デジタル終活を考えます
このブログを読まれている貴方がもし明日突然亡くなったと仮定します。現在、使用しているスマホ、パソコン、その中に入っている数々のデーターや写真、そしてネットバンク口座や、サブスクの契約、たとえば、このムラゴンのブログはどうなってしまうのか?を考えたことはありますか。
そもそも、皆様がこの世から突然いなくなった場合に、たくさんの情報が詰まっているスマホやパソコンのロックは、あなた以外に解除できる家族はいますか? 亡くなった人のスマホを解約の為に開こうとしたら、指紋認証だったのが、火葬後に解かり二度と開けなくなったと聞きました。ロックを暗証番号にする方がほとんどです。家族がネット銀行の解約手続きをするためにスマホを開こうとしたが開けず、店舗でロックを解除して欲しいと依頼しました。答えは「初期化はできるが、画面ロックの解除はできない」と言われたそうです。残金がかなりあるはずの故人のネット銀行口座の確認は結局出来なかったそうです。
夫を亡くした女性は、クレジットカードの利用明細書に毎月不明な請求があるのを見つけ、カード会社に問い合わせると「スマホのセキュリティのサブスクではないか」と言われたそうです。携帯電話に相談すると請求元を教えてもらえたので、サブスクの事業者に問い合わせました。返事は「解約するためにはIDとパスワードが必要です」と言われ、解からないと答えると「IDとパスワードが解からなければ解約できません」と言われたそうです。
お葬式後に故人が契約していたサブスクサービスの支払いが本人の死亡によって滞り、数か月経ってからご遺族の元に弁護士から「未払い請求書」が内容証明郵便で届いて困惑したという例もあります。家族は「契約者の死亡による解約と未払い請求の破棄」を求める手続きを行うために裁判所に行く大変な作業が残りました。
皆様が良く使うサブスクサービスは「入会は簡単だが、解約はとてもハードルが高い」と言われます。クレジットカード会社も本人以外の他人が解約することは結構大変な作業になると聞いています。「抱き合わせの契約でお得」と勧められたサービスの存在を契約者当人も忘れていて、自動的に引き落とされ続けているというケースはよくあります。この状況で契約者が亡くなってしまうと、気づくまで遺族に思わぬ負担がかかるのです。
自分の死去後に残された家族が滞りなく、スマホやパソコンで契約したサービスの清算が出来るよう、生前に対応しておくことは重要なのです。万が一のために、どこかにスマホやパソコンのロックを解除するパスワードを残しておきましょう。エンディングノートに記入しておくのもお勧めします。ネットバンクなどの資産やサブスク契約などは、サービス名やID、パスワードを日頃から整理しておきます。
高齢者になると、ロック機構を外してしまうとか、最初から設定しない方法もあります。そもそも、最初の設定したIDネームやパスワードを、思い出せなくなる危険性もあるので、家族にいつ見られても良い内容にしておくのも終活の一つでしょう。
今回は今話題になっている「デジタル終活」を取り上げてみました。