おくりびとの日記

数多くの仏様を成仏させた「おくりびと」が、お葬式の出会いを綴ります。終活の参考になれば幸いです。

担当が親身になるお葬式

フューネラル

ひと昔前は葬儀屋と言う職種は家内工業で365日24時間勤務のブラック企業の代名詞のように言われていました。現在は働き方改革の指導もあり、チームを組んで施工にあたるようになり無理な働き方は少なくなってきています。それでも、他企業に比べると時間も不規則ですしストレスも多い仕事だと感じることもあります。ありがたいことに弊社には仕事熱心なスタッフが集まっています。お葬式が一段落した喪家様から、担当に就いたスタッフにお褒めの言葉を頂くこともあります。


後輩に指導する時に心がける項目を伝えています。「打合せを始める時に、日時や人数、お寺などから最初から伺うのは、なるべくしないでください。喪主様は初めての経験の方が大部分です。まず故人の事から聞いていき家族の想いを伺いお葬式の要望を聞いて選択肢を与えていきながら内容を決めていく努力をしてください」


弊社スタッフが担当し、喪家様から頂いた内容を綴ってみます。


ご自宅の玄関にサーフボードが3枚も飾ってありました。故人は若い頃からのサーファーで最期の病室でも「もう一度、海に行きたいなあ」と言っていたそうです。火葬の日に、担当から喪主様に一つ提案をしてみました。「火葬場への出発時間を予定より30分早めませんか?故人にもう一度、海を見せてあげましょう」霊柩車は火葬場とは反対の海辺に向かってはしりました。波打ち際が見える駐車場で、扉を開けて、棺桶の蓋をずらし「最期に潮の香りを楽しんでください」と故人に声をかけたそうです。ご家族は「担当者の思いやりに、涙した」と話してくれました。


福岡県で育った故人でした。病室で「郷里の明太子をもう一度食べたい」と言っていたそうです。しかし、もう口からは食べ物をとれない身体になっていました。お別れの時に、棺桶の蓋を開けた担当者がそっと差し出した物がありました。福岡で有名店の「明太子」でした。「私から故人へのプレゼントです」休みを取って東京の福岡県アンテナショップへ出かけて購入してきたそうです。ご家族は驚き「旅立つ人への思いやりに感激した」と話してくれました。


「亡き母はコブクロが好きでした」という話をしたところ、担当の方が出棺時にコブクロの音楽を流してくれました。


打合せ後で、担当の方が長い時間かけて、たくさんの遺影写真候補から一番良い写真を一緒に選んでくれました。その写真は旅立った母が「一番気に入っている」と言っていた写真だったのに後で気がつきました。


お坊さんを呼びたいがお寺の知識がなかった我々に「それでは『やさしいお坊さん』を紹介します」と伝えた担当者でした。私達は、お寺様は近寄りがたいイメージだったのですが、紹介いただいたご住職は物腰も柔らかで話しやすいお坊さんでした。住職から「遺された家族が負担の無いように過ごしていくのが仏様も喜ばれると思いますよ」と言ってもらいとても心が軽くなったのを覚えています。母に名前を付けて頂く際も母の人柄や、好きだった内容をしっかりと聞いてくださって母にぴったりの戒名を付けてくださいました。引き合わせてくれた葬儀担当者には、とても感謝しています。


どれも弊社のスタッフの「気くばりの出来事」の一部です。

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