おくりびとの日記

数多くの仏様を成仏させた「おくりびと」が、お葬式の出会いを綴ります。終活の参考になれば幸いです。

神式の葬儀の準備と流れ

フューネラル

アンケート結果によると仏式で行なうお葬式が10%程少なくなったそうです。逆に増えたのが神式のお葬式で10%以上多くなっています。それでもお葬式全体の84%は仏式で行なわれています。ほとんどの皆様は、仏教のお葬式に比べて神道のお葬式に参列する機会がとても少ないので、異なるマナーに戸惑います。神社の神職さんにお葬式をあげてもらう神式葬儀には様々な作法があります。突然の訃報の知らせに皆様あわてます。まして、お葬式を神式で行なうと聞くと困惑する人も多いのです。参列する際に周りに迷惑をかけないように最低限のマナーだけは、しっかりと身につけておきたいと思います。


神道によるお葬式は神葬祭(しんそうさい)と呼ばれます。神葬祭は仏式のお葬式とは、その意味合いが異なる宗教行事です。仏教は故人の冥福を祈って死者の魂を極楽浄土へ送り出すための儀式であるのに対し、神道のお葬式は亡くなった家族を、先祖と共に「守り神」として奉ることを目的として行われます。故人の魂は自身の家に住み続けて守護神になります。神道の死生観は、肉体は魂が宿る入れ物に過ぎず、身体が滅んでも魂はその家にとどまるため、死は悲しむべきものではないと教えています。


神式の場合、不祝儀袋は白色のシンプルなものを、水引は黒と白の結び切りのものを用意するようにします。市販されている香典袋は蓮の花など仏教にちなんだ絵柄が入っているものも多いですから注意してください。又、表書きは「御霊前」あるいは「御神前」「御玉串料」とします。くれぐれも「御香典」と書かないよう気をつけてください。香典と言う言い方は仏式だけの用語です。参列する際の服装は一般的な喪服で問題ありません。ネクタイも黒無地です。結婚指輪以外のアクセサリー類はできるだけ外して参列します。そして気を付ける事は、ポケットに入っている数珠は必要ないので自宅へ置いていきます。


神葬祭は仏式のように「故人の往生を願うこと」を目的としていないので「ご冥福をお祈りいたします」といった悲しみをあらわす言葉は適していません。参列者の多くは一般的に用いられる言葉なので悲しみの気持ちから口に出してしまいがちですが、神式ではマナー違反となってしまうのです。同じく「成仏」「供養」も佛教用語ですから使いません。


神式葬儀でまず覚えておきたい作法は、手水(ちょうず)の作法と拝礼の作法です。手水の作法とはお葬式の前に参列者の心身を清める大切な儀式です。まず桶の御神水を柄杓ですくい、最初に左手を、続いて右手を3度に分けて洗い流すようにします。次に、柄杓を持ち替えて左手で水を受け、この水で口をすすぎます。最後に柄杓をもとの場所に返して、懐紙(半紙)で両手を拭き取ります。葬儀会館では皆様、洗面所に最初に寄られます。


拝礼の作法は、頭を2回下げ、柏手を2回打ち、最後に1礼をする「二礼二拍手一礼」という順番で行うのが一般的です。但し、お葬式など弔事の柏手は両手を打つ直前で止めるようにし、音を立てないように注意します。これを「しのび手」と呼んでいます。お参りする際の(玉串奉奠)は、まず神職に一礼し、神前(玉串案前)に一礼、玉串を供えたあとで拝礼を行います。中間の二拍手は音を鳴らさない忍び手で行います。


納棺された棺桶は仏式と異なり式の間は祭壇の後ろに安置します。もし、参列者が故人の顔を見たいと希望した場合は、式の前後に祭壇の奥に回りこみ拝顔します。しかし、これも、神主さんによっては、神式祭壇前に安置するよう指示されることが多くなりました。

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