実家の寺はどの宗派なの
お葬式にお坊様を呼ばない「お寺離れ」がすすんでいるとマスコミ等では言われています。それでも実際は、親戚や参列者の手前、お寺の読経が無いお葬式は考えられないと思う方も多いのです。仏教は信じていなくても御経を唱えてくれるお坊様を呼ぶことでお葬式への安心感と達成感が味わえます。やはり満足感を味わうお葬式に読経は付き物なのです。
葬儀屋は「ご宗派はどちらでしょうか」と最初に尋ねます。ところが始めてお葬式を行う喪家様の中には「仏式でやりたいけど今までお寺とのおつきあいが無く、自分の実家の宗派などは考えたこともなかった」と言われる方も多いのです。ちなみに、皆様は「お寺とお付き合いがある、家の先祖からの宗派を知っている、お葬式の時は頼むところが決まっている」と言う方は、どのくらい、いらっしゃいますか?
仏教には、大きく分けてもいろいろな宗派があります。天台宗、浄土宗、浄土真宗、禅宗、時宗、真言宗、日蓮宗、等です。その他にも細かく分けると数え切れないほどの宗派が出てきます。葬儀屋が尋ねても、自分の宗派がわからなくて、実家や本家、親戚などに電話をかけて聞いてまわるというケースは結構あります。
先祖の仏壇があるけど、お寺のお付き合いは今までは無かったとい方は、仏壇からご先祖のお位牌を出して見てください。お釈迦様の釈という字が位牌や過去帳に入っていると「浄土真宗」。ほまれという誉の字が入っていれば「浄土宗」。妙法の妙の字が入っていると「日蓮宗」。空の字を入れることが多い「曹洞宗」などと、位牌から宗派がわかります。
本家の法事に出た時にお坊様が何妙法蓮華教(ナンミョウホウレンゲキョウ)と唱えていたと思い出した方は「日蓮宗」です。南無阿弥陀仏(ナムアミダブツ)と唱えていましたと言う方は、「浄土真宗」か「浄土宗」です。ちなみに座禅を組むことで教えを受ける禅宗、細かく分けると「臨済宗」「曹洞宗」「黄檗宗」は南無釈迦無尼仏(ナムシャカムニブツ)と唱えます。真言宗のお唱えは南無大師編照金剛(ナムダイシヘンショウコンゴウ)です。
お寺の数が一番多いのは「浄土真宗」です。信徒は門徒さんとも言います。浄土真宗が一番多いのは、貴族や武士の一部の階級だけの仏教でなく、一般庶民のための解放された教えから来ています。お葬式に呼ばれるお寺の割合も一番多いです。禅宗は武士階級の宗派といわれ、品格が高いのがステータスですが、実は、お布施も高くなるようです。お奨めは、お布施あまり高くない「浄土真宗」だなんて、葬儀屋は口が裂けても言えません。
この浄土真宗も西本願寺と東本願寺に別れ、本願寺派というと西、大谷家とかお東さんというと東、と呼ぶお坊様が違います。読経で唱える「ナムアミダブツ」か「ナンマンダー」の違いでも西と東が解ります。
いざと言うときに慌てないためにも、お寺をお願いするならば、まず自分のお家の宗派を確認しておいてください。そして、この宗派のお寺にお願いすると決めたのなら、一度見学に行くなり、説法を聞くなりして、つながりを持っておくことをお奨めします。
ムラゴンの皆様に質問です。「ご実家のお寺の宗派をご存知ですか、そしてお布施の金額も」