仏壇で一番大事な人は誰
このブログを見つけてくださった方の中には、毎朝、仏壇にご挨拶をなさる方もおられると思います。お水を変えて、お花を飾り、お線香をあげ、鈴を横からチーンと叩いて、ご位牌とお写真を見つめ、静かに話しかけ始めるのでしょう。
しかし、ちょっと待ってください。お仏壇の中で、一番重要で、話しかけてお願いしなければいけない、人を忘れていませんか?
それがご本尊です。仏壇で一番重要な信仰対象物となる仏像や掛け軸のことです。仏壇の中は、お寺で奥まった場所に作られ、お坊さんが向き合い、毎回御経を唱える須弥壇(しゅみだん)を小さくした形で作られています。お寺の須弥壇には故人の位牌とか、お写真は飾りません。各宗派の教えを仏像や掛け軸にした、ご本尊をお祀りしているのです。
仏壇の奥の中央のご本尊が一番大事な人なのです。
亡くなった方のお写真は毎日見つめているが、仏壇の奥の仏像や掛け軸は、よく見たことが無かったと言わないでください。誰が飾られているかをご存じでしたか?
阿弥陀如来(あみだにょらい)を飾るのが、浄土宗、浄土真宗、時宗、天台宗です。
しかし同じ阿弥陀如来でも、宗派によってご本尊の像が多少異なります。
浄土宗、時宗は阿弥陀如来の立像ですが、後光の形が舟形になっています。
浄土真宗本願寺派は阿弥陀如来の後光の部分が8本になっています。
浄土真宗大谷派は阿弥陀如来の後背がないものか上部の後光が6本です。
天台宗は阿弥陀如来か釈迦如来の座っている仏像になります。
真言宗は大日如来(だいにちにょらい)を飾ります。大日如来像の特徴は髪を結い上げて、煌びやかな宝冠を付けています。
臨済宗、曹洞宗、黄檗宗の禅宗系は釈迦如来(しゃかにょらい)を飾ります。特徴は螺髪(らほつ)と呼ばれる小さくカールした髪の毛です。
日蓮宗は曼荼羅(まんだら)を飾ります。仏教の世界を文字で表した大曼荼羅をご本尊として中央奥の壁に祀りますが、手前に日蓮聖人像を安置することもあります。
今日から、お仏壇にご挨拶をされるときに、ご位牌とお写真へご挨拶の後、奥まったところに隠れている、一番大事なご本尊にもご挨拶をしてみませんか。
「今日も一日、見守っていてください」
もしかしたら、声をかけられたご本尊の応援で、良い事が訪れるかもしれません。