる

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  • 自死を防ぐグリーフケア

    板の間にビニールシートが敷かれ全裸のご遺体が横たわっていました。警察関係者は引き上げています。首に黒く策条痕がついています。お顔に見覚えがありました。何よりもこのご遺体のいるリビングには私が組み立てた、遺影写真とご遺骨を飾る後祭り段が置いてあります。一か月前に愛する奥様のお葬式を出した後に、この場... 続きをみる

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  • 喪中はがきが届きました

    ポストに入っている「喪中はがき」を手に取る季節になりました。内容が知人の親の不幸ですと、自分もその年代になったかと思い、これから書く年賀状の宛先リストから削除しようと考えながら家に入ります。本来、喪中はがきとは故人とそれほど深いお付き合いではない方に向けてのお知らせでした。 ですがこの頃は喪中はが... 続きをみる

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  • 葬儀はいくらかかるのか

    葬儀屋にかかってくる電話で一番多いのは「お葬式にいくらかかるのですか」との質問です。このブログでも何度か取り上げています。ネットで安く宣伝している葬儀会社も実際に電話をかけてみると、次々追加の料金の説明をされて結局トータルの支払額が解らないと言う声をよく聴きます。 2017年に消費者協会が行ったア... 続きをみる

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  • 清めの塩をかけましたか

    お葬式に参列すると会葬御礼の挨拶状と一緒に小さな袋に詰められた「お清め塩」が配られることがあります。帰ってから茹で卵につけて食べようとは考えないでください。食用ではありませんと記入されています。中身は食塩ですから舐めても問題は無いのですが食品工場で作られていないので食用扱いになりません。社葬などの... 続きをみる

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  • DIYで葬儀を行います

    「葬儀屋さん、自分一人で親父の葬式をやっているのだが、病院から一人で運んだし、棺桶も買ってある。火葬場だけ手伝ってほしい」とんでもない電話がかかってきました。オイオイそれでは葬儀屋はいらないじゃないか、と突っ込むところですが、一応お話を伺いに、電話先のご自宅に向かいました。リビングに綺麗に背広を着... 続きをみる

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  • ノートに何を書きますか

    「葬儀屋さん、エンディングノートの書き方を教えてほしい」初老のご婦人が来社です。エンディングノートとは、自分が亡くなった時に備えて書くノートのことです。終活の勧めで作成される人が多くなりました。忘れたら困る大事な事柄の備忘録と同時に、自身の人生の最期をどう迎えたいかを考えるために書くノートです。 ... 続きをみる

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  • この宗教を誤解していた

    「エホバの証人の家族ですが、そちらでお葬式が出来ますか」電話先が聞いてきました。お葬式が行われる宗教は8割以上が仏式です。それ以外は神式、キリスト式、創価学会、天理教そして新興宗教と言われる幸福の科学や今回お話をするエホバ証人などがあります。 エホバ(ヤハウェ)とは全知全能の神のことです。イエスキ... 続きをみる

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  • 香典返しは何が良いのか

    一般参列者が集まるお葬式の受付では、ほとんどの方が「香典辞退」の案内を出します。家族葬はお身内だけの参列ですから、家族や親族の間では香典のやり取りが残っています。身内の絆を確かめるためと金銭的相互扶助の考えで、まだ習慣として香典があるのです。 お通夜や告別式の時に渡す品物が香典返しだと思われている... 続きをみる

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  • お葬式の時泣きましたか

    韓国の方が亡くなりました。韓国は儒教の国で、故人に最大限の敬意を表します。葬儀では日本式のお焼香を行いますが、その後で「クンジョル」と呼ばれる、膝を床に着けた深いお辞儀をします。参列者は焼香を終えると遺影に向かって膝をついて深く2礼をします。その後起立してもう一度1礼をします。また通夜式は弔問の時... 続きをみる

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  • 貴方が最後に食べるのは

    ご自宅に安置されたご遺体の枕元に一膳飯(いちぜんめし)が置かれます。一膳飯というのは亡くなった人にお供えするご飯のことです。お茶碗に大きく盛りつけて、真ん中に箸を立てます。一杯飯(いっぱいめし)とか枕飯(まくらめし)とも呼ばれます。山盛りの白米ごはんを出すのは、この世に別れを告げて、あの世へと旅立... 続きをみる

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  • どの死に方が幸せですか

    認知症の患者が多く入院している病院から、お爺さんを引き取りました。葬儀会館に安置して着替えをさせると、両手首に縛った後がありました。手足に拘束の跡があるご遺体は珍しくありません。認知が進みベッドの上で暴れて、手が付けられない状態とか、一日中徘徊して介護が出来ないなどで、最終的に縛り付けられたと思い... 続きをみる

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  • 安らかに眠るはおかしい

    お葬式の場では棺の中で横たわる故人やご遺族に参列者からお悔やみ言葉が掛けられます。 「この度はまことにご愁傷様でございます。心からお悔やみ申し上げご冥福をお祈りいたします。突然のことでさぞやお力を落とされていることと存じます。お疲れが出ませんようどうぞご自愛ください。」 ここまで丁寧には言いません... 続きをみる

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  • まだ葬儀屋の出番は無い

    「葬儀屋さん、すぐ来てくれないか。どうも死んでいるようだ」慌てた口調の電話です。自宅で亡くなった方を見つけると、気が動転して死人イコール葬儀屋と結びつける家族が多いのです。 「まず、お医者様に見せてください。かかり付け医がいない時は救急車を呼んでください。その時にどうやら死んでいるようだ伝えてくだ... 続きをみる

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  • 水子に父親が出来ること

    前回のブログで死産について取り上げたら、生まれなかった子を送る方法を教えてくださいとの連絡を貰いました。前述したとおり12週以降出産前までに残念ながら育たず死産になった赤ちゃんを送るには、産科医が記入した死産証書を貰い死産届を市役所に提出します。火葬許可書が出るので火葬炉を予約し火葬します。胎児の... 続きをみる

    nice! 150
  • 我子を火葬にしたいので

    男性が静かに入ってきました。きちっとした格好の40歳前です。葬儀依頼のようです。 「水子の棺桶を売ってください」 最初はあまり細かくは尋ねません。性別や好みもあるので3個ほどバスケット型の小さい棺桶を並べました。ピンク、水色、白のフワフワのバスケットを持ってきました。 「死産証書か死胎検案書はお持... 続きをみる

    nice! 168
  • 家族に思いを伝える方法

    葬儀屋にもセールスで営業の方が訪れます。当然、売り込む品々は棺桶とか骨壺、線香、蝋燭などの消耗品が主体です。その他にも、祭壇に飾る、いつまでも腐らないフェイクの果物盛り合わせとか、祭壇にご本尊の掛け軸を掛ける時に使う、自撮り棒のように延ばせる軸かけ棒などの変わった品々もあります。 先日の商談では販... 続きをみる

    nice! 135
  • 死んでもお水が欲しいな

    火葬場から帰ったご遺族が、玄関先で渡された塩を肩先に振り、死の穢れを落とします。洗面所の水で手を洗い、まだ暖かい骨箱を後祭り段にそっと安置します。線香と蝋燭の火をともし、手を合わせます、ご主人を送ったばかりのお婆ちゃんが急に立ち上がりました。 「たいへん、たいへん、お水を忘れていた、おじいちゃん、... 続きをみる

    nice! 149
  • もとの婆ちゃんに戻して

    葬儀依頼の電話が入りました。今しがた亡くなったばかりだそうです。向った先は、救急救命センターの集中治療室でした。ベッドの上に、まだ、若いお婆ちゃんが、横になっていました。 お天気が良いので友人達とランチを楽しむため、お洒落をして出かけたそうです。駅の階段で突然の脳内出血で倒れました。階段を転がり落... 続きをみる

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  • ドライアイスを外してね

    数時間前にお亡くなりになったご遺体を前にして死後の処置に取り掛かります。火葬までに死体を不快な状態にしないために必要な作業です。本音を言うと、ご遺族の皆様には、この死体を裸にして行う行為をあまり見せたくありません。そこで、こう切り出します。 「仏様を綺麗にいたしますのでしばらくお待ちください。この... 続きをみる

    nice! 147
  • 貴方のお茶碗は無いから

    霊柩車がホーンを鳴らし、ゆっくり進み始めます。入り口の脇で待機していたセレモニースタッフが、ビニール袋に入れられたご飯茶碗を玄関の敷石に打ち付けます。 ガチャンと高い音を立てて、仏様のご飯が入っていた故人愛用のお茶碗が砕けます。 出棺時に使っていた愛用のお茶碗を割ってしまうのは、故人の魂がこの世に... 続きをみる

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  • 男は弱い生き物なのです

    葬儀依頼の電話が鳴りました。亡くなった方を尋ねると名前と住所に覚えがありました。数か月前に奥様を突然亡くされ、お葬式をおこなった喪主様の名前です。 この仕事では同じ家のご葬儀を手伝う事が結構あります。高齢のご夫婦の片方を送ると数年後に残された方のお葬式が続くのです。それも必ず奥様を見送ったご主人が... 続きをみる

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  • 利益は祭壇使用料で出す

    お葬式を終えてホッとしたところで、おもむろに差し出されるのが請求書です。 「こんな金額聞いてないよ」と、ぼったくられるケースは少なくなったようですが明細書の中身を見ると良く解からない項目もあります。祭壇使用料とは何でしょうか。棺桶代金は亡骸に使用し、その後燃やすのですから請求されるのは理解できます... 続きをみる

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  • それは遺影写真に無理だ

    介護施設に長期入院していた高齢のお爺ちゃんが亡くなりました。付き添いのお婆ちゃんと娘さんを伴い自宅に連れて帰りました。お布団に安置して、打合せを始めようとしたところ、娘さんが 「どうしても仕事で出かけます。耳が遠くなり、すこしボケてるお婆ちゃんですが、解かる 所まで話を進めておいてください。細かい... 続きをみる

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  • 心を込めてお礼状を送る

    先日、ご葬儀を終えられた喪家様より丁寧なお礼状を頂きました。無事に送り出すことが出来た安堵感と、葬儀当日にきちんとお礼が出来ないまま帰ってしまったことへのお詫びが記入されていました。施工時に特に変わったことをした記憶はないのですが、頂いた文面に感謝の気持ちが溢れました。一枚のお礼状のもたらす効果を... 続きをみる

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  • 損傷の酷いご遺体の前で

    葬儀屋になり、いろいろな状態のご遺体に接してきました。皆様は自分が亡くなった時は、布団に寝かされた綺麗な身体を想像するのでしょう。 周りの家族が「今にも起きてきそう。良く眠っているみたい」と周りを囲む、幸せな最期を考えているかもしれません。 警察からお迎えの連絡が入りました。検視の済んだご遺体の引... 続きをみる

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  • お悔みをスマートに言う

    お葬式の開始時間が近づいてくると参列者が次々と集まり始めます。受付でお悔やみを伝えているのですが、モゴモゴと言っているだけではっきりと聞こえません。喪主様やご家族へのご挨拶も内容が伝わってきません。お悔やみをはっきり伝えることはとても難しく、スマートに出来ない方が意外と多いのです。 頭の中ではこう... 続きをみる

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  • 火葬場でなく大学へ行く

    亡くなったので来てほしいとの連絡が入りました。ご自宅へ伺うと、ご家族が布団に寝かせたご遺体のお身体を、温めたタオルで拭いていました。清拭と言う病院で看護師さんがお風呂に入れない患者に行う行為です。 「3時間後に病院からお迎えが来ます。3時間だけのお葬式をお願いします」 こう言って、見せられた紙は「... 続きをみる

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  • 困った供花が届くのです

    お葬式の施工の準備を始めていると、大手の花屋さんのギフト便で供花や花かごが届いたり、電話で喪主様の了解を得ていない供花の注文が入ったりし始めます。じつは、これが葬儀屋にとっても、喪主様とっても、とても迷惑で困る行為なのです。 供花(きょうか)とは故人に供える花のことです。お花で死者の霊を慰める意味... 続きをみる

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  • 蓋が開かないようにして

    顎にお髭を蓄えたお爺ちゃんを、棺桶に寝かせました。故人は小学校の校長先生だったそうです。教育指導に厳しく家庭でも厳格な父親でした。孫にもお片付けと整理整頓を厳しく教えていたそうです。蓋を持ち上げてそっと置き棺桶を閉じました。 「明日お迎えに上がります。今夜はお棺の見守りをお願いいたします」 納棺を... 続きをみる

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  • 霊柩車は緑ナンバーです

    「これより火葬場へ向かいます」霊柩車のホーンが長々と鳴らされます。まるで棺桶の中の故人が参列者に向けて、「さようなら」と叫んでいるようです。出棺時、霊柩車が長くホーンを鳴らす意味には諸説があります。 わかりやすい説明が「故人からのお別れの挨拶として鳴らしている」という言い方です。中には葬儀を行った... 続きをみる

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  • エンディングノートには

    打ち合わせにうかがったご家庭でエンディングノートを出されることが増えつつあります。ご要望が固まっていることが多く、極めて短時間に葬儀の内容が決まっていきます。 いつの間にか広まってきた習慣ですが、デメリットもある様です。 白髪の目立つご夫婦は、一冊のエンディングノートを目の前にして、深くため息をつ... 続きをみる

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  • 四十九日かけて極楽往生

    お葬式を挙げられた喪家様から四十九日の法要の連絡が入ります。仏前のお花を手配して、法要後に不要になった「後祭り段」を引き取りに伺います。四十九日には「満中陰」「忌明け」「七七日」などのさまざまな呼び方があります。亡くなった日を命日として、その日から四十九日目が極楽往生の日です。 仏教では死者の霊は... 続きをみる

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  • ネットで探したお坊さん

    駐車場の入り口に近い一画に「寺院様駐車場」の看板が立ててあります。お葬式のある時はベンツやセンチュリーの高級車が止まる場所です。本日、やって来たお寺様の車はミニバンです。後部はキャンピングカーのように寝起きが出来るようです。 今回の打ち合わせのテーブルについているのは若いご夫婦です。高齢のお爺ちゃ... 続きをみる

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  • お墓参りに行きましたか

    お盆は、サンスクリット語のウラバンナを音読みにした盂蘭盆会(うらぼんえ)からきた仏教用語です。亡くなった先祖や家族を供養する期間になります。ほとんどの方はこの時期にお墓参りに出かけます。亡くなった方が極楽から帰って来るからです。 お墓参りに気を付けてほしいことがあります。持ち物は、生花、線香、ロウ... 続きをみる

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  • 天理教は神式の葬儀です

    お葬式の宗教は9割以上が仏教ですが、それ以外にも神式、キリスト式、創価学会、エホバの会、そして天理教などがあります。天理教は教派神道の一つです。神道に近い宗教でありながら、日本古来の神道の考え方と大きく異なる部分もあります。 もっとも大きな違いは、「死」を「出直す」と捉えることです。天理教では現在... 続きをみる

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  • 貴方の戒名いくらですか

    お葬式のお勤めをお寺様にお願いをします。必ず聞かれるのが「戒名をどのようにいたしましょうか」と言うお尋ねです。ちなみに浄土真宗は法名と言います。 ほとんどの喪家様方はしばらく迷います。お寺様も懐に入る金額が上下する大事な商談ですから、簡単には引き下がりません。 「先代が立派な戒名ですから同じものを... 続きをみる

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  • 火葬後の灰の中から指輪

    火葬炉の扉が静かに閉まります。しばらくすると「ゴォー」と音が聞こえてきます。 炉の中の紅蓮の炎で仏様が旅立ちます。この時間帯は葬儀屋にとって、少しホッとできる時間なのです。お迎え、納棺、通夜、告別式、出棺、と緊張した時間が続き、やっと火葬炉に納めます。90分程の焼き上がりを待つだけの時間です。喪家... 続きをみる

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  • 自分の葬式を予約します

    高齢のご夫婦のどちらかのお葬式のお手伝いを終えると、よく話題に上がるのが、 「私の葬式もすぐだから、あなたに予約しておこうかしら」との会話です。 「お待ちしています」とは絶対に言えませんから、 「ずいぶん先になるので私がお手伝いできるかはわかりません」と話をはぐらかします。 現在お葬式の生前予約は... 続きをみる

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  • 娘に捧げたひまわりの花

    火事が起きました。残念ながら若いお嬢さんの人生が無くなりました。早いうちに奥様を亡くし、父親一人で大きく育てた最愛の娘さんが、旅立ちました。 事故死の中でも焼死体は無惨な死体になります。真っ黒に焼け焦げた固まりは、燃えさかる炎を少しでも避けようと、丸く胎児のように縮めた身体です。その黒い物体からは... 続きをみる

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  • お数珠を持っていますか

    お通夜の時間が近づくと、参列者が集まり始めます。どなたの手にもお数珠が下げられています。お数珠は仏式の通夜や葬儀に参列する時とか、法事に出席する際には欠かせないものです。 お数珠は念珠とも言います。古来インドでヒンズー教のバラモンが儀式用に用いたのが始まりで、その後、密教の僧侶たちが使い始めました... 続きをみる

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  • 精霊棚に茄子の牛が2頭

    お顔にかけた白い布をめくりました。そこには微笑んだお顔のお爺ちゃんが寝ていました。 初盆は、初めて迎えるお盆のことです。新盆と呼ばれることもあります。 多くの地域ではお盆の時期は、8月13日~16日ですが、初盆だけは7月中に行われることがあります。お盆は亡くなった人が年に一度家族のもとに帰ってくる... 続きをみる

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  • 葬儀後に何を始めますか

    お葬式が無事に終了し、集金やご挨拶に伺うと、たびたび受ける質問があります。 「これから私は、何から、手を付けたら良いのでしょうか?」 私は司法書士や税理士ではないですから、いままでの経験からのお話をします。 亡くなった方が、世帯主であったり固定資産税の納付者だったり、光熱費の振り込みの名義人であっ... 続きをみる

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  • おくりびとの映画は嫌い

    亡骸を綺麗して、お顔を整え、死に装束を着せる、納棺の儀式を今日も行いました。納棺式を目の前で最初に見る、家族や親戚の皆様から口々に声が漏れてきます。興味津々で見守りながら「おくりびとの映画みたいだね」「映画と同じ事を、やるのかな」 「DVDで観たことがあるよ」 私は心の中で(またか、困るな。映画と... 続きをみる

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  • ご本尊には友達がいます

    前回、仏壇の中のご本尊の話をブログに書いたところ、数人の読者の皆様から、「家の仏壇に掛け軸が3枚掛かっています。ご本尊の他は誰の絵ですか?」との質問がありました。小さい仏壇ですとご本尊の掛け軸1枚だけの場合もありますが、仏壇の奥には中央の本尊の右側と左側に人の姿の書かれた掛け軸や文字の書かれた掛け... 続きをみる

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  • 創価学会の友人葬は見事

    お通夜の時間が近づくと、会社帰りのスーツのおじさん達や、買い物帰りの普段の服装姿のおばさん達が集まり始めます。故人と面識ない方が大分部です。祭壇前に曲録(きょくろく)の名がつく椅子があります。そこにはお坊さんがいません、いつも袈裟を着たお坊さんが座る椅子に、今日座っているのは、普通のスーツを着た儀... 続きをみる

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  • 仏壇で一番大事な人は誰

    このブログを見つけてくださった方の中には、毎朝、仏壇にご挨拶をなさる方もおられると思います。お水を変えて、お花を飾り、お線香をあげ、鈴を横からチーンと叩いて、ご位牌とお写真を見つめ、静かに話しかけ始めるのでしょう。 しかし、ちょっと待ってください。お仏壇の中で、一番重要で、話しかけてお願いしなけれ... 続きをみる

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  • 愛する妻に捧げる自殺死

    死因は縊死でした。首を吊る自殺です。まだ若い奥様が悲しみの表情を見せながら、喪主として、ご主人の葬儀の打合せに、しっかりとした口調で切り出しました。 「参列者は100名前後になります。自殺という最期でしたが、主人の決意を参列者に理解して欲しいのです。そして命や人生を見つめ直す機会にして欲しいのです... 続きをみる

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  • お葬式に着ていく服装は

    葬儀会館の参列者の服装は、黒一色に染まります。お葬式は黒い服を着るのが常識だと思っています。しかし戦前までは喪服の色は白色でした。そして喪服の着用は遺族のみに限られていたようです。戦後欧米の影響で黒色のものを着用するようになり、いつのまに参列者も喪服を着用するマナーになりました。 故人と最期のお別... 続きをみる

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  • 町内全員の助け合い葬儀

    ひと昔前までお葬式は自宅で行いました。その時活躍したのは葬儀屋ではありません。 ご近所や町内の皆様です。町の世話役が総力を挙げて、他人である家族のお葬式を執り行いました。お葬式の知識は葬儀屋には負けないと豪語するご隠居もいたようです。 村八分との言葉を聞いたことがあると思います。仲間はずれの意味で... 続きをみる

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  • 極楽浄土を見学してみる

    あなたは生前に、殺生を一回もしませんでした。夜中にプーンと飛んできた蚊や地面を這っていた蟻も殺したことがありません。嘘は一回もつきませんでした。自販機の下に落ちていた10円も拾いませんでした。配偶者以外との行為を経験しませんでした。お酒は一滴も口にしませんでした。この人が亡くなると枕元に阿弥陀如来... 続きをみる

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  • この挨拶文で御礼は完璧

    出棺前の霊柩車の横に喪主様がマイクを持って立ちました。始めての葬儀の経験でした。 マイクを持つ手がプルプルと震えています。悲しみと緊張が伝わります。 「本日はご会葬を賜りましてありがとうございました。おかげさまで通夜、葬儀を、滞りなく済ますことができました。生前はご交誼にあずかり、本日は最後までお... 続きをみる

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  • 一度地獄を見学してみる

    人間の時に5つの戒律を破ると地獄行です。生き物を殺さない、嘘をつかない、盗みをしない、享楽に溺れない、酒を飲まない、どれか1つでも破った人への閻魔大王の判決は決まっています。となると、ほとんどの人間は地獄に落ちる可能性があるのです。 どうせ行くなら見学をしましょう。冥界には八個の地獄があることはご... 続きをみる

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