おくりびとの日記

数多くの仏様を成仏させた「おくりびと」が、お葬式の出会いを綴ります。終活の参考になれば幸いです。

高齢者は詐欺に会います

フューネラル

高齢者を対象にした調査によると様々な詐欺の連絡を受けたとか、誘いがあったとか、実際の被害に遭ったなどの経験がある人は、およそ20人に1人との恐ろしい報告が「株の学校ドットコム」から出されました。オレオレ詐欺だけでなく特に多くなっているのが株や不動産の投資詐欺です。お金に余裕のある高齢者のリストが詐欺グループに渡っていて「実際に投資の勧誘電話がかかってきた」と話す高齢者がとても増えています。アンケートでは「被害には遭っていないが勧誘を受けた事がある」と答えた人は実に「6人に1人」という高い割合になります。この数字は年々増加傾向になっています。


高齢化で人生の老後生活の為の資産形成への関心の高まりが、皮肉にも詐欺師のターゲットを増やす結果につながっています。資産形成が重要であることは間違いありませんが「絶対に損しない」「高金利高利回りで必ず元金が増える」「簡単に儲かる」といった言葉には警戒が必要です。


高齢者には昔ながらの「電話営業」が詐欺の主たる入り口であり続けているのです。調査では「突然電話がかかってきて、自分の住所や電話番号を知っていたので怖かった」という声も寄せられており、詐欺師側が何らかの名簿を入手して相手にプレッシャーをかけている実態も浮かび上がります。非通知や相手先は不明な電話番号には絶対に受話器をとらないことが重要なのです。


投資詐欺の内容には「株やFXの自動売買システム」や「海外の株式や事業の購入」などがあります。なかでも最も多かったのは「ワンルームマンション投資」でした。不動産投資は「節税になる」「老後の年金代わりになる」「生命保険の代わりになる」といった、将来の不安を巧みに突くセールストークが使われます。


「まさか、自分の親が詐欺まがいに引っかかるとは思っていませんでした。いや、今でも母は『騙された』とは認識できていないかもしれません。それが、何より恐ろしい」と話された息子さんでした。10年前に夫を亡くした母親は健康でしたので一軒家の一人暮らしを続けていました。仕事が多忙な息子さんが実家に帰るのは2〜3ヵ月に一度。普段のコミュニケーションは週に一度の電話が中心でした。

ある時、いつもと違って声が弾んでいたのです。『最近とっても親切な人が家に来てくれるようになった』と言い始めました。聞けば不動産会社の営業の人が来るそうです。母親は営業の人がいかに「いい人」であるかを熱心に語り始めました。『本当にいい人なのよ、私が話す昔話も、嫌な顔ひとつせずに聞いてくれる』独居老人の話し相手になってくれる息子のような彼をすっかり信用してしまったようでした。


そして「お母さんの将来が心配だ」「旦那様が残した大事な資産を低金利の預金にしておくのはもったいない」「息子さんに迷惑をかけないためにも、ご自身で資産を運用すべきだ」と言われ「年金代わりになる」「節税対策にもなる」と勧めてきたのが地方都市のマンション購入でした。築10年の地方都市のマンションの売買契約書とローンの申請書類を見つけた息子さんは、慌ててすぐに弁護士に連絡しクーリング・オフの手続きを取りとんでもない散財を未然に防ぎました。


「いい人だから」という理由で簡単に契約する事は最も危険です。「どうもおかしい」と思ったらその場で判断せずに家族や友人、警察(相談専用窓口#9110)や消費者ホットライン(188)に相談するようにしてください。高齢者は狙われていますよ。

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