おくりびとの日記

数多くの仏様を成仏させた「おくりびと」が、お葬式の出会いを綴ります。終活の参考になれば幸いです。

2024年6月のブログ記事

  • 暫くは納骨が出来ません

    「四十九日の法要が終わりました」との連絡を頂きました。後祭り祭壇を引き取り片付けるのでご自宅へ向かいます。飾り壇の上にまだ遺影写真と骨壺が置いてありました。通常四十九日が終わり、しばらくするとお墓に納骨をする喪家様がほとんどです。何気なく「お墓に納めるのはいつ頃ですか」と尋ねてしまいました。田舎の... 続きをみる

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  • お坊様を何と呼びますか

    仏式でお葬式や法要を行う際に一番お世話になるのがお坊様です。しかし日頃から面識やお付き合いがある方は、ほとんどおりません。お葬式で初めての対面も多いのです。誰もが出来れば失礼の無い対応をしたいと思います。そこで質問されるのが 「呼ぶときは『お坊さん』で良いですか?なにか敬称とか名称とかあるのですか... 続きをみる

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  • 妻の仏壇の前で死にたい

    火葬炉に飲み込まれていく棺桶を見送るのは、葬儀屋の私とヘルパーさんの二人だけでした。亡くなったお爺ちゃんは長期間生活保護を受けていました。独居の生活保護の方が死去すると役所は戸籍を辿り関係者を、とことん探しだします。お葬式と相続をさせるのです。しかし苦労して見つけ出し連絡を取ってみても、ほとんど全... 続きをみる

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  • ご愁傷様と言われた時は

    葬儀会館で一番使われる言葉があります。それは「ご愁傷様」です。亡くなった方のご遺族に対してお悔やみの気持ちを伝える時に用います。通夜式や告別式の場で対面する基本的な挨拶言葉として最も多用されています。「ご愁傷様」の「愁」は憂いの心情を「傷」は痛みを表しています。続けて使う「愁傷」とは心の傷を憂いて... 続きをみる

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  • この経は心臓によくない

    本日のお坊様の宗派は臨済宗です。このお坊様が御経を読む時に、葬儀屋の私がひそかに楽しむ場面があります。ご参列の皆様が悲しみのどん底にある時に葬儀屋が「楽しみ」などと言うのは極めて不謹慎な考えだと責めないでください。決してお葬式の施工を楽しんでいる訳ではありません。しいて弁解するなら、自分だけが知っ... 続きをみる

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  • 上手に使えない骨上げ箸

    火葬炉の扉がゆっくりと開きます。待合室に連絡が入り集まったご遺族の皆様が凝視するなかで静かに白骨が姿をあらわします。炉からお骨が出てくる瞬間は、全員に一瞬緊張が走ります。もし黒焦げ半生の死体が出てきたらどうしようと思うようですが、ホラー映画ではないのでご安心ください。火葬場の職員さんは、絶えず小窓... 続きをみる

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  • 喪主の奏でるバイオリン

    出棺前の静まりかえった館内に流れたのは、亡くなったご主人への愛と感謝の気持ちを音色に託したバイオリンの響きでした。バイオリンは不思議な楽器と言われます。演奏する方が変わると楽器の音がガラッと変化するそうです。同じ楽器でも演奏者が弓の毛を当てる弦の場所が数ミリ変わるだけで音色が変わります。圧力がほん... 続きをみる

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  • 葬式費用は葬儀保険から

    「お葬式はいくらかかるのですか?」この質問の答えが一番難しいのです。当然、内容や人数を伺うことから始めますが、質問してきたお客様自身もまだ何にも考えていない状況です。「家族と親戚などの限られた人数だけが参列する小規模な家族葬で行なうならば費用の全国平均は98万円と出ています」「100万円用意すれば... 続きをみる

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