後悔しないお葬式の為に
その連絡は突然来ます。身内の死去を目の当たりにすれば、どなたも動転するのは当然です。少し落ち着くと「そうだ、お葬式だ」と我にかえります。いままでこのような経験の無い方は、葬儀屋探しをスマホやパソコンで探し始めます。「葬式」と打ち込むと検索欄のトップに出てくるのは「小さなお葬式」の広告です。このブログで何回も触れている通り、この業者は葬儀屋ではありません。リベートを払ってでもお葬式を受注したい葬儀屋を斡旋する業者です。一概には言えませんが、受注者と施行者がまるで違う会社ですから、サービス内容や請求料金でのトラブルも多いと聞いています。
鎌倉新書が2024年に実施した「お葬式に関する全国調査」によると喪主経験者の30%が「葬儀で後悔していることがある」と回答しています。後悔していることの第1位は「葬儀費用」です。第2位「食事」第3位「情報収集」第4位「儀式の内容と進行」第5位「お寺・お坊さん」と続きます。お葬式にかかった費用については41.1%と約半数が「心づもりの金額を大幅にオーバーしてしまった」と後悔しています。「予算を決めておかなかった」「価格が不透明なまま葬儀を頼んだ」「いくらかかるのか、見当がつかなかった」等の回答も多くあります。
後で悔やむのは、お葬式に関する知識が不足しているのも原因の一つです。必要な費用の内訳を説明します。基本的にかかる金額は3項目に分けられます。まず必要なのが葬儀費用と呼ばれる葬儀屋が一番初めに提示する金額です。中身は祭壇、葬祭備品一式、お迎えの寝台車や霊柩車、遺影写真作成と額縁、棺桶と納棺備品、位牌、骨壺、後飾り祭壇、スタッフ人件費と各種手続き代行費など、お葬式を行う上で最低限必要な備品の購入やレンタル費用になります。次が施設利用料、供花を含む生花代金、参列者への返礼品代金、タクシーやマイクロバスの車代金、お通夜と告別式後の「お斎」と称する食事代金など、人数によって変動する請求です。お葬式の規模や内容によっては削減できることもあります。3番目に大きい金額がお寺に払うお布施です。特に二人以上のお坊様の読経や院号を含む戒名をお願いした場合は葬儀費用以上の金額が請求されることもあります。
鎌倉新書2024年調べでは費用の合計は平均で約118.5万円です。大きな金額ですが、信頼できる葬儀屋を見つけて相談することで軽減できます。相談時に葬儀屋が必ず伺う項目があります。最低限決めておいて欲しい内容は、どういうお葬式を望むか、お寺はどうするか、出席の人数です。そして「心積もりの金額」も知らせて頂ければ弊社は後悔させません。
先日の喪主様から最初に言われたのが
「50万円用意します。参列人数は10人、家族7人ご近所の友人3人です。無宗教葬で行います。お坊様は呼びません。後は葬儀屋さんにすべて任せます」
予算内でご満足いただけるよう心を配りながら施工を進めました。すべて終わりご挨拶と共に49万5千円の請求書を提示しました。受け取った喪主様から言葉を頂きました。
「身支度を整えてくれた安置から始まり、孫の手紙を納めた納棺式、3枚も作ってくれた遺影写真、故人の好きな生花で作った祭壇、通夜と告別式の満足のいく食事内容、そして仏に出した陰膳を帰りに包んでくれた気配り、出棺時のカラオケの十八番だった歌謡曲の生演奏、ゆっくりとお別れ時間を取ってくれた気遣い、どれも、満足しました。後悔の無いお葬式が出来て感謝しています」